この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
- 店舗解体の種類と費用相場、費用が高くなる7つの要因がわかる
- 店舗解体費用を安く抑える3つの方法と、実際の解体事例がわかる
- 店舗解体の具体的な流れと、工事前に確認しておきたい3つのポイントがわかる
「お店を閉めることになったけれど、解体費用はいくらかかるのだろう?」「業者から見積もりを取ったけれど、この金額は妥当なのかな?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
店舗解体の費用相場は1坪あたり2万8,700円〜4万3,996円が目安です。ただし、費用は店舗の広さだけで決まるわけではありません。「原状回復」か「スケルトン解体」かといった工事の種類や、残置物の量などによっても大きく変わります。
本記事では、『あんしん解体業者認定協会』で1,700件以上の店舗解体相談に対応してきた中野理事の監修のもと、店舗解体の費用が高くなる要因や費用を安く抑える方法、注意点などを詳しく解説します。
監修者
現場解説一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一(はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
馬場 美月(ばば みづき)
「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」
「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。
解体費用、たった30秒でわかります
個人情報の入力不要。建物の種類と場所を選ぶだけで、概算費用をその場で表示します。
※ 概算は目安です。正確な金額は現地調査による見積もりが必要です
店舗解体の3つの種類
店舗の解体には、大きく分けて「内装解体」「原状回復」「スケルトン解体」の3種類があります。
| 種類 | 解体範囲 | 主なケース |
|---|---|---|
| 内装解体 | 内装や造作が中心 | 店舗の改装、部分的な内装撤去 |
| 原状回復 | 賃貸借契約によって異なる | 賃貸店舗の退去 |
| スケルトン解体 | 建物の構造体が見える状態まで | スケルトン状態での返却が契約で定められている場合 |
内装解体

内装解体とは建物の構造部分を残して、店舗の内装や内部の造作を撤去する工事です。間仕切り壁・カウンター・ドア・ガラス・店舗什器などが主な撤去対象です。床や天井は残すことが多いものの、工事範囲に決まった基準があるわけではありません。撤去する範囲は、店舗の状態や次の入居者の利用方法などに応じて決まります。
内装解体については、以下の記事で詳しく解説しています。

原状回復

原状回復とは、賃貸店舗を退去する際に契約で定められた状態に戻すことです。どこまで戻す必要があるかは、入居時の状態や賃貸借契約の内容によって異なります。例えば借主が設置した内装や造作を撤去したり、使用によって生じた傷や汚れなどを修繕したりします。
スケルトン解体

スケルトン解体とは店舗の内装や設備などを撤去し、建物の構造体が見える状態まで戻す工事です。内装や造作だけでなく壁・床・天井なども撤去するため、内装解体よりも広い範囲を解体します。賃貸店舗の退去時などに次の入居者が新たに内装をつくれるよう、スケルトン状態で引き渡す場合に行われます。
スケルトン解体については、以下の記事で詳しく解説しています。

理事 中野達也まずは契約書を確認し、貸主や管理会社と「どこまで解体するか」を確かめましょう。特に賃貸店舗では、原状回復とスケルトン解体を混同すると、不要な工事や追加費用につながる可能性があります。
店舗の解体費用相場
一般的な店舗の解体費用相場は、1坪あたり2万8,700円〜4万3,996円が目安です。解体の種類別の平均単価は内装解体が4万3,996円、原状回復が3万5,000円、スケルトン解体が2万8,700円です。
| 解体の種類 | 1坪あたりの費用 |
|---|---|
| 内装解体 | 4万3,996円 |
| 原状回復 | 3万5,000円 |
| スケルトン解体 | 2万8,700円 |
※解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年〜2025年7月の解体工事データ1,700件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は、業種・撤去する設備・立地条件などによって変動します。
坪数別の費用目安
店舗の解体費用は坪数によって異なります。上記の平均単価をもとに、坪数ごとの費用を計算すると以下のとおりです。
| 坪数 | 内装解体 | 原状回復 | スケルトン解体 |
|---|---|---|---|
| 10坪 | 約44万円 | 約35万円 | 約29万円 |
| 20坪 | 約88万円 | 約70万円 | 約57万円 |
| 30坪 | 約132万円 | 約105万円 | 約86万円 |
| 50坪 | 約220万円 | 約175万円 | 約144万円 |
| 100坪 | 約440万円 | 約350万円 | 約287万円 |
※内装解体は1坪あたり4万3,996円、原状回復は1坪あたり3万5,000円、スケルトン解体は1坪あたり2万8,700円として算出しています。
店舗の解体費用が高くなる7つの要因
店舗の解体費用は、店舗の広さだけでなく内装・設備の種類や立地条件などによっても変わります。特に以下の7つの要因によって費用が高くなる場合があります。
要因1:アスベストが使用されている場合
アスベストは耐熱性や耐久性に優れ、かつて建材などに使用されていた天然の鉱物繊維です。飛散したアスベストを吸い込むと健康被害を引き起こすおそれがあり、店舗の建物や内装材に使用されている場合は解体前に事前調査が必要です。
アスベストの使用が確認された場合は、建材の種類や使用状況に応じた除去作業や廃棄物の処理が必要です。特に使用範囲が広いと除去費や処分費が増え、通常の解体工事より費用が高くなります。
アスベストについては、以下の記事で詳しく解説しています。

要因2:厨房設備が多い場合
飲食店などで厨房設備が多い場合は、解体費用が高くなります。業務用冷蔵庫・大型調理機器・換気扇・ダクト・グリストラップ・給排水設備など、撤去する設備が多いほど作業量が増えるためです。特に大型の厨房機器は重量があり、搬出に人手が必要です。また、ダクトや給排水設備の撤去に伴って周辺の壁や天井まで解体する場合は、撤去範囲が広がることで解体費用が高くなります。

要因3:内装が複雑な場合
個室・小上がり・間仕切りなどが多い店舗は、解体する箇所が増えるため費用が高くなります。さらに「壁に石材やタイルが貼られている」「造作家具が多い」などの条件では撤去作業に時間がかかります。特に接着剤などで強固に固定された内装材は手作業で少しずつ撤去する必要があるため、人件費や廃材の処分費も増えやすくなります。
要因4:重機が使えない場合
重機を使えない店舗では手作業による解体が中心となるため、解体費用が高くなります。例えば店舗前の道路が狭く、重機を現場まで運び込めないケースなどです。
重機を使えない場合は壁や床などを電動工具で少しずつ解体する必要があるほか、発生した廃材も人手で運び出さなければなりません。そのため重機を使える現場よりも作業に時間がかかり、人件費や工期が増えやすくなります。
重機が入らない解体現場については、以下の記事で詳しく解説しています。

要因5:搬出経路が狭く、廃材を運び出しにくい場合
「店舗が2階以上にありエレベーターを使えない」「階段や通路が狭い」「地下にある」「トラックを店舗の近くに停められない」など、廃材を運び出しにくい場合は解体費用が高くなります。このような店舗では廃材を階段で運び下ろしたりトラックまで長い距離を運んだりする必要があるため、搬出にかかる人手や時間が増えて人件費が高くなります。
要因6:残置物が多い場合
店舗備品などの残置物が多い場合は、建物の解体費用とは別に撤去・運搬・処分費がかかるため総額を押し上げます。例えばテーブル・椅子・商品棚・事務用品・家電などが残っているケースです。特に大量の不用品が残っていると搬出に人手がかかるため、運搬費や処分費も増えやすくなります。

要因7:夜間・休日に工事をする場合
ビルの規則や周辺環境への配慮から夜間や休日に解体工事を行う場合は、通常より費用が高くなります。例えば「周辺に病院やオフィスがあり、騒音や振動への配慮から日中の作業が制限されるケース」や「繁華街のルールによって営業終了後の夜間しか工事ができないケース」などです。夜間や休日は作業員の人件費が割増される場合があるほか、作業時間が限られて工期が延びることもあります。
店舗の解体費用事例
事例1:レストランの原状回復費用
見積書の書き起こしを表示する
| 名称 | 仕様・規格 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,解体工事 | |||||
| ホール 内部造作物解体 | 天井・壁・床・備付け備品等 | m2 | 39.78 | 12,000 | 477,360 |
| 厨房 内部造作物解体 | 天井・壁 | 〃 | 12 | 8,500 | 102,000 |
| トイレ 内部造作物解体 | 天井・壁・床 | 〃 | 3.78 | 41,500 | 156,870 |
| 事務室 内部造作物解体 | 天井・壁・床 | 〃 | 4.62 | 41,500 | 191,730 |
| 2,廃棄物運搬処理 | |||||
| 木くず | トン | 0.7 | 15,000 | 10,500 | |
| モルタル | 不陸調整材 | 式 | 1 | 2,000 | |
| 廃ボード | トン | 2 | 35,000 | 70,000 | |
| ガラス・陶磁器 | 〃 | 0.8 | 30,000 | 24,000 | |
| ハイプラ・不燃物 | トン | 0.1 | 50,000 | 5,000 | |
| 天然石 | 式 | 1 | 35,000 | ||
| 石綿含有建材 | 軽カル板 | m3 | 0.1 | 50,000 | 5,000 |
| 3,その他 | |||||
| 道路使用許可申請費 | 式 | 1 | 6,000 | ||
| 機械工具損料費 | 〃 | 1 | 35,000 | ||
| 諸経費 | 〃 | 1 | 129,540 | ||
| 小計 | 1,250,000 | ||||
| 消費税 | 125,000 | ||||
| 合計 | 1,375,000 | ||||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用総額 | 137万5,000円 |
| 坪数 | 約18坪 |
| 建物の構造 | RC造 |
| 店舗の種類 | レストラン |
| 解体範囲 | 1階部分 |
| 施工期間 | 約10日 |
事例2:焼肉店の原状回復費用
見積書の書き起こしを表示する
| 摘要 | 呼称 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1F | ||||
| 天井解体撤去 | m2 | 48.8 | 2,000 | 97,600 |
| 壁解体撤去 | m2 | 120 | 2,000 | 240,000 |
| 間仕切り解体撤去 | m2 | 101.4 | 3,000 | 304,200 |
| 床組解体撤去 | m2 | 78.4 | 3,000 | 235,200 |
| 上げ床解体撤去 | m2 | 4.5 | 3,000 | 13,500 |
| 同上階段撤去 | 式 | 1 | 20,000 | |
| レンジフード撤去 | 式 | 1 | 10,000 | |
| トイレ撤去 | 式 | 1 | 20,000 | |
| カウンター撤去 | 式 | 1 | 15,000 | |
| 階段撤去 | 式 | 1 | 60,000 | |
| 2F | ||||
| 天井解体撤去 | m2 | 24.3 | 2,000 | 48,600 |
| 壁解体撤去 | m2 | 50.7 | 2,000 | 101,400 |
| 間仕切り解体撤去 | m2 | 44.3 | 3,000 | 132,900 |
| 床解体撤去 | m2 | 21.4 | 3,000 | 64,200 |
| 靴入れ撤去 | 式 | 1 | 10,000 | |
| 物入撤去 | 式 | 1 | 20,000 | |
| 洗面台撤去 | 式 | 1 | 15,000 | |
| トイレ撤去 | 式 | 1 | 20,000 | |
| ダムウェーター撤去 | 式 | 1 | 50,000 | |
| 外部 | ||||
| 樹木伐根撤去 | 式 | 1 | 30,000 | |
| 木格子撤去 | 式 | 1 | 20,000 | |
| 照明器具撤去 | 式 | 1 | 50,000 | |
| 換気扇撤去 | 式 | 1 | 30,000 | |
| 設備配管撤去 | 式 | 1 | 30,000 | |
| AC撤去 | 台 | 3 | 20,000 | 60,000 |
| 解体用ローリング足場 | 式 | 1 | 80,000 | |
| 小計 | 1,777,600 | |||
| 諸経費 | 177,760 | |||
| 値引き | ▲500,815 | |||
| 消費税 | % | 10 | 145,455 | |
| 合計 | 1,600,000 | |||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用総額 | 税込160万円 |
| 坪数 | 約30坪 |
| 建物の構造 | 鉄骨造 |
| 店舗の種類 | 焼肉店 |
| 解体範囲 | 1階・2階部分 |
| 施工期間 | 約2週間 |
事例3:花屋のスケルトン解体費用

見積書の書き起こしを表示する
| 項目 | 適用 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. 設備工事 | |||||
| エアコン切り離し工事 | *ガス回収含む | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 |
| 電気切り離し工事 | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 | |
| 水道切り離し工事 | 1.00 | 式 | 30,000 | 30,000 | |
| 2. 撤去工事 | |||||
| 什器撤去工事 | 1.00 | 式 | 40,000 | 40,000 | |
| 花壇撤去工事 | 3.00 | 箇所 | 15,000 | 45,000 | |
| 店内スケルトン工事 | *土間斫り含む | 75.90 | m2 | 11,000 | 834,900 |
| 看板撤去工事 | 2.00 | 箇所 | 15,000 | 30,000 | |
| 3. 廃材処分 | |||||
| 木廃材運搬・処分費 | 4.00 | m3 | 11,000 | 44,000 | |
| ボード廃材運搬・処分費 | 5.00 | m3 | 13,000 | 65,000 | |
| 混合廃棄物運搬・処分費 | 4.00 | m3 | 18,000 | 72,000 | |
| コンクリートガラ運搬・処分費 | 8.00 | m3 | 11,000 | 88,000 | |
| 現場管理費及び会社・現場経費 | 1.00 | 式 | 140,000 | ||
| 小計 | 1,468,900 | ||||
| 消費税 | 10.00 | % | 146,890 | ||
| 値引き | ▲5,790 | ||||
| 合計 | 1,610,000 | ||||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用総額 | 税込161万円 |
| 坪数 | 約23坪 |
| 建物の構造 | 鉄骨造 |
| 店舗の種類 | 花屋 |
| 解体範囲 | 1階部分 |
| 施工期間 | 約10日 |
店舗の解体費用を安く抑える3つの方法
ここでは、店舗の解体費用を抑える主な3つの方法を紹介します。
方法1:複数業者から見積もりを取る
店舗の解体では業者によって使用できる重機・作業方法・廃材の処分ルートなどが異なるため、見積もり金額に差が出ることがあります。最低でも2〜3社から見積もりを取って費用を比較することで適正な相場を把握でき、解体費用を抑えられる可能性があります。
相見積もりで解体費用を30万円以上節約した事例
実際に複数の解体業者から見積もりを取ったことで、解体費用を30万2,000円節約できた事例もあります。

方法2:残置物を事前に処分する
自分で処分できる店舗備品などは自治体のルールに従って分別し、粗大ゴミなどとして処分しておきましょう。解体業者に依頼する処分量を減らせるため費用を抑えられます。
まだ使用できる店舗備品などは、処分する前にリサイクルショップや買取業者に査定を依頼するのもおすすめです。売却できれば処分費を抑えられるうえ、買取金額を解体費用に充てられます。
残置物の処分方法や実際の買い取り事例については、以下の記事で詳しく解説しています。

方法3:補助金を活用する
数は多くありませんが、自治体によっては空き店舗や店舗兼住宅の解体を対象とした補助金制度を設けている場合があります。対象となる建物や申請時期などに条件があるため、解体前に自治体のホームページなどで詳細を確認しておきましょう。
また、補助金は工事着手前の申請が一般的で、予算に達すると受付を終了する制度もあります。利用を検討している場合は、なるべく早めに申請しましょう。
補助金制度の具体例
実際に、店舗解体を対象とした補助金制度には以下のようなものがあります。
- 長野県塩尻市|商業地空き店舗活用事業(上限100万円)
- 埼玉県狭山市|狭山市空家等除却補助金交付制度(上限50万円)
店舗解体の流れ
店舗解体は、主に以下の6ステップで行われます。
ステップ1:貸主・管理者と事前に打ち合わせる
店舗の退去や原状回復が決まったら、まずは貸主や管理会社と解体工事について打ち合わせましょう。特に、以下の点を事前に確認しておくことが大切です。
- 解体工事費用を貸主・借主のどちらが負担するか
- 解体業者を貸主・借主のどちらが手配するか
- どこまで解体・撤去して原状回復する必要があるか
- 残す設備や造作は何か
- 工事可能な時間帯や曜日、搬出経路などにルールがあるか
ステップ2:現地調査を実施し、見積もりを受け取る
施工範囲が決まったら、解体業者に現地調査を依頼します。現地では店舗の広さ・内装や設備の状態・搬出経路など工事に影響する条件を確認します。これらの調査結果をもとに解体する範囲・作業内容・廃材の処分量などが算出され、見積書が作成されます。
ステップ3:解体業者を選定する
複数の業者から見積もりを取ったら、工事内容・費用・対応などを比較して依頼する業者を決めます。営業中の店舗や他のテナントが入る建物では周囲に配慮しながら工事を進める必要があるため、店舗・テナントの解体実績がある業者を選ぶと安心です。管理会社との打ち合わせにも対応できるか、あわせて確認しておきましょう。
ステップ4:解体工事の準備をする
依頼する業者が決まったら、工事開始に向けて準備します。電気・ガス・水道などのライフラインについて工事中の使用状況を解体業者と確認し、必要に応じて停止手続きを行いましょう。特に水道は工事中に使用する場合があるため、停止時期に注意が必要です。
また、工事日程が決まったら近隣住民や同じ建物のテナントにも工事期間や時間帯を伝えます。騒音・振動・粉じんによるトラブルを防ぐため、事前の周知が大切です。
なお、近隣挨拶のマナーについては以下の記事で詳しく解説しています。

ステップ5:解体工事を行う
準備が整ったら、解体工事を開始します。一般的には以下の流れで進みます。
養生を行う

解体作業による傷や粉じんの飛散を防ぐため、建物や共用部分(エレベーター・廊下・階段など)を養生します。管理会社から養生方法を指定されることもあります。
残置物を搬出する

店舗内に残っている什器や備品などを搬出します。大型の厨房機器や重量のある什器は、必要に応じて解体・分解してから搬出します。
内装を解体する

壁・床・天井・造作・カウンター・間仕切りなどを解体します。必要に応じて、厨房設備・空調・給排水・電気設備なども撤去します。
廃材を搬出し、適切に処理する

解体で発生した木材・金属・ガラス・石膏ボードなどの廃材を分別して搬出します。廃材は廃棄物処理法などの関係法令に従って適切に処理されます。
ステップ6:完工確認を行い、貸主・管理者に引き渡す
工事が完了したら、契約や事前の打ち合わせどおりに解体されているか確認します。店舗内だけでなく共用部分の養生が撤去され、廊下やエレベーターなどに傷や汚れがないかも確認しましょう。
問題がなければ貸主や管理会社による完工確認を受け、引き渡します。撤去漏れや補修が必要な箇所が見つかった場合は、解体業者に追加対応を依頼します。
理事 中野達也引き渡し後のトラブルを防ぐため、工事前後の状態を写真で記録しておくと安心です。
店舗解体時の3つのポイント
ここでは、店舗解体をスムーズに進め、退去時のトラブルや予想外の出費を防ぐために確認したい3つのポイントをご紹介します。
ポイント1:契約期間を確認し、余裕を持ってスケジュールを立てる
店舗解体を行う際は、工事開始の1〜2ヶ月前を目安に準備を始めましょう。解体業者の選定や現地調査、見積もりの比較、各種申請・手続きなどに時間がかかるためです。追加作業や天候による工期延長も考慮し、期限に間に合うよう余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
また、賃貸店舗の場合は契約書で解約予告期間や退去日も確認しておきましょう。解約予告は退去日の3〜6ヶ月前までに必要な場合もあるため、契約内容に沿って早めに準備を始めることが大切です。
出典:民法
第六百十七条 当事者が賃貸借の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合においては、次の各号に掲げる賃貸借は、解約の申入れの日からそれぞれ当該各号に定める期間を経過することによって終了する。
一 土地の賃貸借 一年
二 建物の賃貸借 三箇月
三 動産及び貸席の賃貸借 一日引用:民法|e-Gov法令検索
ポイント2:工事前に施工範囲を明確にしておく
店舗解体では、どこまで撤去するかを工事前に明確にしておくことが大切です。壁・床・天井などの内装だけでなく、造作・カウンター・厨房設備・空調・給排水設備など撤去する範囲は店舗によって異なります。
解体工事を始める前に貸主・借主・解体業者の3者で現地を確認し、施工範囲を明確にしておきましょう。決定した内容を見積もりに反映することで、後から追加の撤去や補修が必要になるリスクを抑えられます。
ポイント3:追加工事が発生する条件を確認する
店舗解体では工事開始後に追加工事が必要となり、費用が増えることがあります。例えば、見積もり時に確認できなかった床下・壁内部の設備の撤去や想定以上の廃材が発生した場合です。貸主や管理会社から追加の撤去・補修を求められることもあります。
そのため、契約前に追加費用が発生する条件や追加工事が必要な場合の費用・手続きについて確認しておきましょう。
【FAQ】店舗解体に関するよくある質問
店舗の解体費用は、借主と貸主のどちらが負担しますか?
契約内容によって異なります。
借主に内装や建物を解体・撤去して原状回復する義務があれば借主が負担し、貸主が解体する場合は貸主が負担します。まずは賃貸借契約書の原状回復や費用負担に関する条項を確認しましょう。
店舗の解体にはどのくらいの期間がかかりますか?
業者選びから引き渡しまで含めると、1〜2ヶ月程度かかるのが一般的です。
実際の解体工事にかかる期間は、内装解体であれば数日〜2週間程度、店舗全体を解体する場合は2週間〜1ヶ月程度が目安です。ただし、店舗の広さ・構造・設備の量・搬出条件などによって異なります。
まとめ
店舗解体の費用は、解体範囲や内装・設備、店舗の立地条件などによって大きく異なります。特に賃貸店舗では、工事前に貸主・借主・解体業者の3者で施工範囲を確認し、どこまで撤去するかを明確にしておくことが大切です。また、業者選び・各種手続き・工事期間などを考慮して余裕を持って準備を進めましょう。
理事 中野達也まずは複数の業者から見積もりを取り、工事内容や費用を比較しましょう。あわせて、追加工事が発生する条件や費用についても事前に確認しておくことが大切です。
なお、優良業者の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。







