店舗解体の費用相場はいくら?工事の種類や安く抑える方法を解説

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稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、解体工事や空き家問題について全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

この記事でわかること
  • 店舗解体の種類と費用相場、費用が高くなる7つの要因がわかる
  • 店舗解体費用を安く抑える3つの方法と、実際の解体事例がわかる
  • 店舗解体の具体的な流れと、工事前に確認しておきたい3つのポイントがわかる

「お店を閉めることになったけれど、解体費用はいくらかかるのだろう?」「業者から見積もりを取ったけれど、この金額は妥当なのかな?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

店舗解体の費用相場は1坪あたり2万8,700円〜4万3,996円が目安です。ただし、費用は店舗の広さだけで決まるわけではありません。「原状回復」か「スケルトン解体」かといった工事の種類や、残置物の量などによっても大きく変わります。

本記事では、『あんしん解体業者認定協会』で1,700件以上の店舗解体相談に対応してきた中野理事の監修のもと、店舗解体の費用が高くなる要因や費用を安く抑える方法、注意点などを詳しく解説します。

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

馬場 美月執筆

「スッキリ解体」専属ライター

馬場 美月(ばば みづき)

「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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店舗解体の3つの種類

店舗の解体には、大きく分けて「内装解体」「原状回復」「スケルトン解体」の3種類があります。

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種類解体範囲主なケース
内装解体内装や造作が中心店舗の改装、部分的な内装撤去
原状回復賃貸借契約によって異なる賃貸店舗の退去
スケルトン解体建物の構造体が見える状態までスケルトン状態での返却が契約で定められている場合

内装解体

内装解体

内装解体とは建物の構造部分を残して、店舗の内装や内部の造作を撤去する工事です。間仕切り壁・カウンター・ドア・ガラス・店舗什器などが主な撤去対象です。床や天井は残すことが多いものの、工事範囲に決まった基準があるわけではありません。撤去する範囲は、店舗の状態や次の入居者の利用方法などに応じて決まります。

内装解体については、以下の記事で詳しく解説しています。

原状回復

原状回復

原状回復とは、賃貸店舗を退去する際に契約で定められた状態に戻すことです。どこまで戻す必要があるかは、入居時の状態や賃貸借契約の内容によって異なります。例えば借主が設置した内装や造作を撤去したり、使用によって生じた傷や汚れなどを修繕したりします。

スケルトン解体

スケルトン解体

スケルトン解体とは店舗の内装や設備などを撤去し、建物の構造体が見える状態まで戻す工事です。内装や造作だけでなく壁・床・天井なども撤去するため、内装解体よりも広い範囲を解体します。賃貸店舗の退去時などに次の入居者が新たに内装をつくれるよう、スケルトン状態で引き渡す場合に行われます。

スケルトン解体については、以下の記事で詳しく解説しています。

理事 中野達也

まずは契約書を確認し、貸主や管理会社と「どこまで解体するか」を確かめましょう。特に賃貸店舗では、原状回復とスケルトン解体を混同すると、不要な工事や追加費用につながる可能性があります。

店舗の解体費用相場

一般的な店舗の解体費用相場は、1坪あたり2万8,700円〜4万3,996円が目安です。解体の種類別の平均単価は内装解体が4万3,996円、原状回復が3万5,000円、スケルトン解体が2万8,700円です。

解体の種類1坪あたりの費用
内装解体4万3,996円
原状回復3万5,000円
スケルトン解体2万8,700円

※解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年〜2025年7月の解体工事データ1,700件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は、業種・撤去する設備・立地条件などによって変動します。

坪数別の費用目安

店舗の解体費用は坪数によって異なります。上記の平均単価をもとに、坪数ごとの費用を計算すると以下のとおりです。

坪数内装解体原状回復スケルトン解体
10坪約44万円約35万円約29万円
20坪約88万円約70万円約57万円
30坪約132万円約105万円約86万円
50坪約220万円約175万円約144万円
100坪約440万円約350万円約287万円

※内装解体は1坪あたり4万3,996円、原状回復は1坪あたり3万5,000円、スケルトン解体は1坪あたり2万8,700円として算出しています。

店舗の解体費用が高くなる7つの要因

店舗の解体費用は、店舗の広さだけでなく内装・設備の種類や立地条件などによっても変わります。特に以下の7つの要因によって費用が高くなる場合があります。

要因1:アスベストが使用されている場合

アスベストは耐熱性や耐久性に優れ、かつて建材などに使用されていた天然の鉱物繊維です。飛散したアスベストを吸い込むと健康被害を引き起こすおそれがあり、店舗の建物や内装材に使用されている場合は解体前に事前調査が必要です。

アスベストの使用が確認された場合は、建材の種類や使用状況に応じた除去作業や廃棄物の処理が必要です。特に使用範囲が広いと除去費や処分費が増え、通常の解体工事より費用が高くなります。

アスベストについては、以下の記事で詳しく解説しています。

要因2:厨房設備が多い場合

飲食店などで厨房設備が多い場合は、解体費用が高くなります。業務用冷蔵庫・大型調理機器・換気扇・ダクト・グリストラップ・給排水設備など、撤去する設備が多いほど作業量が増えるためです。特に大型の厨房機器は重量があり、搬出に人手が必要です。また、ダクトや給排水設備の撤去に伴って周辺の壁や天井まで解体する場合は、撤去範囲が広がることで解体費用が高くなります。

飲食店内に残された厨房機器や造作什器

要因3:内装が複雑な場合

個室・小上がり・間仕切りなどが多い店舗は、解体する箇所が増えるため費用が高くなります。さらに「壁に石材やタイルが貼られている」「造作家具が多い」などの条件では撤去作業に時間がかかります。特に接着剤などで強固に固定された内装材は手作業で少しずつ撤去する必要があるため、人件費や廃材の処分費も増えやすくなります。

要因4:重機が使えない場合

重機を使えない店舗では手作業による解体が中心となるため、解体費用が高くなります。例えば店舗前の道路が狭く、重機を現場まで運び込めないケースなどです。

重機を使えない場合は壁や床などを電動工具で少しずつ解体する必要があるほか、発生した廃材も人手で運び出さなければなりません。そのため重機を使える現場よりも作業に時間がかかり、人件費や工期が増えやすくなります。

重機が入らない解体現場については、以下の記事で詳しく解説しています。

要因5:搬出経路が狭く、廃材を運び出しにくい場合

「店舗が2階以上にありエレベーターを使えない」「階段や通路が狭い」「地下にある」「トラックを店舗の近くに停められない」など、廃材を運び出しにくい場合は解体費用が高くなります。このような店舗では廃材を階段で運び下ろしたりトラックまで長い距離を運んだりする必要があるため、搬出にかかる人手や時間が増えて人件費が高くなります。

要因6:残置物が多い場合

店舗備品などの残置物が多い場合は、建物の解体費用とは別に撤去・運搬・処分費がかかるため総額を押し上げます。例えばテーブル・椅子・商品棚・事務用品・家電などが残っているケースです。特に大量の不用品が残っていると搬出に人手がかかるため、運搬費や処分費も増えやすくなります。

店舗に残された什器など

要因7:夜間・休日に工事をする場合

ビルの規則や周辺環境への配慮から夜間や休日に解体工事を行う場合は、通常より費用が高くなります。例えば「周辺に病院やオフィスがあり、騒音や振動への配慮から日中の作業が制限されるケース」「繁華街のルールによって営業終了後の夜間しか工事ができないケース」などです。夜間や休日は作業員の人件費が割増される場合があるほか、作業時間が限られて工期が延びることもあります。

店舗の解体費用事例

事例1:レストランの原状回復費用

レストランの原状回復費用の見積書01
レストランの原状回復費用の見積書02
レストランの原状回復費用の見積書03
レストランの原状回復費用の見積書04
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名称仕様・規格単位数量単価金額
1,解体工事
ホール 内部造作物解体天井・壁・床・備付け備品等m239.7812,000477,360
厨房 内部造作物解体天井・壁128,500102,000
トイレ 内部造作物解体天井・壁・床3.7841,500156,870
事務室 内部造作物解体天井・壁・床4.6241,500191,730
2,廃棄物運搬処理
木くずトン0.715,00010,500
モルタル不陸調整材12,000
廃ボードトン235,00070,000
ガラス・陶磁器0.830,00024,000
ハイプラ・不燃物トン0.150,0005,000
天然石135,000
石綿含有建材軽カル板m30.150,0005,000
3,その他
道路使用許可申請費16,000
機械工具損料費135,000
諸経費1129,540
小計1,250,000
消費税125,000
合計1,375,000
項目内容
解体費用総額137万5,000円
坪数約18坪
建物の構造RC造
店舗の種類レストラン
解体範囲1階部分
施工期間約10日

事例2:焼肉店の原状回復費用

焼肉店の原状回復費用の見積書01
焼肉店の原状回復費用の見積書02
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摘要呼称数量単価金額
1F
天井解体撤去m248.82,00097,600
壁解体撤去m21202,000240,000
間仕切り解体撤去m2101.43,000304,200
床組解体撤去m278.43,000235,200
上げ床解体撤去m24.53,00013,500
同上階段撤去120,000
レンジフード撤去110,000
トイレ撤去120,000
カウンター撤去115,000
階段撤去160,000
2F
天井解体撤去m224.32,00048,600
壁解体撤去m250.72,000101,400
間仕切り解体撤去m244.33,000132,900
床解体撤去m221.43,00064,200
靴入れ撤去110,000
物入撤去120,000
洗面台撤去115,000
トイレ撤去120,000
ダムウェーター撤去150,000
外部
樹木伐根撤去130,000
木格子撤去120,000
照明器具撤去150,000
換気扇撤去130,000
設備配管撤去130,000
AC撤去320,00060,000
解体用ローリング足場180,000
小計1,777,600
諸経費177,760
値引き▲500,815
消費税%10145,455
合計1,600,000
項目内容
解体費用総額税込160万円
坪数約30坪
建物の構造鉄骨造
店舗の種類焼肉店
解体範囲1階・2階部分
施工期間約2週間

事例3:花屋のスケルトン解体費用

花屋のスケルトン解体費用の見積書
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項目適用数量単位単価金額
1. 設備工事
エアコン切り離し工事*ガス回収含む1.0040,00040,000
電気切り離し工事1.0040,00040,000
水道切り離し工事1.0030,00030,000
2. 撤去工事
什器撤去工事1.0040,00040,000
花壇撤去工事3.00箇所15,00045,000
店内スケルトン工事*土間斫り含む75.90m211,000834,900
看板撤去工事2.00箇所15,00030,000
3. 廃材処分
木廃材運搬・処分費4.00m311,00044,000
ボード廃材運搬・処分費5.00m313,00065,000
混合廃棄物運搬・処分費4.00m318,00072,000
コンクリートガラ運搬・処分費8.00m311,00088,000
現場管理費及び会社・現場経費1.00140,000
小計1,468,900
消費税10.00%146,890
値引き▲5,790
合計1,610,000
項目内容
解体費用総額税込161万円
坪数約23坪
建物の構造鉄骨造
店舗の種類花屋
解体範囲1階部分
施工期間約10日

店舗の解体費用を安く抑える3つの方法

ここでは、店舗の解体費用を抑える主な3つの方法を紹介します。

方法1:複数業者から見積もりを取る

店舗の解体では業者によって使用できる重機・作業方法・廃材の処分ルートなどが異なるため、見積もり金額に差が出ることがあります。最低でも2〜3社から見積もりを取って費用を比較することで適正な相場を把握でき、解体費用を抑えられる可能性があります。

相見積もりで解体費用を30万円以上節約した事例

実際に複数の解体業者から見積もりを取ったことで、解体費用を30万2,000円節約できた事例もあります。

店舗解体の相見積もりで費用が約30万円安くなった実際の見積書比較。最高値284万9,000円と最安値254万7,000円の差を可視化。
最高値のA社は284万9,000円、最安値のB社は254万7,000円でした。30万2,000円の差が生じた要因として、B社は独自の廃材処分ルートを確立しており、廃棄物の処分費を抑えられたことなどが考えられます。

方法2:残置物を事前に処分する

自分で処分できる店舗備品などは自治体のルールに従って分別し、粗大ゴミなどとして処分しておきましょう。解体業者に依頼する処分量を減らせるため費用を抑えられます。

まだ使用できる店舗備品などは、処分する前にリサイクルショップや買取業者に査定を依頼するのもおすすめです。売却できれば処分費を抑えられるうえ、買取金額を解体費用に充てられます。

残置物の処分方法や実際の買い取り事例については、以下の記事で詳しく解説しています。

方法3:補助金を活用する

数は多くありませんが、自治体によっては空き店舗店舗兼住宅の解体を対象とした補助金制度を設けている場合があります。対象となる建物や申請時期などに条件があるため、解体前に自治体のホームページなどで詳細を確認しておきましょう。

また、補助金は工事着手前の申請が一般的で、予算に達すると受付を終了する制度もあります。利用を検討している場合は、なるべく早めに申請しましょう。

補助金制度の具体例

実際に、店舗解体を対象とした補助金制度には以下のようなものがあります。

店舗解体の流れ

店舗解体は、主に以下の6ステップで行われます。

ステップ1:貸主・管理者と事前に打ち合わせる

店舗の退去や原状回復が決まったら、まずは貸主や管理会社と解体工事について打ち合わせましょう。特に、以下の点を事前に確認しておくことが大切です。

  • 解体工事費用を貸主・借主のどちらが負担するか
  • 解体業者を貸主・借主のどちらが手配するか
  • どこまで解体・撤去して原状回復する必要があるか
  • 残す設備や造作は何か
  • 工事可能な時間帯や曜日、搬出経路などにルールがあるか

ステップ2:現地調査を実施し、見積もりを受け取る

施工範囲が決まったら、解体業者に現地調査を依頼します。現地では店舗の広さ・内装や設備の状態・搬出経路など工事に影響する条件を確認します。これらの調査結果をもとに解体する範囲・作業内容・廃材の処分量などが算出され、見積書が作成されます。

ステップ3:解体業者を選定する

複数の業者から見積もりを取ったら、工事内容・費用・対応などを比較して依頼する業者を決めます。営業中の店舗や他のテナントが入る建物では周囲に配慮しながら工事を進める必要があるため、店舗・テナントの解体実績がある業者を選ぶと安心です。管理会社との打ち合わせにも対応できるか、あわせて確認しておきましょう。

ステップ4:解体工事の準備をする

依頼する業者が決まったら、工事開始に向けて準備します。電気・ガス・水道などのライフラインについて工事中の使用状況を解体業者と確認し、必要に応じて停止手続きを行いましょう。特に水道は工事中に使用する場合があるため、停止時期に注意が必要です。

また、工事日程が決まったら近隣住民や同じ建物のテナントにも工事期間時間帯を伝えます。騒音・振動・粉じんによるトラブルを防ぐため、事前の周知が大切です。

なお、近隣挨拶のマナーについては以下の記事で詳しく解説しています。

ステップ5:解体工事を行う

準備が整ったら、解体工事を開始します。一般的には以下の流れで進みます。

養生を行う

エレベーター前の養生

解体作業による傷や粉じんの飛散を防ぐため、建物や共用部分(エレベーター・廊下・階段など)を養生します。管理会社から養生方法を指定されることもあります。

残置物を搬出する

店舗解体で発生した残置物をトラックへ積み込んでいる様子

店舗内に残っている什器や備品などを搬出します。大型の厨房機器や重量のある什器は、必要に応じて解体・分解してから搬出します。

内装を解体する

重機を使用して店舗の内装や天井を壊している内装解体の作業風景

壁・床・天井・造作・カウンター・間仕切りなどを解体します。必要に応じて、厨房設備・空調・給排水・電気設備なども撤去します。

廃材を搬出し、適切に処理する

店舗解体で発生した断熱材などの内装廃材をトラックに積み込んだ様子

解体で発生した木材・金属・ガラス・石膏ボードなどの廃材を分別して搬出します。廃材は廃棄物処理法などの関係法令に従って適切に処理されます。

ステップ6:完工確認を行い、貸主・管理者に引き渡す

工事が完了したら、契約や事前の打ち合わせどおりに解体されているか確認します。店舗内だけでなく共用部分の養生が撤去され、廊下やエレベーターなどに傷や汚れがないかも確認しましょう。

問題がなければ貸主や管理会社による完工確認を受け、引き渡します。撤去漏れや補修が必要な箇所が見つかった場合は、解体業者に追加対応を依頼します。

理事 中野達也

引き渡し後のトラブルを防ぐため、工事前後の状態を写真で記録しておくと安心です。

店舗解体時の3つのポイント

ここでは、店舗解体をスムーズに進め、退去時のトラブルや予想外の出費を防ぐために確認したい3つのポイントをご紹介します。

ポイント1:契約期間を確認し、余裕を持ってスケジュールを立てる

店舗解体を行う際は、工事開始の1〜2ヶ月前を目安に準備を始めましょう。解体業者の選定や現地調査、見積もりの比較、各種申請・手続きなどに時間がかかるためです。追加作業や天候による工期延長も考慮し、期限に間に合うよう余裕を持ってスケジュールを立てましょう。

また、賃貸店舗の場合は契約書で解約予告期間退去日も確認しておきましょう。解約予告は退去日の3〜6ヶ月前までに必要な場合もあるため、契約内容に沿って早めに準備を始めることが大切です。

出典:民法

第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日

引用:民法|e-Gov法令検索

ポイント2:工事前に施工範囲を明確にしておく

店舗解体では、どこまで撤去するかを工事前に明確にしておくことが大切です。壁・床・天井などの内装だけでなく、造作・カウンター・厨房設備・空調・給排水設備など撤去する範囲は店舗によって異なります。

解体工事を始める前に貸主・借主・解体業者の3者で現地を確認し、施工範囲を明確にしておきましょう。決定した内容を見積もりに反映することで、後から追加の撤去や補修が必要になるリスクを抑えられます。

ポイント3:追加工事が発生する条件を確認する

店舗解体では工事開始後に追加工事が必要となり、費用が増えることがあります。例えば、見積もり時に確認できなかった床下・壁内部の設備の撤去や想定以上の廃材が発生した場合です。貸主や管理会社から追加の撤去・補修を求められることもあります。

そのため、契約前に追加費用が発生する条件追加工事が必要な場合の費用・手続きについて確認しておきましょう。

【FAQ】店舗解体に関するよくある質問

店舗の解体費用は、借主と貸主のどちらが負担しますか?

契約内容によって異なります。

借主に内装や建物を解体・撤去して原状回復する義務があれば借主が負担し、貸主が解体する場合は貸主が負担します。まずは賃貸借契約書の原状回復や費用負担に関する条項を確認しましょう。

店舗の解体にはどのくらいの期間がかかりますか?

業者選びから引き渡しまで含めると、1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。

実際の解体工事にかかる期間は、内装解体であれば数日〜2週間程度、店舗全体を解体する場合は2週間〜1ヶ月程度が目安です。ただし、店舗の広さ・構造・設備の量・搬出条件などによって異なります。

まとめ

店舗解体の費用は、解体範囲や内装・設備、店舗の立地条件などによって大きく異なります。特に賃貸店舗では、工事前に貸主・借主・解体業者の3者で施工範囲を確認し、どこまで撤去するかを明確にしておくことが大切です。また、業者選び・各種手続き・工事期間などを考慮して余裕を持って準備を進めましょう。

理事 中野達也

まずは複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較しましょう。あわせて、追加工事が発生する条件や費用についても事前に確認しておくことが大切です。

なお、優良業者の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

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