この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
- 古家の解体費用相場と構造・坪数ごとの費用目安がわかる
- 古家の解体費用が高くなる要因と、費用を抑える方法がわかる
- 古家を解体するメリットや解体前に確認すべきポイントがわかる
「相続した実家が空き家のまま放置されている」「注文住宅を建てるために古家付きの土地を購入したが、解体費用が予算を圧迫しないか心配だ」「土地売却時に古家を壊して更地にするべきか迷っている……」
状況は違えど、共通する悩みは「古家の解体には、一体いくらかかるのか?」ではないでしょうか。
結論から言うと、古家の解体費用相場は1坪あたり3万4,090円〜6万2,465円が目安です。ただし、長年積み重なった残置物の量・付帯工事の有無・現場条件などによって最終的な金額は変動します。
本記事では、11万件以上の解体相談実績を持つ「あんしん解体業者認定協会」の中野理事監修のもと、実際の見積もり事例や費用を抑える方法、解体前に確認すべきポイントなどを解説します。
監修者
現場解説一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一(はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
馬場 美月(ばば みづき)
「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」
「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。
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※ 概算は目安です。正確な金額は現地調査による見積もりが必要です
古家の解体費用相場はいくら?
古家の解体費用は建物の構造によって坪単価が異なります。 坪単価の目安は木造が3万4,090円、軽量鉄骨造が3万8,917円、重量鉄骨造が4万9,102円、RC造(鉄筋コンクリート造)が6万2,465円です。
| 建物の構造 | 平均坪単価 | 30坪の解体費用目安 | 40坪の解体費用目安 |
|---|---|---|---|
| 木造 | 3万4,090円 | 約102万円 | 約136万円 |
| 軽量鉄骨造 | 3万8,917円 | 約117万円 | 約156万円 |
| 重量鉄骨造 | 4万9,102円 | 約147万円 | 約196万円 |
| RC造 | 6万2,465円 | 約187万円 | 約250万円 |
※解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年~2025年7月の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。
古家の解体費用の内訳
古家の解体費用は「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つで構成されています。 見積書の内容を理解するためにも、各費用に含まれる工事内容を確認しておきましょう。

本体工事費
本体工事費は建物自体を解体・撤去するためにかかる費用で、解体費用全体の約64%を占めます。具体的には以下のような費用が含まれます。
- 解体作業費
建物を取り壊すためにかかる人件費で、本体工事費の約30%を占めます。 - 廃材の運搬処理費
解体で発生した廃材の処理にかかる費用で、本体工事費の約25%を占めます。 - 仮設養生費
騒音や粉塵対策として建物を覆うシートの設置費用で、本体工事費の約10%を占めます。 - 機械器具および燃料費
重機のリース・燃料費・回送費などで、本体工事費の約10%を占めます。ただし、重機は業者が自社保有していないこともあるため、コストがかさむ場合もあります。 - 解体業者の利益
会社の運営に必要な利益で、各費用に少しずつ上乗せされる形で含まれます。本体工事費の約20~30%を占めます。
付帯工事費
付帯工事費は建物本体以外の撤去や処分にかかる費用で、解体費用全体の約29%を占めます。具体的には以下のような費用が含まれます。
- 庭木・庭石・植栽の撤去費
庭に植えられている草木や、大きな庭石を処分するための費用です。 - 残置物の撤去費
建物内に残っている家具・家電・生活用品などを処分する費用です。 - ブロック塀・門扉・フェンスの撤去費
敷地内のブロック塀や門扉を取り壊し、撤去する費用です。 - 井戸の撤去費
使われていない井戸を埋め戻したり、撤去したりするための費用です。 - 浄化槽の撤去費
使用していない浄化槽を掘り起こし、撤去・処分するための費用です。 - 倉庫・物置・納屋の撤去費
敷地内にある倉庫や物置、納屋を解体・撤去する費用です。 - 駐車場・ガレージ・カーポートの撤去費
敷地内にある駐車場やガレージ、カーポートを解体・撤去する費用です。
諸経費
諸経費は本体工事費・付帯工事費に含まれない雑多な費用で、解体費用全体の約7%を占めます。具体的には以下のような費用が含まれます。
- マニフェストの発行費・管理費
マニフェストは、解体工事で出た廃材がきちんと処分されたことを証明するための大事な書類です。法律で発行と管理が義務づけられているため、その手続きにかかる費用が、見積もりに含まれることがあります。 - 現場管理費
解体工事全体の進行管理や安全管理、作業員の手配などにかかる費用です。 - 保険費
解体工事中に隣家の壁やフェンスを傷つけてしまった場合などに備えて、業者が加入している保険の費用です。 - 近隣対応費
近隣住民への事前挨拶やトラブル防止のための費用(粗品や説明資料の準備などを含む)です。 - 各種申請費
契約書の作成や許可申請、各種書類の管理にかかる費用です。
古家の解体費用が高くなる要因
古家の解体費用は、現場の状況や建物の状態によって大きく変わります。ここでは、古家の解体費用が高くなりやすい主な4つの要因をご紹介します。
要因1:狭い道路や住宅密集地で重機が使えない
古家は住宅街に建っていることが多く、前面道路が狭かったり、隣家との距離が近かったりするケースが少なくありません。 このような現場では重機を搬入できず手作業による解体が増えるため、解体費用も高くなる傾向があります。
重機が使えない現場の解体工事については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

要因2:残置物が大量に残っている
家具・家電・生活用品などは建物と一緒に解体できないため、事前に搬出・分別・処分する必要があります。そのため残置物が多いほど作業時間や処分費が増え、解体費用も高くなります。特に相続した古家や長年空き家だった住宅では残置物が多く、処分費が高額になりやすい傾向があります。

要因3:庭木・庭石・ブロック塀などの付帯物の撤去が多い
敷地内の付帯物が多いと解体費用は高くなります。 建物本体とは別に撤去・処分する必要があるためです。例えば庭木・庭石・ブロック塀・物置・カーポートなどは、それぞれ撤去費用がかかります。古家は長年の使用で付帯物が増えていることも多く、新しい住宅より付帯工事費がかさむ傾向があります。

要因4:アスベストが含まれている
2006年以前に建てられた古家では、健康に悪影響を及ぼす有害物質「アスベスト」が屋根材・外壁材・軒天・天井材などに使用されていることがあります。 アスベストが確認された場合は飛散を防ぐための養生や専門業者による除去・処分が必要なため、解体費用が高くなります。
アスベストについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

古家の解体費用事例
事例1:福井県越前市 築45年の古家の解体費用事例
見積書の書き起こしを表示する
| 摘要 | 数量 | 単位 | 単価 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 木造住宅解体工事 | |||||
| 屋根葺き材撤去工 | 126.4 | m2 | 1,000 | 126,400 | |
| 内装解体工 | 128.0 | m2 | 1,000 | 128,000 | |
| 躯体解体工 | 128.0 | m2 | 5,500 | 704,000 | |
| 基礎解体工 | 97.3 | m2 | 1,500 | 145,950 | |
| 鉄骨造車庫解体工事 | |||||
| 屋根葺き材撤去工 | 82.6 | m2 | 500 | 41,300 | |
| 躯体解体工 | 63.6 | m2 | 4,500 | 286,200 | |
| 基礎解体工 | 63.6 | m2 | 1,000 | 63,600 | |
| 鉄骨造小屋解体工事 | |||||
| 屋根葺き材撤去工 | 22.6 | m2 | 500 | 11,300 | |
| 躯体解体工 | 17.4 | m2 | 4,000 | 69,600 | |
| 基礎解体工 | 17.4 | m2 | 1,000 | 17,400 | |
| ガレキ撤去処分 | 1.0 | m3 | 15,000 | 15,000 | |
| 重機運搬費 | 1.0 | 式 | 50,000 | ||
| 管理費及び諸経費 | 1.0 | 式 | 50,000 | ※事前調査費含む | |
| 出精値引き | ▲58,750 | ||||
| 小計 | ¥1,650,000 | ||||
| 消費税 | 10 | % | ¥165,000 | ||
| 合計 | ¥1,815,000 |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用総額 | 税込181万5,000円 |
| 所在地 | 福井県越前市 |
| 坪数 | 約38.7坪 |
| 構造 | 木造2階建て/住宅 |
| 築年数 | 45年 |
| 施工期間 | 約9日 |
理事 中野達也木造住宅に加え、鉄骨造車庫・鉄骨造小屋の解体やガレキ処分などの付帯工事が含まれているため、一般的な木造住宅のみの解体より費用が高くなっています。
事例2:静岡県浜松市 築50年の古家の解体費用事例

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| 摘要 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 上物解体(木造2階建て) | 120m2 | 8,000 | 960,000 |
| 基礎・土間撤去工事 | 1式 | 115,000 | 115,000 |
| 樹木の伐採・伐根 | 1式 | 45,000 | 45,000 |
| 重機回送費 | 2回 | 30,000 | 60,000 |
| 養生架け払い工事(防塵シート) | 196m2 | 800 | 156,800 |
| 残置物処分 | 20m3 | 10,000 | 200,000 |
| 諸経費 | 1式 | 65,000 | 65,000 |
| お値引き | 1式 | ▲10,891 | ▲10,891 |
| 小計 | 1,590,909 | ||
| 消費税 | 159,091 | ||
| 合計 | 1,750,000 | ||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用総額 | 税込175万円 |
| 所在地 | 静岡県浜松市 |
| 坪数 | 約36.3坪 |
| 構造 | 木造2階建て/住宅 |
| 築年数 | 50年 |
| 施工期間 | 約8日 |
理事 中野達也残置物処分に20万円、樹木の伐採・伐根に4万5,000円かかっており、これらの付帯工事費が解体費用を押し上げています。
事例3:大阪府大東市 築60年の古家の解体費用事例
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| 名称 | 仕様・規格・寸法 | 数量 | 呼称 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|---|---|
| 解体工事(処分共) | 木造・平屋 | 39.0 | m2 | 12,000 | 468,000 |
| 基礎撤去処分 | 39.0 | m2 | 3,000 | 117,000 | |
| 足場仮設養生工事 | 単管・防音シート | 52.0 | m2 | 900 | 46,800 |
| 重機回送費 | 1.0 | 式 | 60,000 | 60,000 | |
| 散水設備費 | 水道費別途 | 1.0 | 式 | 12,000 | 12,000 |
| 整地工事 | 1.0 | 式 | 15,000 | 15,000 | |
| アスベスト分析費 | 1.0 | 式 | 50,000 | 50,000 | |
| 切り取り養生工事 | サイディング仕上 | 98.0 | m2 | 7,600 | 744,800 |
| 下地 | 98.0 | m2 | 3,500 | 343,000 | |
| 足場 | 100.0 | m2 | 900 | 90,000 | |
| 小計 | 1,946,600 | ||||
| 消費税 | 194,660 | ||||
| 値引き | ▲1,260 | ||||
| 合計 | 2,140,000 | ||||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用総額 | 税込214万円 |
| 所在地 | 大阪府大東市 |
| 坪数 | 約11.8坪 |
| 構造 | 木造平屋建て/住宅 |
| 築年数 | 60年 |
| 施工期間 | 約5日 |
理事 中野達也隣接建物との境界部分の補修を伴う切り取り養生工事(約118万円)が必要だったため、一般的な木造平屋より費用が高くなっています。
古家の解体費用を安く抑える3つの方法
古家の解体では、事前の準備や業者選びを工夫することで費用を抑えられます。ここでは、その具体的な3つの方法をご紹介します。
方法1:複数の解体業者から見積もりを取る
古家の解体費用は、同じ建物でも業者によって金額が異なる場合があります。これは工事内容の見積もり方や処分費の設定などが業者ごとに異なるためです。
1社だけの見積もりではその金額が適正なのか判断しにくいため、最低でも2~3社程度から相見積もりを取りましょう。複数社を比較することで費用の相場を把握できるだけでなく、不要な工事や過剰な費用が含まれていないかも確認できます。
理事 中野達也実際に複数業者から見積もりを取得したことで、古家の解体費用を8万円抑えられたケースもあります。

方法2:残置物を事前に整理する
家具・家電・衣類などの残置物を業者に処分してもらう場合、1m3あたり1万2,000円~の処分費がかかります。30坪ほどの住宅では5万円〜10万円程度になることも珍しくありません。
そのため、解体前に不要品を整理しておくことで解体費用の削減につながります。まだ使える家具や家電はリサイクルショップや買取業者に売却し、処分するものは自治体のルールに沿って計画的に処分しましょう。
理事 中野達也古家では押し入れ・倉庫・物置などに長年使っていない荷物が残っているケースも多いため、解体を決めた段階から少しずつ片付けておくことをおすすめします。
方法3:補助金を活用する
自治体によっては、古家の解体に利用できる補助金制度があります。対象になりやすいのは以下のような建物です。
- 長期間使用されていない空き家
- 倒壊の危険性がある老朽住宅
- 周辺へ被害を及ぼす可能性がある建物
- アスベストが含まれる建材を使用した建物
具体的な制度としては、以下のようなものがあります。
老朽危険家屋解体撤去補助金
- 東京都墨田区|老朽危険家屋除却費等助成制度(最大支給額300万円)
- 愛知県名古屋市|老朽危険空家等除却費補助金(最大支給額80万円)
- 兵庫県神戸市|老朽空家等解体補助制度(最大支給額100万円)
危険ブロック塀等撤去・改修補助金
- 東京都世田谷区|ブロック塀等撤去工事助成事業(最大支給額20万円)
- 東京都大田区|ブロック塀等改修助成事業(最大支給額16万円)
- 東京都杉並区|ブロック塀等安全対策支援(最大支給額50万円)
アスベスト対策費補助金
- 埼玉県川口市|民間建築物アスベスト対策事業補助金(最大支給額300万円)
- 千葉県千葉市|既存建築物吹付けアスベスト対策事業補助金(最大支給額100万円)
- 静岡県焼津市|民間建築物吹付けアスベスト対策事業費補助金(最大支給額120万円)
理事 中野達也補助金は「契約前」や「着工前」の申請が必要な場合が多く、解体後では利用できないことがほとんどです。予算に限りがある制度もあるため、古家の解体を検討した段階で早めに自治体へ確認しましょう。
古家を解体する4つのメリット
古家を解体すると建物の維持管理や将来的な負担を減らせるなど、主に4つのメリットが得られます。
メリット1:土地を売却しやすくなる
古家を解体して更地にすることで土地の広さ・形状・境界・日当たりなどを確認しやすくなり、購入希望者が新築後のイメージを持ちやすくなります。 また、建物の解体費用や残置物処分費などを購入後に負担する必要がなくなるため、資金計画を立てやすいのもメリットです。
一方、古家付きの土地では買主が解体費用を見込んで購入判断をする必要があり、総額が分かりにくいことから検討のハードルになる場合があります。
なお、土地売却に伴う解体工事については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

メリット2:空き家の管理負担を減らせる
古家を所有していると草刈り・剪定・屋根や外壁の修繕・雨漏り対策などが必要で、建物の状態によっては年間数万円~数十万円の維持費がかかります。解体すれば、こうしたメンテナンスや管理作業が不要で、遠方に住んでいても負担を減らせます。
実例:古家の解体で年間10万円の維持費を削減できたAさん

Aさんは相続した実家が長年空き家になっていたため、定期的な草刈りや建物の確認などの管理を続けていました。しかし屋根や外壁の劣化が進み、今後の修繕費や管理負担を考えて解体を決断しました。解体後は年間約10万円の維持費を削減できただけでなく、現地へ通う手間も減らせました。
遠方に住んでいたため、空き家の管理に行く負担が大きかったです。解体後は建物の状態を心配する必要がなくなり、将来的な維持費の不安も減りました。
メリット3:老朽化によるリスクを防げる
古家は長年の使用で屋根・外壁・柱などが劣化している場合があります。屋根材の落下や外壁の剥がれ、雨漏りによる内部腐食が発生すると、修繕費がかかるだけでなく周囲へ被害を及ぼす可能性もあります。また、空き家の放置は不法侵入や害虫・害獣の発生など、近隣トラブルの原因にもなります。解体によって老朽化した建物を取り除くことで、これらの安全リスクを軽減できます。
空き家を放置するリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

メリット4:新築や土地活用を進めやすくなる
古家が残っていると、新築工事や駐車場・賃貸住宅などへの活用を検討する際、既存建物の配置や老朽化の状態を踏まえて計画する必要があります。解体して更地にすることで土地の広さ・高低差・地盤の状態を確認しやすくなり、建物の配置や駐車場のレイアウトなど目的に合わせた具体的な活用計画を立てやすくなります。
古家を解体する前に確認すべきこと
更地にした場合の固定資産税
古家を解体して更地にすると、住宅用地の特例が適用されなくなり、翌年度から固定資産税・都市計画税が高くなる場合があります。
住宅が建っている土地は固定資産税の課税標準が面積に応じて1/6~1/3まで軽減されていますが、更地だとこの特例は受けられません。解体後すぐに建て替えや売却を行う予定がない場合は更地の期間が長くなるほど税負担が増えるため、解体時期を慎重に検討しましょう。

解体後の固定資産税については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

土地の所有者・相続人
古家が実家や空き家の場合は、土地と建物の名義を確認しておきましょう。相続が発生している場合は相続人全員の同意や相続登記、共有名義の場合は共有者との協議を要することがあります。
所有者を確認しないまま見積もりや契約を進めると、解体工事を予定どおり着工できない可能性があるため、早めに確認しておくことが重要です。
出典:民法
第二百五十一条 各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更(その形状又は効用の著しい変更を伴わないものを除く。次項において同じ。)を加えることができない。
引用:民法|e-Gov法令検索
再建築の可否
古家を解体すると、同じ土地に新しい家を建てられない場合があります。例えば、建築基準法上の道路に2m以上接していない土地や、接している道路が建築基準法上の道路として認められない土地では解体後に再建築できないケースがあります。
更地にしてから後悔しないためにも、建て替えや土地活用を予定している場合は解体前に自治体の建築指導課などで再建築の可否を確認しておきましょう。
出典:建築基準法
第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。
一 道路法(昭和二十七年法律第百八十号)による道路
二 都市計画法、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法(昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法(昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法(第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路
三 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道
四 道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの
五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法、都市計画法、土地区画整理法、都市再開発法、新都市基盤整備法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法又は密集市街地整備法によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
2 都市計画区域若しくは準都市計画区域の指定若しくは変更又は第六十八条の九第一項の規定に基づく条例の制定若しくは改正によりこの章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(同項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満で崖地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該崖地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。
3 特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。
4 第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。
一 周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
二 地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
三 第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道
5 前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。
6 特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。
【FAQ】古家の解体に関するよくある質問
古家を解体するまでにどれくらいの期間がかかりますか?
古家を解体するまでには、一般的に1〜2ヶ月程度かかります。
内訳は、現地調査・見積もり・契約・各種手続きに数週間、解体工事に数日〜数週間程度です。30坪〜40坪程度の木造住宅であれば、実際の工事期間は実働7日〜10日程度が目安です。鉄骨造やRC造は木造より解体に時間がかかるため、工期が長くなる傾向があります。
解体工事の流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

古家の解体費用は誰が負担しますか?
売買契約の条件によって決まります。
実務上は、更地渡しでは売主が解体費用を負担するケースが多く、現況渡しでは買主が解体する前提で取引されます。ただし、最終的な費用負担は売主・買主の合意によって決まります。
古家を解体する際、アスベスト調査は義務ですか?
はい、原則としてアスベストの事前調査は義務です。
2023年10月以降は有資格者によるアスベストの事前調査が義務付けられており、必要に応じて分析調査や適切な除去を行わなければなりません。
調査を行わずに工事をした場合や虚偽の報告をした場合は、労働安全衛生法などに基づき、6ヶ月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
出典:石綿障害予防規則、労働安全衛生法
第三条 事業者は、建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。以下「解体等対象建築物等」という。)について、石綿等の使用の有無を調査しなければならない。
第百十九条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第十四条、第二十条から第二十五条まで(中略)の規定に違反したとき。
まとめ
古家の解体費用は建物の構造だけでなく、残置物や付帯物の量・アスベストの有無・周辺環境などによって大きく変わります。そのため坪単価だけで判断せず、見積書の内訳まで確認することが重要です。
また、古家の解体前には固定資産税の変化や相続・共有名義、再建築の可否などを把握しておくことで、解体後のトラブルや想定外の費用を防げます。
理事 中野達也まずは2~3社から見積もりを取り、工事内容や費用の内訳を比較したうえで自分の状況に合った解体業者を選びましょう。




