木造住宅の解体費用はどれくらい?坪数別、地域別に相場を徹底解説

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稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、解体工事や空き家問題について全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

「実家の木造住宅を解体したいけれど、一体いくらかかるのだろう」「30坪の家なら、解体費用はいくらが相場なの?」
木造住宅の解体を検討する際、費用の目安が分からず不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

木造住宅の解体費用は、平均坪単価3万4,090円/坪が目安で、30坪の場合は約102万円が一般的な相場です。
ただし、建物の階数や立地条件、付帯工事の有無によって費用は大きく変動します。

この記事では、木造住宅の解体費用相場を坪数別・地域別に詳しく解説するとともに、費用の内訳や高額になる原因、2026年に解体費用が高くなった背景、実際の解体事例、費用を抑えるための具体的な方法まで分かりやすく解説します。

この記事で分かること
  • 木造住宅の構造別(平屋、二階建て、三階建て)に解体費用相場を確認できる
  • 実際にあった木造住宅の解体事例を確認し、リアルな相場感をイメージできる
  • 木造住宅の解体費用が高くなりやすい理由と、その費用を安くする方法がわかる

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2015年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

酒巻 久未子執筆

「スッキリ解体」専属ライター

酒巻 久未子(さかまき くみこ)

「解体工事でお悩みの方に、同じ主婦の立場から実用的な情報をお届けします。」

数多くのお客様や業者様へのインタビューを通じて、お客様が抱えるリアルな悩みに精通。実際の解体工事現場での取材を重ね、特に「お金」や「近隣トラブル」といった、誰もが不安に思うテーマについて、心に寄り添う記事を執筆。子育て中の母親ならではの、きめ細やかな視点も大切にしている。

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目次
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木造住宅の解体費用相場

木造住宅が重機で解体される様子
木造住宅の解体費用 平均坪単価(全体)
3万4,090円/坪

木造住宅の解体費用は、1坪あたり3万4,090円が平均的な相場です。これは、階数や特殊な条件を考慮しない全体的な相場です。

以下は、この平均坪単価を基に算出した、坪数ごとの解体費用の目安です。

坪数解体費用の目安
20坪約68万円
30坪約102万円
40坪約136万円

木造住宅全体の平均坪単価

スクロールできます
木造の解体費用 平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部近畿北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万571円3万8,538円4万7,178円3万7,417円4万723円3万8,718円
20坪3万6,676円3万3,271円3万8,284円3万7,147円3万6,491円3万1,836円
30坪3万5,270円3万2,042円3万6,185円3万3,460円2万9,038円3万99円
40坪3万4,268円3万232円3万5,695円3万2,433円3万3,443円2万8,442円
50坪3万4,670円3万639円3万4,777円3万3,337円3万2,240円2万8,406円
60坪3万5,055円3万1,305円3万5,265円3万2,588円3万2,484円3万753円
70坪3万3,340円3万2,503円3万3,563円3万3,839円3万460円2万7,410円
80坪3万3,744円2万8,339円3万7,070円2万7,732円3万3,361円2万4,641円
90坪3万2,643円2万8,147円3万5,662円ー3万4,095円2万4,575円
100坪~3万456円2万9,036円3万452円3万297円2万8,790円2万3,866円

※解体費用相場は「あんしん解体業者認定協会」が保有する、2020年~2024年の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。

※相場データ内「ー」はデータ不足により算出が出来ない箇所です。

一般的に、解体費用は都心ほど高く、地方ほど安くなる傾向があります。都心では人件費が高くなりやすいことに加え、建物が密集しているため狭小地が多くなりやすいことが主な理由です。

【2026年版】木造解体の費用相場

なお、これまで紹介してきた木造解体の費用相場は、2020年~2024年のデータをもとにしています。当時の坪単価は約3万4,000円でしたが、物価の高騰した2026年は費用相場にも変化があります。

そこで木造解体を得意とする「株式会社インシュアラ」の代表、金松社長に2026年のリアルな費用相場を伺いました。

インタビュー協力

株式会社インシュアラ 代表

金松裕基

Web業界から転身後、自ら現場経験を積んで「解体工事施工技士」を取得しました。業界の不透明さを解消するため、根拠のある適正価格と法令遵守を徹底しています。お客様の不安に寄り添い、次のステップへ安心して進めるよう最後まで責任を持って対応いたします。

株式会社インシュアラ 金松社長

2026年は解体費用が全体的に上昇しています。一般的な30坪の木造解体の場合、坪単価は4万5,000円~です。2020年~2024年の相場と比べると、坪単価は約1万円上昇しています。
費用上昇の主な要因は、以下の3つです。

  • 廃材の処分費
    コンクリートガラなどの処分費が上昇している。リサイクルできる廃材でも、受け入れ量を制限する処理業者がいる。
  • ガソリンや重機にかかる燃料費
    経済情勢の影響でガソリンや原油価格が上昇したため、運搬費や重機の稼働費にも影響する。
  • 人件費
    人手不足による採用・人材維持のコストが上昇しているほか、全国的な最低賃金の引き上げも進んでいる。
株式会社インシュアラ 金松社長

弊社では作業員1人あたりの単価が現在2万6,000円で、2年前と比べて1万円近く上がっています。

このように、解体費用は廃材の処分費や燃料費、人件費など、さまざまなコストの上昇が影響しています。
以前と比べて工事単価が上がっているため、解体を検討する際は現在の相場を踏まえて見積もりを取ることが大切です。

木造住宅 平屋(一階建て)の解体費用相場

木造住宅 平屋の解体費用 平均坪単価
3万6,464円/坪

木造住宅かつ平屋(一階建て)の平均的な解体費用相場は、1坪あたり3万6,464円です。

平均坪単価から算出した、代表的な坪数ごとの費用目安は次のとおりです。

坪数解体費用の目安
20坪約73万円
30坪約109万円
40坪約146万円

より詳細な相場を知りたい方は、坪数別・地域別の坪単価も参考にしてください。

スクロールできます
木造住宅 平屋の解体費用 平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部近畿北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪3万8,209円3万6,085円4万6,964円3万6,652円3万6,195円3万8,268円
20坪3万4,166円3万1,967円3万9,148円3万8,232円3万8,495円3万1,521円
30坪3万3,578円3万526円3万7,566円3万3,098円3万3,612円3万775円
40坪3万2,532円2万8,435円3万6,369円3万1,818円3万3,758円2万8,645円
50坪3万1,116円2万8,024円3万4,314円3万6,093円3万2,726円3万3,992円
60坪3万4,096円3万5,719円3万2,420円4万4,951円3万5,912円3万1,332円
70坪2万8,096円3万4,927円2万9,385円3万5,744円ー2万5,979円
80坪3万1,043円2万5,093円3万6,663円3万1,687円2万8,806円2万4,784円
90坪3万2,590円ーー2万8,352円ーー
100坪~ー2万8,174円3万149円2万7,088円ーー

※解体費用相場は「あんしん解体業者認定協会」が保有する、2020年~2024年の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。

※相場データ内「ー」はデータ不足により算出が出来ない箇所です。

木造住宅 二階建ての解体費用相場

木造住宅 二階建ての解体費用 平均坪単価
3万6,080円/坪

木造住宅かつ二階建ての平均的な解体費用相場は、1坪あたり3万6,080円です。

平均坪単価から算出した、代表的な坪数ごとの費用目安は次のとおりです。

坪数解体費用の目安
20坪約73万円
30坪約109万円
40坪約146万円

また、地域による違いも踏まえた坪数別の相場は、次の表をご覧ください。

スクロールできます
木造住宅 二階建ての解体費用 平均坪単価【坪数・地域別】
坪数/地域関東中部近畿北海道・東北中国・四国九州・沖縄
10坪4万1,715円3万9,531円4万8,297円4万1,424円3万7,234円3万6,239円
20坪3万7,279円3万4,671円3万8,276円3万5,848円3万5,257円3万2,498円
30坪3万5,743円3万1,869円3万6,935円3万4,594円3万2,740円3万1,007円
40坪3万4,564円3万957円3万5,770円3万3,594円3万4,072円3万895円
50坪3万5,146円3万1,314円3万5,176円3万2,359円3万2,246円2万7,530円
60坪3万4,840円3万685円3万4,866円3万2,306円3万4,657円2万9,430円
70坪3万3,991円3万2,656円3万3,965円3万2,868円3万3,374円2万7,391円
80坪3万3,761円2万7,373円3万5,790円2万7,732円3万1,812円2万5,319円
90坪3万3,716円2万9,864円3万4,874円ー3万3,026円2万7,199円
100坪~3万595円2万7,543円3万537円3万297円2万8,220円2万7,512円

※解体費用相場は「あんしん解体業者認定協会」が保有する、2020年~2024年の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。

※相場データ内「ー」はデータ不足により算出が出来ない箇所です。

【専門家監修】木造の平屋と二階建てはどちらの方が高額になる?

お見せした解体費用相場の一覧表に基づくと、木造の場合は平屋と二階建てに大きな坪単価の差はありませんでした。そこで、その理由について、数多くの木造住宅の解体を手がけてきた『あんしん解体業者認定協会』の中野理事に伺いました。

中野 達也 監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也 (なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2015年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

運営者 稲垣

木造の平屋と二階建てでは、どちらの方が解体費用は高くなりやすいですか?

理事 中野達也

一般的には平屋の方が費用が高くなりやすいと言えます。例えば同じ30坪で考えると、二階建てより平屋の方が屋根と基礎の面積が広くなります。解体作業の工程や日数にそこまで違いは出ませんが、屋根の瓦や基礎のガラの処分費用がかさみやすいと言えます。

運営者 稲垣

では、坪単価のデータ上で大きな差が開いていないのは何故でしょうか?

理事 中野達也

二階建ての場合も費用がかさむ要因があるからです。例えば二階部分をはじめに手壊しするケースも多くなり、工数が増えることもあります。また、平屋と比べて狭小地に建てられるケースも多く、解体作業が難しくなるケースも考えられます。

なお、狭小地の解体費用については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

「建物の階数よりも現場条件が解体費用を左右する」の文言が書かれたホワイトボードを持った中野理事

木造住宅 三階建ての解体費用相場

木造住宅 三階建ての解体費用 平均坪単価
4万2,759円/坪

木造住宅かつ三階建ての平均的な解体費用相場は、1坪あたり4万2,759円です。
以下の表は、さらに詳細な分類である坪数別・地域別に算出した坪単価相場です。

木造住宅 三階建ての解体費用 平均坪単価【坪数別】
坪数坪単価
10坪59,246円
20坪44,473円
30坪41,809円
40坪39,566円
50坪41,625円
60坪37,654円
70坪36,448円
80坪35,217円
90坪29,425円
100坪34,219円

※解体費用相場は「あんしん解体業者認定協会」が保有する、2020年~2024年の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。

【専門家監修】木造三階建ての解体費用が高い理由は?

木造住宅の中でも階数別に費用相場を見ていくと、平屋と二階建てには大きな費用差がなく、三階建てから坪単価が高額になっていると分かります。この差にはどのような理由があるのでしょうか?

その理由についても、あんしん解体業者認定協会の中野理事に伺いました。

運営者 稲垣

三階建てになると急に坪単価が高額になる印象がありますが、どうしてでしょうか?

理事 中野達也

建物の階数が高くなると、どうしても手壊し解体が一部発生するケースが多くなり、工事日数が延びやすくなってしまいます。工事日数が多くなると人件費に直結するので、先程の処分費用の差よりも大きなものになりやすいと言えます。

その他 木造の建物別 解体費用相場

木造の建物は、住宅以外にもアパートや店舗、倉庫などさまざまな種類があります。建物の用途によって解体費用の傾向も異なるため、参考として主な木造建築物の平均坪単価をまとめました。

建物の種類平均坪単価
アパート36,190円
車庫25,660円
病院38,693円
倉庫31,469円
蔵50,857円
駐車場29,136円
旅館36,056円
工場32,736円
物置19,898円
店舗36,426円

※解体費用相場は「あんしん解体業者認定協会」が保有する、2020年~2024年の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。

なお、アパートや店舗の解体費用については、実際の事例や費用の内訳を含めて別記事で詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご確認ください。

木造の解体費用が高額になるケース

ここでは木造の建物を解体する場合、費用が高くなるケースを7つご紹介します。

重機が入れない・道が狭いなどの立地条件

立地条件が特殊な場合は費用が高くなる傾向にあります。現場の前の道が狭くて解体用の重機や廃材を運ぶトラックが入れない場合、作業の大部分を手作業で行う「手壊し」解体となります。

また、隣家との距離が近すぎる場合や、隣家が老朽化している場合も手壊し解体になる場合があります。重機を使えば1日で終わる作業が、手壊しだと数日かかる場合も珍しくありません。その分、人件費が大幅にかさみ、結果として総額が数十万円単位で高くなります。

誘導員や交通整理の人件費がかかる

たとえば東京などの都市部では、敷地が狭く、道路と建物の距離が近い現場も少なくありません。重機やトラックの出入りで通行人や車両を誘導する必要がある場合は、誘導員の人件費が発生します。

工事期間中は誘導員が必要になる日数も増えるため、交通量の多い道路沿いや狭小地では、その分解体費用が高くなる場合があります。

アスベスト調査・除去費用の発生

解体工事を行う前には、有害物質である「アスベスト」の調査が義務付けられています。この調査で建物にアスベストが使われていると判明した場合は、特殊な工法による撤去工事が行われます。

アスベストのレベル、量、場所によって撤去費用は変動しますが、場合によっては数十万円の費用がかかる場合もあります。

アスベストについては、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

地中埋設物による追加費用の発生

解体工事を進めている中で「地中埋設物」が掘り起こされる場合があります。古い建物の基礎(コンクリートガラ)や浄化槽、古井戸などが地中から見つかった場合、撤去作業が必要になります。

これらは当初の見積もりには含まれていないため、発見されると追加費用となり、数十万円単位の高額な請求に繋がることも珍しくありません。

地中埋設物については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

残置物(不用品)の処分量が多い

家の中に家具や家電、衣類などの不用品(残置物)が多く残っていると、その処分費用が上乗せされます。

また、見積もり時に「この残置物は処分しておきます」と約束したのに処分していなかった場合、当初の見積もり金額よりも高額になる可能性があります。

ベタ基礎でコンクリートガラが多い

建物の基礎が「ベタ基礎」の場合、布基礎と比べてコンクリートの使用量が多く、解体時に大量のコンクリートガラが発生します。

基礎の単価(ベタ基礎と布基礎の単価の違い)

実際の見積書を見ると、ベタ基礎の㎡単価は4,000円、布基礎は1,500円となっており、約2.7倍の差があります。

発生したコンクリートガラは運搬・処分する必要があります。基礎の解体費用だけでなく廃材の処分費も増え、総額が高くなりやすくなります。

二重屋根・二重壁になっている

増築やリフォームを繰り返した建物では、既存の屋根や壁を残したまま新しい屋根・壁を重ねる「二重屋根・二重壁」になっている場合があります。

通常より解体する部材が増えるため、廃材の量や作業時間が増え、費用も高くなります。ただし、二重屋根・二重壁である現場は、解体工事全体の1割程度です。

木造住宅の解体事例

解体工事は何が行われているのか外から見えにくいものです。そこで、実際に行われた木造住宅の解体工事を、着工初日から順に写真で追っていきます。

工事解説は、この現場を手がけた株式会社インシュアラの金松社長。それぞれの工程で何をしているのかを現場の目線で教えていただきました。

木造2階建て住宅を解体する前
室内には家具やテーブル、冷蔵庫、棚類、畳、その他の生活用品など、ある程度の残置物が残っていました。
株式会社インシュアラ 金松社長

まずは残置物を搬出・分別してから、内装解体に着手しました。残置物の量は極端に多いわけではなく、搬出・分別を進めたうえで解体工事を進めました。

内装などの撤去を終えた後、重機を使用して木造の上屋部分を順次解体しました。
株式会社インシュアラ 金松社長

道路側から重機を搬入し、建物の周囲を養生したうえで解体作業を進めています。住宅が近接している現場だったため、周囲への飛散や接触に十分注意しながら作業を行いました。

木造住宅を重機で取り壊す様子
上屋の解体を進めた後、柱や梁などの木造躯体を重機で順次撤去しました。
株式会社インシュアラ 金松社長

解体で発生した廃材はそのままにせず、種類ごとに整理しながら作業を進めています。躯体の解体と廃材の整理を並行して行い、現場を整えながら解体工事を進めました。

重機で基礎を壊す様子
上屋の解体を終えた後、重機を使用して基礎コンクリートを解体・撤去しました。
株式会社インシュアラ 金松社長

基礎の撤去に伴ってコンクリートガラが発生しましたが、建物の規模としては、特別多い量ではありませんでした。発生したガラは場内で整理し、分別しながら搬出しました。

建物を解体した後に重機で試掘する様子
建物と基礎の撤去を終えた後、地中に埋設物が残っていないか確認するため、重機で敷地内を試掘しました。

今回の現場では、試掘とあわせて水道管の一部も撤去しています。解体後に不要となる配管などを確認し、残っているものを順次撤去しました。

解体した場所からガラなどの埋設物をトラックで運ぶ様子
試掘を進めたところ、地中から瓦礫やレンガなどが出てきました。石やコンクリート片などもまとまった量が見つかったため、掘り出したものをトラックに積み込み、搬出しています。
株式会社インシュアラ 金松社長

地中から出てきた瓦礫やレンガが、以前の建物の基礎に使われていたものなのか、過去の解体時に埋め戻されたものなのかは特定できませんでした。

木造2階建て住宅を解体した後の更地
運営者 稲垣

きれいな更地ですね、解説ありがとうございました。
今回の解体工事で、印象に残っていることはありますか?

株式会社インシュアラ 金松社長

周囲に住宅が近接していたため、限られたスペースの中で重機を動かす必要があり、普段以上に慎重な作業が求められた現場でした。重機の位置や動線をその都度確認しながら、飛散や騒音にも気を配りました。

株式会社インシュアラ 金松社長

周囲への影響を抑えながら、無事に建物を解体できたことが特に印象に残っています。

▼解体工事の概要

項目内容
場所東京都葛飾区
工期2026年5月7日~5月17日
構造木造二階建て
坪数54坪
築年数築50年(42年前に増築)
解体費用3,630,000円

▼見積書

東京都葛飾区にある木造2階建て住宅の解体見積書1
東京都葛飾区にある木造2階建て住宅の解体見積書2
東京都葛飾区にある木造2階建て住宅の解体見積書3
東京都葛飾区にある木造2階建て住宅の解体見積書4
東京都葛飾区にある木造2階建て住宅の解体見積書5
見積書の書き起こしを表示する
品名数量単位単価金額
【共通仮設工事】
散水用給水配管工事1.00式15,00015,000
仮設用水費1.00式
石綿検体費1.00式25,00025,000
各官公庁届出費1.00式50,00050,000
重機回送費2.00回25,00050,000
【外部足場養生工事】
単管養生280m2600168,000
シート架け払い280m2600168,000
【直接解体費】
内装解体工事180.00m21,800324,000
2階躯体解体工事90.00m22,500225,000
1階躯体解体工事90.00m22,500225,000
ベタ基礎解体90.00m24,000360,000
【付帯工事】
周囲土間撤去1.00式100,000100,000
巻き上げ式シャッター撤去1.00式30,00030,000
鉄骨造ベランダ撤去1.00式80,00080,000
束石2.00箇所80,000160,000
残置物処分費1.00式200,000200,000
【廃棄物処分費】
木くず24.00m38,000192,000
内装材8.00m318,000144,000
廃プラスチック類3.00m315,00045,000
金属くず15.00m31,00015,000
ガラス・コンクリートくず・陶磁器類2.00m320,00040,000
混合廃棄物8.00m312,00096,000
がれき類25.00m315,000375,000
コンクリート塊35.00m312,000420,000
屋根材3.00m320,00060,000
【廃棄物運搬費】
木くず24.00m32,00048,000
内装材8.00m32,00016,000
廃プラスチック類3.00m32,0006,000
金属くず15.00m32,00030,000
ガラス・コンクリートくず・陶磁器類2.00m32,0004,000
混合廃棄物8.00m32,00016,000
がれき類25.00m32,00050,000
コンクリート塊35.00m32,00070,000
屋根材3.00m32,0006,000
調整値引き▲ 43,000
小計3,300,000
消費税330,000
合計3,630,000

木造住宅の解体費用の内訳

解体費用は、大きく分けて「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3種類で構成されています。

1. 建物の解体にかかる「本体工事費」

見積書に記載された「本体工事費」の項目

これは解体工事のメインとなる費用で、総額の大部分を占める項目です。具体的には、以下のような作業費用が含まれます。

  • 足場と養生の設置 工事中の騒音や粉塵が近隣に飛散するのを防ぐための足場やシートの設置費用です。安全な工事に不可欠なものです。
  • 建物本体の解体 重機や手作業で建物の構造体(柱、梁、壁、屋根など)を解体していく作業費用を指します。
  • 廃材の分別・搬出 解体で出た木材、コンクリート、金属などを種類ごとに分別し、トラックで処分場まで運ぶ費用です。
  • 基礎の撤去 建物を支えていた地面のコンクリート基礎を掘り起こし、撤去する費用となります。

これらの作業が、見積書の中で「木造建物取壊し工事」などと記載されている部分にあたります。

2. 外構や庭石の撤去など「付帯工事費」

見積書に記載された「付帯工事費」の項目

付帯工事費とは、建物本体以外にある構造物の撤去にかかる費用です。この項目が見積もりから漏れていると、後から「これは別途費用です」と追加請求される原因になりやすいので、とくに注意が必要です。

現場でよくある付帯工事には以下のようなものがあります。

  • 残置物の撤去
  • 庭木や庭石の撤去・処分
  • 土間コンクリートの撤去
  • ブロック塀、フェンス、擁壁の撤去
  • 物置、倉庫、小屋、土蔵の解体
  • 駐車場(カーポート)の撤去
  • 井戸や浄化槽の撤去
  • 地中杭の撤去
  • 残土の処分

これらの付帯工事は、見積もりを依頼する際に「どこまで解体してほしいか」を業者に明確に伝えることで、後々のトラブルを回避できます。

なお付帯工事については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

3. 書類手続きや人件費などの「諸経費」

見積書に記載された「諸経費」の項目

諸経費とは、工事を円滑に進めるために必要となる、現場作業以外のさまざまな費用を指します。見積書では「雑費」や「管理費」といった形でまとめて記載される場合もありますが、優良な業者であれば内訳を詳細に開示しています。

主な諸経費には、以下のようなものが含まれます。

  • 各種申請手続き費用 建設リサイクル法の届出や、道路使用許可の申請など、役所への手続きにかかる費用。
  • 重機の回送費 解体に使用する重機を現場まで運び、工事後に引き上げるための費用。
  • 近隣への挨拶費用 工事前の近隣挨拶で配布する粗品代などが含まれる。
  • 現場管理費・人件費 現場監督の人件費や、工事全体の管理にかかる費用。

木造住宅の解体費用を安くする7つの方法

解体業者の閑散期を狙って依頼する

解体業界の繁忙期・閑散期カレンダー

4月~9月は解体業界の閑散期とされ、この時期に工事を依頼することで日程調整の融通が効きやすく、費用を安くできる可能性があります。

解体業者の年間スケジュールには閑散期と繁忙期があります。一般的に年末年始や年度末、引っ越しシーズン(12月~3月)は需要が集中するため、繁忙期とされています。

自治体の補助金制度を活用する

主に古くなった建物が周囲や景観に被害を与えるのを防ぐため、各自治体は解体工事を促進するための補助金を設けています。

解体工事を計画する際には、事前に「自分の地域で補助金が支給されているか」を調べておきましょう。
ネットで検索する際には、「○○市 空き家 補助金」や「○○市 危険ブロック塀 補助金」など、市町村名を入れて検索すると情報を見つけやすくなります。

補助金制度については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

3社以上から相見積もりを取る

見積もり依頼は1社だけでなく、3社以上から相見積もりを取りましょう。複数の見積書を比較することで、ご自身のケースにおける費用の適正相場が分かり、不当に高い業者・安すぎて危険な業者を見抜けます。

相見積もりによって、解体費用を50万2,000円節約できた事例

家の中の不用品は自分で処分する

家の中にある家具や家電などをなるべく処分しておくと、解体費用を抑えられます。

これらの不用品をそのまま放置した場合は解体業者が処分を請け負うため、その処分費用が見積もりに上乗せされます。

スクロールできます
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ、不燃ゴミ、資源ゴミ基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン、洗濯機、冷蔵庫、テレビ基本的に無料(売却で収益発生)フリマアプリやリサイクルショップ
パソコンノート型を含むパソコン本体、液晶ディスプレイ 基本的に無料家電量販店やメーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス、布団、机数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収
▼不用品の処分方法の例
具体的な品目費用の目安処分方法
日用品可燃ゴミ、
不燃ゴミ、
資源ゴミ
基本的に無料自治体のゴミ回収
家電製品エアコン、
洗濯機、
冷蔵庫、
テレビ
基本的に無料
(売却で収益発生)
フリマアプリ、
リサイクルショップ
パソコン本体、
液晶ディスプレイ
基本的に無料家電量販店、
メーカーの回収サービス
粗大ゴミタンス、
布団、
机
数百円~/点自治体の粗大ゴミ回収

残置物の種類や処分について詳しく解説した記事は以下です。

庭木や雑草を自分で撤去する

敷地内の庭木や雑草は、可能な範囲(雑草の除去や高さ3m未満・幹の太さ20cm以下程度の小さな庭木)で自身で撤去すれば費用を抑えられます。
これらの撤去を業者に依頼すると、1m3あたり9,899円~の費用がかかります。

ただし、大きな樹木の伐採は危険を伴うため無理はせず、作業時は軍手などを着用し、安全対策を徹底したうえで行いましょう。

滅失登記を自分で行う

建物滅失登記の手続きを自身で行うと費用を抑えられます。

解体工事完了後は、1ヶ月以内に建物滅失登記を届け出る必要があります。土地家屋調査士に依頼もできますが、その場合は5万円程度の費用がかかります。

なお、スッキリ解体では解体工事後の滅失登記の手続きについて詳細に解説した記事もございます。あわせてご確認ください。

解体業者に値引き交渉する

解体業者に値引き交渉をするのはマナー違反ではありません。

ただし、複数の解体業者に同時に値引き交渉を行うことは避けましょう。値引き交渉をしたにもかかわらず、最終的に依頼しなかった場合、業者から不誠実と受け取られ、信頼関係を損なう可能性があります。適切な交渉を行うためにも、依頼先を決めたうえで値引き交渉を進めることが重要です。

今回は木造の建物を解体するにあたって効果的な費用の抑え方をピックアップしてご紹介しました。以下の記事では専門家による詳細な解説を含め、費用を安くするための方法をより網羅的に掲載しています。ぜひご確認ください。

【FAQ】木造 解体費用に関するよくある質問

木造30坪と15坪の建物を比較した場合、解体費用は半分になりますか?

必ず半分になるとは限りません。
解体費用は坪数だけでなく、前面道路の広さや重機の搬入可否、隣家との距離などによっても変わります。

特に狭小地では重機を使えず、手壊し作業が増えて割高になる場合があります。

立派な柱や梁などの「古材」を再利用したい場合、費用はどうなりますか?

通常の解体費用よりも高くなります。
木材を再利用可能な状態で取り出すには、重機で押し潰すのではなく、作業員が手作業で一本ずつ部材を外す「手壊し」が必要になるためです。

古材を再利用する方法は、次の記事にて詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

木造住宅の「土壁」の処分費用は高いですか?

廃材の分別に手間がかかるため、処分費用が高くなります。
昔ながらの木造住宅に見られる土壁は、土のほかに竹(竹小舞)や藁などの有機物が混ざっています。これらは建設リサイクル法に基づき適切に分別しなければなりません。
近年の機械による破砕が中心の解体では、手作業による剥ぎ取りが必要になるため工数と人件費が増加します。

屋根が「瓦葺き(かわらぶき)※」の木造住宅は、他の屋根材より高いのはなぜですか?

瓦を一枚ずつ手作業で下ろす必要があり、廃棄物の重量も重いためです。
木造住宅で一般的な瓦屋根は、スレートやトタン屋根と異なり、重機で崩す前に作業員が屋根に登って手作業で撤去しなければなりません。
また、廃棄物の処理費用が重量単価で設定されている場合、瓦は重量があるため総額が上がりやすくなります。
※瓦葺き(かわらぶき)
陶器製(粘土瓦)や石、セメント、金属製(銅瓦など)の瓦を用いた屋根仕上げを指す。

木造住宅の解体費用まとめ

木造住宅の解体費用は、平均で1坪あたり3万4,090円が目安ですが、立地条件や建物の状態、付帯工事の有無によって大きく変動します。とくに都心や狭小地、手壊し作業が必要なケースでは費用が高くなりやすいため、事前に条件を把握しておくことが重要です。

工夫次第では、解体費用を抑えられます。ぜひ、次のポイントをおさえましょう。

▼木造の解体費用を抑えるポイント

  • 閑散期に依頼する 4月〜9月の閑散期は日程調整がしやすく、繁忙期と比べて費用が下がる可能性がある。
  • 補助金を活用する 自治体の解体補助制度を事前に確認し、対象であれば申請する。
  • 相見積もりを取る 3社以上から見積もりを取得し、適正価格を把握する。
  • 残置物を自分で処分する 家具や家電を事前に処分し、処分費用を削減する。
  • 庭木・雑草を自分で撤去する 可能な限り自身で撤去して、付帯工事費を抑える。
  • 滅失登記を自分で行う 専門家への依頼費用(約5万円)を削減する。
  • 値引き交渉を行う 業者を決めたうえで適切に交渉することで費用が下がる場合がある。

なお、木造住宅の解体事例については次の記事でも解説しています。あわせてご覧ください。

その他にも、スッキリ解体では数多くの木造住宅の解体事例を個別に解説しています。ご自身の建物状況に合った事例がありましたらチェックしてみてください。

株式会社インシュアラ 金松社長

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この記事を書いた人

「解体工事でお悩みの方に、同じ主婦の立場から実用的な情報をお届けします。」

数多くのお客様や業者様へのインタビューを通じて、お客様が抱えるリアルな悩みに精通。実際の解体工事現場での取材を重ね、特に「お金」や「近隣トラブル」といった、誰もが不安に思うテーマについて、心に寄り添う記事を執筆。子育て中の母親ならではの、きめ細やかな視点も大切にしている。

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