解体工事を検討する上で「項目ごとの費用が一覧で知りたい」と思う方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、解体工事の「坪単価」「付帯工事費」「廃材処分費」「仮設養生費」「諸経費」などの平均単価を、中野理事監修のもと『あんしん解体業者認定協会』の保有する全国約1,200社の見積もりデータを用いて、単価表にまとめました。費用感を把握する参考としてご活用ください。
また、「解体工事の費用を安く抑える方法」も解体の専門家の視点で解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
- 解体工事の費用を決める「坪単価」や構造別の相場がわかる
- 付帯工事・廃材処分費・仮設工事費など、見積書に含まれる主な項目の単価がわかる
- 解体費用が高くなりやすい原因や、追加費用が発生するケースがわかる
- 解体費用を抑えるために確認すべきポイントがわかる
監修者
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
丸山 夏実(まるやま なつみ)
「”わからない”という不安を、”わかった!”の安心に変えるお手伝いをします。」
はじめて解体工事に直面する方の不安な気持ちに、誰よりも共感することを大切にするライター。数多くの業者インタビューや専門勉強会を通じて、プロの専門用語を一般の方にもわかりやすく伝える。読者と同じ目線に立ち、一緒に不安を解決していくパートナーのような記事作りを信条としている。
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※ 概算は目安です。正確な金額は現地調査による見積もりが必要です
解体工事の単価表
| 費用区分 | 項目 | 平均坪単価 | 単価が変動する主な要因 | 関連記事リンク |
|---|---|---|---|---|
| 1.建物本体工事費 | 木造平屋 | 3万6,464円/坪 | 建物規模・築年数・立地条件 | 木造住宅の解体費用相場 |
| 木造2階建て | 3万6,080円/坪 | 階数・構造・重機搬入可否 | ||
| 木造3階建て | 4万2,759円/坪 | 高さ・足場量・作業難易度 | ||
| 軽量鉄骨住宅・アパート | 3万8,917円/坪 | 鉄骨量・屋根材・壁材 | 鉄骨造の解体費用相場 | |
| 重量鉄骨造のビルやマンション | 4万9,102円/坪 | 鉄骨量・階数・立地 | ||
| RC造住宅 | 5万9,024円/坪 | コンクリート量・階数・重機種類 | RC造の解体費用相場 | |
| RC造マンション | 6万8,798円/坪 | 階数・延床面積・養生範囲 | ||
| 工場 | 3万7,096円/坪 | 鉄骨量・設備量・延床面積 | 工場の解体費用 | |
| 店舗の解体 | 約3万6,348円/坪 | 内装設備・厨房設備の有無 | 店舗の解体費用 | |
| 病院 | 4万3,098円/坪 | 建物構造・設備・規模 | 病院の解体費用 | |
| 火災建物の解体 | 約5万円/坪 | 焼損状況・廃材分別・安全対策 | 火災にあった建物の解体費用相場 | |
| 費用区分 | 項目 | 平均単価 | 単価が変動する主な要因 | 関連記事リンク |
| 2.付帯工事費(庭関係) | 庭木抜根 | 約2万円/本 | 根の張り・重機使用可否 | 木の根っこの処分費用 |
| 庭石撤去 | 約2.5万円/個 | 重量・搬出方法 | 庭石の撤去費用 | |
| ブロック塀撤去 | 約3,687円/m2 | 高さ・基礎・鉄筋量 | ブロック塀の解体費用 | |
| フェンス撤去 | 約2,500円/m2 | 材質・長さ | フェンスの撤去費用 | |
| カーポート撤去 | 約12万5,000円/1基 | サイズ・材質 | カーポートの撤去費用 | |
| ウッドデッキ撤去 | 約10万円/式 | 材質(天然木・樹脂)・面積・基礎の有無 | ウッドデッキの解体費用 | |
| スチール製物置撤去 | 約2.5万円/坪 | サイズ・基礎 | 物置の解体費用 | |
| サンルーム撤去 | 約10万円〜20万円/式 | サイズ・材質・ガラス量 | ||
| バルコニー・ベランダ撤去 | 約10万円〜30万円/式 | 構造・大きさ・材質・屋根付きかどうか | ||
| 土間コンクリート撤去 | 約3,047円/m2 | 厚み・鉄筋有無 | 土間コンクリートの撤去費用 | |
| 擁壁撤去 | 約2万円/m2 | 厚み・高さ・鉄筋量 | 擁壁の解体費用 | |
| 木造小屋撤去 | 約3.5万円/坪 | 構造・基礎 | 小屋の解体費用 | |
| 土蔵撤去 | 約4万7,500円/坪 | 構造・敷地状況 | 土蔵の解体費用 | |
| 井戸撤去 | 約15万円 | 深さ・お祓いの有無 | 井戸の解体 | |
| 2.付帯工事費(設備関係) | 給湯器撤去 | 約5,000円〜1万円/台 | 種類・設置場所 | |
| エアコン撤去 | 約5,000円〜1万5,000円/台 | 台数・設置場所・配管状況 | ||
| エコキュート撤去 | 約5万円〜10万円/台 | 本体サイズ・搬出条件 | ||
| 太陽光パネル撤去 | 約25万〜60万円/式 | パネル枚数・屋根形状・架台 | 太陽光パネルの処分費用 | |
| 蓄電池撤去 | 約5万円〜10万円/台 | 容量・設置場所 | ||
| 浄化槽撤去(5人槽) | 約10万5,000円/式 | サイズ・素材・撤去方法 | 浄化槽の撤去費用 | |
| 残置物(家財)の処分 | 約1万2,000円/m3 | 量・種類・分別状況 | 残置物の撤去費用 | |
| 2.付帯工事費(その他) | プレハブ撤去 | 約3万7,500円/坪 | 大きさ・材質・基礎の有無 | プレハブの解体費用 |
| コンテナ撤去 | 約5万円〜20万円/式 | サイズ・重量・搬出方法 | ||
| 看板撤去(袖看板) | 8万5,000円/式 | サイズ・設置場所・高さ | 看板の撤去費用 | |
| 費用区分 | 項目 | 平均単価 | 単価が変動する主な要因 | 特記事項 |
| 3.廃材処分(木材系) | 木くず | 約1万円/t | 含水率・異物混入・処分場 | チップ化などで再資源化されることが多い |
| 畳 | 約3,000円〜5,000円/枚 | 畳の種類・枚数・地域 | 大量処分では単価が変わる場合あり | |
| ベニヤ・合板 | 約1万5,000円/t | 接着剤の有無・混入物 | 木くずより処分費が高くなる場合あり | |
| MDF(中密度繊維板) | 約2万円/t | 材質・処分場 | 再利用が難しく処分費が高め | |
| 3.廃材処分(コンクリート・外構系) | コンクリートガラ | 約7,000円/t | 鉄筋の有無・品質 | 再生砕石として利用されることが多い |
| モルタルガラ | 約8,000円/t | 混入物・分別状況 | コンクリートガラより割高になる傾向あり | |
| コンクリートブロック | 約7,000円/t | コンクリート含有量 | 基礎撤去費は別途の場合あり | |
| レンガ | 約1万5,000円/t | 種類・処分場 | 分別状態で価格変動 | |
| タイル | 約2万円/t | 種類・混入物 | 陶磁器くず扱いになる場合あり | |
| 3.廃材処分(屋根材) | 瓦 | 約2万円/t | 種類・状態・搬出量 | 関連記事:瓦の処分費用相場 |
| スレート | 約2万円/t | 石綿含有の有無 | 石綿含有品は処理費が高額 | |
| 金属屋根 | 約1万5,000円/t | 材質(鉄・アルミなど) | 有価物として買い取りになる場合あり | |
| 波板 | 約1万5,000円/t | 材質(鉄・塩ビ・ポリカなど) | 石綿含有波板は別途対応 | |
| 3.廃材処分(内装材) | 石膏ボード | 約2万円/t | 石綿含有の有無・処分場 | 分別処理が重要 |
| クロス(壁紙) | 約2万円/t | 材質・混合状態 | 混合廃棄物扱いになる場合あり | |
| グラスウール(ガラス繊維の断熱材) | 約2万円/t | 種類・処分方法 | 粉塵の飛散防止策が必要 | |
| ロックウール(鉱物繊維の断熱材) | 約3万円/t | 含有物・処分方法 | アスベスト調査が必要な場合あり | |
| 3.廃材処分(金属類) | 鉄くず | 約1万5,000円/t | 鉄の品質・市場価格 | 買取になる場合あり |
| アルミ | 約5,000円〜1万円/t(買取の場合あり) | 純度・量 | 有価物として扱われることが多い | |
| ステンレス | 約5万円/t(買取の場合あり) | 品質・市場価格 | 種類により変動 | |
| 銅 | 約80万円/t(買取の場合あり) | 純度・市場価格 | 電線などに含まれる | |
| サッシ | 約1万円/t | アルミ・ガラス割合 | 金属部分は買取対象になる場合あり | |
| 3.廃材処分(その他) | ガラス | 約2万円/t | 分別状態・種類 | 混合廃棄物扱いになる場合あり |
| 廃プラスチック類 | 約1万5,000円/t | 材質・汚れ・混合率 | 塩ビ製品は割高になる場合あり | |
| 混合廃棄物 | 約3万円/t | 分別状況・種類 | 分別不足の場合は高額になりやすい | |
| 石綿含有廃棄物(アスベスト) | 約5万円/t | 石綿レベル・処理方法 | 除去工事費は別途 | |
| 石綿非含有スレート | 約2万円/t | 材質・処分場 | 石綿含有確認が必要 | |
| 残土 | 約8,500円/m3 | 土質・運搬距離・処分場 | 関連記事:残土の処分費用 | |
| 汚染土 | 約3万円〜5万円/m3 | 汚染物質・処理方法 | 専門処理が必要 | |
| 費用区分 | 項目 | 平均単価 | 単価が変わる主な要因 | 関連記事リンク |
| 4.仮設工事費 | 足場設置 | 約700円〜8,000円/m2 | 建物の高さ・形状・設置範囲 | 足場養生費の相場 |
| 飛散防止養生 | 約300円〜5,000円/m2 | 建物規模・周辺環境・シート種類 | 養生シートの種類と費用 | |
| 仮囲い設置 | 約1,500円/m | 設置距離・材質・期間 | ||
| 仮設トイレ設置 | 約2万円/月 | 設置期間・設備内容 | ||
| 仮設電気 | 約3万円〜5万円/式 | 工期・使用量 | ||
| 仮設水道 | 約2万円〜5万円/式 | 敷地条件・配管距離 | ||
| 仮設照明 | 約1万円〜3万円/式 | 現場規模・設置数 | ||
| 5.諸経費(重機関連) | 重機回送費 | 約4万円/往復 | 重機種類・運搬距離 | 重機回送費の費用相場と内訳 |
| 敷鉄板設置費(道路保護) | 約5,000円/枚 | 枚数・期間・搬入条件 | ||
| クレーン車使用料 | 約8万円〜15万円/日 | 吊り荷重量・作業時間 | ||
| 高所作業車使用料 | 約3万円〜5万円/日 | 車両サイズ・使用時間 | ||
| 5.諸経費(申請・調査関連) | 建設リサイクル法届出 | 1万円前後/式 | 書類作成代行の有無 | 建設リサイクル法に基づく届出 |
| 道路使用許可 | 1万円前後/式 | 申請代行の有無・地域 | 解体工事の道路使用許可 | |
| 道路占用許可 | 1万円前後/式 | 占用範囲・期間 | ||
| ガードマン配置 | 約2万円/式 | 配置人数・日数・地域・有資格者の要否 | ガードマン1名・1日あたりの費用相場 | |
| アスベスト事前調査 | 約6万円/式 | 建物規模・調査箇所 | 解体工事におけるアスベスト除去費用 | |
| アスベスト除去 | 約3万円/m2〜 | 石綿レベル・施工方法 | ||
| マニフェスト(産業廃棄物管理票)発行費 | 約500円〜1,000円/枚 | 廃棄物量・枚数 | ||
| 5.諸経費(その他) | 現場管理費 | 工事費の5〜10%程度 | 工期・現場規模 | |
| 近隣挨拶費 | 約5,000円〜1万円/式 | 挨拶範囲・粗品 |
※平均単価は、あんしん解体業者認定協会が保有する2023年〜2025年の全国約1,200社の見積もりデータや、スッキリ解体に掲載している施工事例・費用相場をもとに、一般的な住宅で多い価格帯を参考として掲載しています。建物の規模や立地条件、地域によって実際の費用は異なります。
【専門家が解説】解体工事にかかる5つの費用区分と単価相場
解体工事の見積もりは、大きく分けて5つの項目で構成されています。それぞれの内容と相場感を専門家の視点で解説します。
1.建物本体工事の単価(坪単価)
坪単価とは、建物を解体する際の延床面積1坪(約3.3m2)あたりの工事費です。
一般的には、建物の解体作業費(人件費)や重機使用料、廃材の分別・搬出費などが含まれます。
理事 中野達也ただし、坪単価に含まれる費用の範囲は業者によって異なります。また、多くの場合は付帯工事費や諸経費は含まれません。坪単価だけで解体工事の総額を判断することはできません。
また、坪単価は建物の構造だけでなく、延床面積や立地条件によっても大きく変動します。
建物が大きくなるほど、重機による解体や廃材搬出の効率が向上するため、1坪あたりの単価は安くなる傾向があります。一方、狭小地や重機が搬入できない現場では手作業が増えるため坪単価が高くなります。
さまざまな条件下での家の解体費用は以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

2.付帯工事の単価(建物以外の撤去費)
付帯工事とは、建物本体以外の撤去費用です。
例えば、庭木や庭石、ブロック塀、カーポート、物置、浄化槽などは建物本体の坪単価には含まれず、別途見積もられるのが一般的です。
付帯工事費は敷地の状況によって差が大きく、同じ住宅でも数万円で済むケースから100万円以上になるケースまであります。
庭に関する解体費用については以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

3.廃材処分費の単価
廃材処分費とは、解体工事で発生した産業廃棄物を、法律に従って運搬・処分・リサイクルするための費用です。
処分費は「重量(t)」「体積(m3)」「4tトラック○台分」など、業者によって単位や計算方法が異なります。また、運搬費と処分費を分けて記載する業者もあれば、「廃材処分費一式」とまとめて記載する業者もあります。
さらに、同じ木材でも含水率や異物の混入状況、同じコンクリートでも鉄筋の有無によって処分単価は変動します。そのため、単価だけでなく何を基準に計算されているのかの確認が重要です。
理事 中野達也近年、廃棄物の種類ごとに数量や単価を細かく提示する業者も増えています。詳細な項目の見積書では、費用の妥当性を確認しやすいメリットがあります。
実際の見積書(廃材処分費記載ページ)の例
この見積書では、処分費と運搬費が別々に記載され、単位も「m3」と「4t車○台」に分かれています。

理事 中野達也このように数量や単価が明記されている見積書であれば、何にいくらかかっているかを把握しやすく、複数社を比較する際にも役立ちます。
なお、m3表記とt(トン)表記を比較する場合は、重量換算係数を使って重量に換算すると比較しやすくなります。
重量(t)=体積(m3)×重量換算係数(t/m3)

例えば、廃プラスチック類は重量換算係数が約0.35なので、
3m3 × 0.35 = 約1.05t
となります。
| 項目 | 平均単価 |
|---|---|
| 廃プラスチック類 | 約1万5,000円/t |
この見積書では処分単価が15,800円だったため、約1.5万円/tとなり、平均単価と大きく離れていないことが確認できます。
4.仮設工事費の単価
仮設工事費とは、解体工事を安全かつスムーズに進めるための「準備作業」にかかる費用です。
具体的には、足場や飛散防止養生、仮囲い、仮設電気・水道の設置費などが該当します。これらの費用は建物の規模だけでなく、隣家との距離、前面道路の広さ、重機の搬入条件などによって大きく変動します。
理事 中野達也特に市街地では、広範囲の養生や道路保護のための敷鉄板が必要になるなど、地方より費用が高くなる傾向があります。
5.諸経費の単価
諸経費は、工事を行うための事務手続きや管理などにかかる費用です。
建設リサイクル法の届出、道路使用許可などの「各種申請費」、重機を運ぶ「回送費」、近隣住民への「挨拶回りや粗品代」、工事を安全に進行するための「現場・安全管理費」などが該当します。
見積書では細かく分けず「諸経費一式」などとまとめて表記される場合も多いです。
一般的に、これらの費用を含めた諸経費の相場は「工事費全体の10%程度」が目安となります。極端に高い・低い場合は、どのような内訳になっているか業者に確認しましょう。
理事 中野達也一般的に、これらの費用を含めた諸経費の相場は「工事費全体の10%程度」が目安となります。極端に高い・低い場合は、どのような内訳になっているか業者に確認しましょう。
解体工事の単価表だけでは総額はわからない(高くなる理由)
単価表はあくまで目安です。実際の解体工事では、付帯工事費や養生費など現場によって発生する金額が大きく異なります。
また、建物の状況や立地条件によっては追加費用が発生し、相場より高くなることもあります。
ここでは、解体費用が高くなりやすい主な理由を3つ紹介します。
1.アスベストが使用されている建物
アスベストの使用は2006年(平成18年)に禁止されたため、それ以前に着工した建物では、屋根材や外壁材、内装材などにアスベスト(石綿)を含む建材が使用されている可能性があります。
現在は法令により、解体工事を行う前にアスベストの事前調査が義務付けられており、アスベストが確認された場合は飛散防止措置を講じながら撤去しなければなりません。
出典:石綿障害予防規則
(事前調査及び分析調査)
引用:石綿障害予防規則|e-Gov法令検索
第三条 事業者は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。以下「解体等対象建築物等」という。)について、石綿等の使用の有無を調査しなければならない。
アスベスト除去費用の目安
| 坪数 | アスベスト処分量の目安 | 除去工事費の相場 |
|---|---|---|
| 30坪 | 1m3〜15m3 | 3万円〜25万円程度 |
| 40坪 | 2m3〜12m3 | 6万円〜36万円程度 |
| 50坪 | 1m3〜8m3 | 3万円〜24万円程度 |
※費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年〜2025年7月の除去工事データ4,000件以上を基に算出しています。
除去費用はアスベストのレベルによっても大きく変動します。レベル1・2は飛散性が高いため、作業区画の隔離や負圧除じん装置の設置などが必要となり、除去費用も高額になる傾向があります。
一方、住宅で多く見られるスレート屋根や窯業系サイディングなどのレベル3建材は、原形を保ったまま取り外すことで飛散を防止しながら撤去します。
理事 中野達也アスベストの有無は見た目だけでは判断できません。法律に則りしっかり調査してくれる業者を選びましょう。見積書に調査費の記載がない場合は、どこに含まれているか確認しましょう。
2.重機が入れない狭小地・住宅密集地
前面道路が狭い住宅や隣家との距離が近い住宅では、大型重機が搬入できない場合があります。人力で建物を解体する「手壊し解体」の割合が増えるため、人件費が高くなります。
手壊し解体の坪単価は「約4万円〜18万円/坪」(※『あんしん解体業者認定協会』の2025年6月までのデータから独自に集計したもの)です。これは、通常の木造解体工事の坪単価(3万4,090円/坪)の約1.2〜5.3倍に相当します。

狭小地で費用が高くなる理由
- (重機が搬入できないため)廃材を手作業で搬出する手間がかかる
- (手作業で行うため)作業日数が長くなる
- (見通しが悪いため)交通誘導員を配置する必要がある
- (隣家との距離が近いため)養生を通常より厳重に設置する必要がある
理事 中野達也道路幅や敷地条件によっては手壊し解体が必要となり、費用が大きく変わる場合があります。追加費用を防ぐためにも、現地調査を受けて施工方法を確認しましょう。
重機が入らない解体工事については以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

3.地中埋設物が見つかる可能性
建物を解体して基礎を撤去すると、地中から古い基礎や浄化槽、井戸などが見つかることがあります。これらは地中埋設物と呼ばれ、現地調査だけでは確認できないケースも少なくありません。そのため、撤去が必要になった場合は追加費用が発生するのが一般的です。
地中埋設物の主な例
- 古い基礎・地中梁・杭
- コンクリートがら・レンガ・瓦
- 浄化槽・便槽
- 井戸
- 埋設配管
- 廃材・生活ごみ
- 大きな岩・庭石
追加費用の目安
| 地中埋設物の種類 | 撤去費用目安 | 備考 |
|---|---|---|
| コンクリートガラ・レンガ・瓦・タイルなど | 1.5万円〜3.5万円(1m3あたり) | 昔の解体工事で出た廃材が、不適切に埋め戻されたもの。 |
| 建物の基礎 | 1万円〜2.5万円(1m3あたり) | 建て替え前の古い基礎が、撤去されずに残っているケース。 |
| 浄化槽 | 7万円〜16万円 | 以前の建物で使われ埋め戻された下水処理設備。 |
| 井戸 | 10万円〜20万円 | 以前の建物で使われていた井戸。 |
| 天然の岩・石 | 2万円〜5万円(1m3あたり) | 人為的に配置したものではなく、天然のもの。 |
※埋設物の大きさや数量、処分方法によって費用は変動します。
地中埋設物の撤去には掘削・搬出・処分・埋め戻しの工程が追加されるため、工期が延びる場合もあります。そのため、見積書には「地中埋設物が確認された場合は別途協議」「想定外の地中障害物は別途費用」と記載されているケースが多いです。
契約前に、どのような場合に追加費用が発生するのか、写真で報告を受けたうえで作業を進めてもらえるかを確認しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。
地中埋設物の撤去費用については以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

解体工事の費用を安く抑える方法
解体工事は100万円を超えることも珍しくありません。しかし、安さだけで業者を選ぶと、追加費用の請求や不法投棄などのトラブルにつながる可能性があります。
費用を抑えるためには、不要なコストを削減しつつ、適正価格で工事を依頼することが重要です。
ここでは、解体工事の専門家がおすすめする4つの方法を紹介します。
1.解体業者へ直接依頼する(分離発注)
建て替え工事では、ハウスメーカーや工務店から解体業者を紹介されることがあります。
しかし、多くの場合は提携する解体業者へ再発注するため、紹介手数料(中間マージン)が上乗せされます。自分で解体業者へ直接依頼すれば、この中間コストを抑えられる可能性があります。
解体業者へ直接依頼するメリット
- 中間マージンが発生しない
- 現地調査や見積もり内容を直接相談できる
- 追加費用の条件を確認しやすい
- 工事内容を細かく調整しやすい
ただし、ハウスメーカーや工務店からの紹介業者が必ず高いとは限りません。大量発注などによって割安な価格を提示できる場合もあるため、紹介された見積もりと直接依頼した見積もりを比較して判断することが大切です。
分離発注については以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

2.補助金・助成金を利用する
自治体によっては、解体工事に対して補助金や助成金を利用できます。対象となる工事は自治体によって異なりますが、代表的な制度は次のとおりです。
主な補助制度
- 老朽化した空き家の解体
- 危険ブロック塀の撤去
- 耐震化に伴う建て替え
- アスベスト除去
補助額は自治体によって異なりますが、10万〜100万円程度支給されるケースが多いです。
申請は契約前が原則
補助金制度の多くは、
- 契約前
- 着工前
- 現地確認前
などが申請条件です。
契約後は対象外になる自治体も多いため、解体を決めたら最初に自治体へ相談しましょう。
実家じまいで使える補助金については以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

3.残置物を事前に処分する
家具や家電などの残置物を解体業者へ処分してもらうこともできますが、その分産業廃棄物や一般廃棄物の運搬・処分費が加算されます。自分で処分できるものは事前に片付けることで、見積額を抑えられる場合があります。
費用を抑えやすい処分方法
- 自治体の粗大ごみを利用する
- ごみ処理施設へ自己搬入する
- リサイクルショップへ売却する
- フリマアプリ・リユースサービスを利用する
特に大型家具が多い住宅では、残置物の量だけで数万円〜十数万円の差が生じることもあります。
家電リサイクル法対象品は早めに処分する
次の4品目は自治体の粗大ごみでは処分できません。
- エアコン
- テレビ
- 冷蔵庫・冷凍庫
- 洗濯機・衣類乾燥機
リサイクル料金や収集運搬料金が必要になるため、工事直前ではなく余裕をもって処分しましょう。
4.複数社から相見積もりを取る
解体工事では、2〜3社程度から見積もりを取ることをおすすめします。同じ建物でも、業者によって見積金額や工事内容が異なることが多いためです。
相見積もりで比較したいポイント
- 工事内容
- 見積書の内訳
- 追加費用の条件
- 工期
- 総額
- 許可や資格の有無
価格だけを見るのではなく、「何にいくらかかるのか」を比較することが大切です。
極端に安い見積もりには注意
相場より大幅に安い見積もりには注意が必要です。
例えば、
- 廃棄物処理費が含まれていない
- アスベスト関連費用が別途になっている
- 「一式」表記が多く内訳が分からない
などのケースでは契約後に追加費用が発生する可能性があります。
理事 中野達也見積金額だけでなく工事内容や内訳まで確認した上で比較することが大切です。
見積書のチェックポイントについては以下の記事で詳しく解説しています。よろしければあわせてご覧ください。

【FAQ】解体工事の単価表に関するよくある質問
単価表の金額はどこの地域でも同じですか?
いいえ。都市部や地方といった地域ごとの処分費の相場に加え、道路幅などの立地条件で単価は変動します。
特に狭小地や旗竿地では手作業が増えるだけでなく、小型の2t・3tトラックしか入れず運搬回数がかさんでしまうため、割高になりがちです。
坪単価はどうやって決まりますか?
建物の構造(木造・鉄骨・RC)や規模、立地条件、廃材の量などを総合して決まります。
広さが同じ木造住宅でも、重機が入らない密集地などのほか、アスベスト含有建材の使用の有無や、屋根材・基礎の造りの違いによっても解体にかかる手間が変わるため単価は上下します。
見積書が「解体工事一式」だけでした。大丈夫でしょうか?
内訳が分からない「一式」見積もりは、追加費用などトラブルの原因になりやすいため要注意です。
本体工事費・付帯工事費・処分費・諸経費など、項目ごとの単価と数量を明記した、費用の根拠がわかる見積書を提示する業者を選びましょう。
まとめ
単価表は解体費用を検討する上で参考になりますが、現場によって数十万円〜数百万単位で異なるケースも珍しくありません。単価はあくまでも目安とし、実際の金額を知るには業者へ現地調査を依頼しましょう。
また、解体工事の費用は、工夫次第で負担を軽減できる場合があります。以下4つを意識しましょう。
- 解体業者へ直接依頼する
- 補助金・助成金を活用する
- 残置物を事前に処分する
- 複数社から相見積もりを取る
これらを組み合わせることで、適正な価格で安心して解体工事を進めやすくなります。
