家の解体費用相場はいくら?費用を安くする方法や見積事例も解説

家の解体費用を坪数・地域別に完全解説!損しない節約方法&業者選び
稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、解体工事や空き家問題について全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

一般的な家を解体する場合、費用相場は90万円〜420万円です。ただし、現場の条件によって金額は大きく変わるため、正確な費用を知るには解体業者に見積もりを取るのが一番です。

この記事では、11万件以上の解体ユーザーからの相談実績を持つ「あんしん解体業者認定協会」の全面的な監修のもと、家の解体費用について押さえておくべき重要なポイントを網羅的に解説します。

運営者 稲垣

協会の膨大なデータと、専門家である初田秀一理事への直接取材に基づいた信頼性の高い情報を基に、解体業界で6年間働いてきた私が「これだけは知っておいてほしい」と強く感じるポイントを、一つひとつ丁寧に紐解いていきます。

この記事でわかること
  • 構造別・坪数別の費用相場が一目でわかり、あなたの家の解体費用の目安が掴める
  • 10坪〜50坪の見積書実例をもとに、実際の費用感が具体的にイメージできる
  • 相見積もりや補助金活用で費用を数十万円安くする6つの具体的な方法がわかる

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

馬場 美月執筆

「スッキリ解体」専属ライター

馬場 美月(ばば みづき)

「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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目次
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家の解体費用総額の相場

一般的な家(約30~50坪)の解体費用相場

一般的な広さの住宅では、解体費用総額は約90万円〜420万円が目安です。建物の構造別に見ると、木造で90万円〜250万円、軽量鉄骨造で160万円〜280万円、鉄骨造で220万円〜380万円、RC造で270万円〜420万円です。

なお、以下は坪数と構造ごとの解体費用総額の目安を一覧にしたものです。建物の大きさや構造によって費用がどのように変わるか、全体像を把握する参考としてご覧ください。

スクロールできます
坪数/建物の構造木造軽量鉄骨造鉄骨造RC造
10坪40万円~150万円70万円~120万円70万円~120万円
20坪100万円~140万円130万円~170万円170万円~230万円180万円~270万円
30坪130万円~180万円170万円~220万円180万円~230万円270万円~380万円
40坪170万円~260万円190万円~350万円220万円~310万円260万円~610万円
50坪150万円〜495万円230万円〜420万円230万円〜590万円310万円〜690万円
60坪200万円~340万円320万円~370万円220万円~610万円410万円~720万円
70坪240万円~410万円240万円~300万円320万円~560万円400万円~900万円
80坪270万円~390万円340万円~860万円360万円~660万円
90坪390万円~500万円350万円~820万円740万円~1,160万円
100坪〜320万円~670万円415万円~448万円440万円~1,000万円600万円~1,400万円

【ご注意】
・解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年~2025年7月の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
・解体費用相場は平均値です。実際の解体費用は現場の状況や建物の状態によって変動します。
・※「ー」は、情報が少なく相場を算出できなかった地域・坪数を示しています。今後、新たなデータが集まり次第、随時更新予定です。

家の解体費用が決まる主な6つの要素

家の解体費用は一律ではなく、主に次の6つの要素によって左右されます。

家の解体費用が決まる主な6つの要素
  • 要素1:建物の構造
  • 要素2:建物の規模
  • 要素3:立地条件
  • 要素4:付帯工事の有無
  • 要素5:アスベストの有無
  • 要素6:残置物の量

要素1:建物の構造

建物の構造の違いは、「解体にかかる時間」「使用する重機の規模」「廃材の分別コスト」に大きく影響し、そのまま解体費用に直結します。これらの負担が大きくなるほど人件費・重機のレンタル費・処分費が増え、全体の費用も高くなる傾向があります。

木造は比較的軽量な工具で解体できるため費用が抑えられ、工期も短く済むのが一般的です。鉄骨造は鋼材をガス切断機などで分解する必要があり手間がかかるため、木造より費用は高くなります。RC造は大型重機や養生が必要となるため、費用は最も高く、工期も木造の2倍程度かかることがあります。

▼より詳しい建物の構造別の費用相場はこちら

要素2:建物の規模

建物の規模は解体に必要な作業量や廃材の量に直結し、費用全体に大きく影響します。延床面積が広くなるほど柱・壁・基礎・屋根などの解体量が増えるため、廃材の運搬回数や処分費も増えて総額は高くなる傾向があります。

一方、延床面積が大きいほど重機運搬費・養生設営費・各種手続き費用などの固定費が分散されるため、1坪あたりの単価(坪単価)はやや下がるのが一般的です。20坪以下の狭小住宅などは固定費を分散しにくく、坪単価が割高になりやすい傾向があります。

▼より詳しい坪数別の費用相場はこちら

要素3:立地条件

前面道路の幅が狭い現場
隣家との間が狭い現場

立地条件は、特に人件費に大きく影響します。重機やトラックが入れない狭小地や、隣家との間が極端に狭い現場では手作業による解体が必要となり、作業日数が増えることで人件費が大きく増加します。

また、前面道路の交通量が多い場合や通学路に面している場合などは安全確保のために交通誘導員の配置が必要となり、追加費用が発生します。さらに道路と敷地に高低差がある場合も重機の搬入や廃材の搬出に手間がかかるため、費用が上がる要因となります。

交通誘導員を設置した現場

なお、重機が入らない解体工事については、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

要素4:付帯工事の有無

付帯工事の例

建物本体の解体費用に加えて、ブロック塀・フェンス・植栽など建物以外の撤去費用がかかる点も解体費用が変動する大きな要因です。

ブロック塀や擁壁はコンクリート量が多く、破砕や処分に高いコストがかかります。さらに大きな庭石や樹木の撤去も1点ごとに費用が発生するため、全体の費用を押し上げる要因になります。

なお、主な付帯工事の費用目安は以下のとおりです。撤去する対象や規模によって費用は変動するため、あくまで目安としてご確認ください。

付帯工事物単価/単位
庭木5,000円~3万円/本
庭石1万円~5万円/個
土間コンクリート3,047円/m2
ブロック塀3,687円/m2
フェンス1,000円~4,000円/m2
擁壁5,000円〜3万5,000円/m2
物置1万円~10万円/坪
倉庫2万円~10万円/坪
小屋2万円~7万円/坪
カーポート3万円〜20万円/式
機械式駐車場ピット式2台:80万円~
パズル式10台:200万円~
井戸3万円~20万円/式
※お祓い費用は別途2万円~10万円
浄化槽(5人槽)全撤去:7万円 ~ 14万円/基
埋め戻し:5万円 ~ 12万円/基
地中杭1万5,000円〜5万5,000円/本
残土4,000円〜1万3,000円/m3
土蔵3万5,000円~8万円/坪

要素5:アスベストの有無

アスベスト除去の様子

現在では、すべての解体工事で有害物質であるアスベストの事前調査が義務化されています。アスベストが見つかった場合は、飛散防止のための養生や専門的な除去作業が必要となり、処分費も含めて費用が大きく増加します。特に2006年以前に建てられた建物では、屋根材や外壁材に含まれているケースが多く見られます。

理事 初田秀一

アスベスト除去費は1m3あたり約3万円が目安で、量によっては数十万円以上の追加費用になることもあります。

アスベスト除去については以下の記事でご紹介しています。あわせてご覧ください。

要素6:残置物の量

大量の残置物が残っている解体前の現場

家の中に家具・家電・衣類などの残置物が多く残っていると、数万円〜数十万円の追加費用が発生することがあります。解体業者が残置物を処分する場合はすべて産業廃棄物として扱われるため、一般ごみより高額になります。また、冷蔵庫や洗濯機などの家電はリサイクル法に基づく処分費が必要です。

理事 初田秀一

過去には、4tトラック8台分の不用品の処分費が72万円になった事例もあります。

家の解体費用事例

ここでは、『あんしん解体業者認定協会』を通じて実際に行われた解体工事の事例をご紹介します。

【事例1】木造平屋住宅10坪 愛知県名古屋市の事例

木造平屋住宅10坪 愛知県名古屋市の見積書01
木造平屋住宅10坪 愛知県名古屋市の見積書02
木造平屋住宅10坪 愛知県名古屋市の見積書03
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品名数量単位単価金額
<〇〇様邸建物解体工事>
1)木造平屋建建物解体工事1060,000600,000
*建物切離し工事費を含む
2)建物内生活廃材撤去処分費4m310,00040,000
3)飛散防止養生シート設置工事 2面100m270070,000
4)建物切離し後ブルーシート設置費120,00020,000
5)諸経費(賠償責任保険を含む)130,00030,000
<外構工事>
1)解体後壁補修工事1200,000200,000
*下地補修 *リブトタン張り
2)足場掛け150,00050,000
値引き▲10,000
小計1,000,000
消費税(8%)80,000
合計1,080,000
基本情報
構造/種類木造平屋住宅
坪数10坪
所在地愛知県名古屋市
工期約2日~3日
解体費用総額税込108万円

【事例2】木造2階建て住宅20坪 埼玉県三郷市の事例

木造2階建て住宅20坪 埼玉県三郷市の見積書
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項目数量単位単価金額
仮設防炎シート養生架け払い168m2700117,600
木造2階建て家屋解体2018,000360,000
発生木材運搬、処分28m32,50070,000
発生混合材運搬、処分18m315,000270,000
基礎解体101,50015,000
発生コンクリートガラ運搬、処分22m32,50055,000
土間コン、撤去、運搬、処分150,00050,000
重機回送費(往復)135,00035,000
諸経費150,00050,000
出精値引▲4,408
小計1,022,600
消費税81,808
合計金額1,100,000
基本情報
構造/種類木造2階建て / 住宅
坪数20坪
所在地埼玉県三郷市
工期約5日
解体費用総額税込110万円

【事例3】軽量鉄骨造2階建て住宅30坪 埼玉県草加市の事例

軽量鉄骨造2階建て住宅30坪 埼玉県草加市の見積書01
軽量鉄骨造2階建て住宅30坪 埼玉県草加市の見積書02
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工種内訳数量単位単価金額
解体工軽量鉄骨造2階建住宅機械壊し3036,0001,080,000
フレキシブルボード(アスベストレベル3)撤去運搬6m332,000192,000
屋根材コロニアル(アスベストレベル3)撤去運搬2.5m335,00087,500
土間コンクリート・敷石撤去処分36.3m23,200116,160
ブロック塀フェンスカッター入れ撤去処分39.2m23,500137,200
鉄骨ベランダ撤去処分135,000
植木伐採伐根処分(4tダンプ)3.550,000175,000
養生工防護足場シート架け外し203.8m2800163,040
運搬工重機回送、運搬車両150,000
諸経費各種書類申請、機械損料114,100
値引き▲50,000
消費税172,800
合計2,160,000
基本情報
構造/種類軽量鉄骨造2階建て / 住宅
坪数30坪
所在地埼玉県草加市
工期約12日
解体費用総額税込216万円

【事例4】木造2階建て住宅40坪 大阪府大阪市住之江区の事例

木造2階建て住宅40坪 大阪府大阪市の見積書
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内容・仕様数量単位単価金額
外部養生工事(防音、丸太)240m2600144,000
木造建屋解体処分4030,0001,200,000
外構撤去処分(天石、植木等)170,000
井戸埋戻し作業(真砂土)(竹、空気抜き)182,000
板塀撤去処分49m25,000245,000
整地清掃作業190m2900171,000
重機回送費4t420,00080,000
交通諸経費150,000
小計2,042,000
消費税163,360
合計2,205,360
基本情報
構造/種類木造2階建て / 住宅
坪数40坪
所在地大阪府大阪市住之江区
工期約12日
解体費用総額税込220万5,360円

【事例5】木造2階建て住宅50坪 栃木県宇都宮市の事例

木造2階建て住宅50坪 栃木県宇都宮市の見積書01
木造2階建て住宅50坪 栃木県宇都宮市の見積書02
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項目規格単位数量単価金額備考
仮設養生単管パイプ組防炎シートm2187.20850159,1203面養生H7000
内部造作 解体・運搬・処分m2166.522,700449,604
躯体 解体・運搬・処分m2166.523,300549,516
基礎 解体・運搬・処分m281.582,400195,792
土間 解体・運搬・処分m322.561,30029,328
立木植栽 抜根・運搬・処分花壇の大谷石撤去はサービスm22.005,30010,600
CB倉庫 解体・運搬・処分m33.246,00019,440
残置物 積込・運搬・処分m38.0011,00088,000
重機回送費0.25クラス2.0024,00048,000
諸経費1.0077,000
出精値引き▲26,400
小計1,600,000
消費税128,000
合計1,728,000
基本情報
構造/種類木造2階建て / 住宅
坪数50坪
所在地栃木県宇都宮市
工期約13日
解体費用総額税込172万8,000円

さらに多くの解体事例を確認したい場合は、「解体事例」をご覧ください。さらに詳細な建物の情報や解体の流れを解説しています。

家の解体費用の内訳

解体費用は大きく「本体工事費」「付帯工事費」「諸経費」の3つに分かれており、それぞれの内訳を理解することで見積もりの内容が把握しやすくなります。

家の解体費用の内訳

① 本体工事費

本体工事費は建物自体を解体するためにかかる費用で、解体費用全体の約70%を占めます。具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 解体作業費
    建物を取り壊すためにかかる人件費で、本体工事費の約30%を占めます。
  • 廃材の運搬処理費
    解体で発生した廃材の処理にかかる費用で、本体工事費の約25%を占めます。
  • 仮設養生費
    騒音や粉塵対策として建物を覆うシートの設置費用で、本体工事費の約10%を占めます。
  • 機械器具および燃料費
    重機のリース・燃料費・回送費などで、本体工事費の約10%を占めます。ただし、重機は業者が自社保有していないこともあるため、コストがかさむ場合もあります。
  • 解体業者の利益
    会社の運営に必要な利益で、各費用に少しずつ上乗せされる形で含まれます。本体工事費の約20~30%を占めます。
理事 初田秀一

とくに「解体作業費」「廃材の運搬処分費」は、坪数・構造・工期・立地によって大きく変動します。見積もりで不明な点があれば、業者に「なぜこの金額なのですか?」と質問することが大切です。

② 付帯工事費

付帯工事費とは建物の解体以外で必要な作業にかかる費用で、解体費用全体の約20%を占めるのが一般的です。具体的には、次のような費用が含まれます。

  • 残置物の撤去費
    建物内に残っている家具・家電・生活用品などを処分する費用です。
  • ブロック塀・門扉・フェンスの撤去費
    敷地内のブロック塀や門扉を取り壊し、撤去する費用です。
  • 庭木・庭石・植栽の撤去費
    庭に植えられている草木や、大きな庭石を処分するための費用です。
  • 地中埋設物の撤去費
    土地に埋まっている浄化槽・井戸・古い基礎などの撤去費用です。
  • アスベスト除去費
    建物に含まれる有害物質である「アスベスト」を、安全な方法で撤去するための費用です。アスベストの除去には、専門的な対応が必要となります。
  • 地下室・地下車庫の撤去費
    地下構造を解体し、埋め戻しを行うための費用です。
  • 倉庫・物置・納屋の撤去費
    敷地内にある倉庫や物置、納屋を解体・撤去する費用です。
  • 駐車場・ガレージ・カーポートの撤去費
    敷地内にある駐車場やガレージ、カーポートを解体・撤去する費用です。
理事 初田秀一

敷地内の状況は一軒一軒まったく違うため、「何が撤去対象になっているか」を見積書でしっかり確認しましょう。ここが曖昧だと、後から追加費用を請求される原因になります。

③ 諸経費

諸経費とは本体工事費・付帯工事費に含まれない雑多な費用で、解体費用全体の約10%を占めるのが一般的です。具体的には、次のような費用が含まれます。

  • マニフェストの発行費・管理費
    マニフェストは、解体工事で出た廃材がきちんと処分されたことを証明するための大事な書類です。法律で発行と管理が義務づけられているため、その手続きにかかる費用が、見積もりに含まれることがあります。
  • 現場管理費
    解体工事全体の進行管理や安全管理、作業員の手配などにかかる費用です。
  • 保険費
    解体工事中に隣家の壁やフェンスを傷つけてしまった場合などに備えて、業者が加入している保険の費用です。
  • 近隣対応費
    近隣住民への事前挨拶やトラブル防止のための費用(粗品や説明資料の準備などを含む)です。
  • 各種申請費
    契約書の作成や許可申請、各種書類の管理にかかる費用です。

家の解体費用を安くする6つの方法

ここでは、正しい知識を持って計画的に準備を進める6つの費用節約術を、具体的な手順とともに徹底解説します。

家の解体費用を安くする6つの方法
  • 方法1:解体業者の閑散期を狙って依頼する
  • 方法2:自治体の補助金制度を活用する
  • 方法3:必ず3社以上から相見積もりを取る
  • 方法4:家の中の不用品は自分で処分する
  • 方法5:必要な届け出を自分で行う
  • 方法6:解体業者に値引き交渉する

方法1:解体業者の閑散期を狙って依頼する

解体工事は、いつ依頼するかという計画段階の工夫だけで、費用を大きく抑えられることがあります。その代表的な方法が、解体業界の「閑散期」を狙うことです。

解体業界の繁忙期を閑散期

解体費用は、工事を行う時期やタイミングによって変動します。とくに、年末年始や年度末、引っ越しシーズンなどの繁忙期(12月~3月)は需要が集中するため、人件費や資材費が高くなり、それに伴い解体費用も割高になる傾向があります。

一方、閑散期(4月~9月)に工事を計画したり、解体業者の都合に合わせて柔軟に日程を調整したりすることで、解体費用を抑えられる場合があります。解体工事は半年から1年ほど前に依頼することで、通常の依頼よりも値引きが期待できるため、早めに準備を進めることが大切です。

方法2:自治体の補助金制度を活用する

お住まいの地域によっては、解体工事に利用できる補助金(助成金)制度があります。これも計画段階で必ず調べておきたい重要なポイントで、条件に合えば数十万円、場合によっては数百万円の補助を受けられることもあります。

まずは、お住まいの地域で利用できる制度があるかを調べてみましょう。ネットで検索する際には、「○○市 空き家 補助金」や「○○市 危険ブロック塀 補助金」など、市町村名を入れて検索すると情報を見つけやすくなります。

補助金申請のサポートを積極的に手伝ってくれる業者の特徴

理事 初田秀一

解体工事で利用できる補助金・助成金については、「申請は施主自身が行う」ことが基本です。そのため多くの解体業者は申請そのものを代行するのではなく、必要書類の準備をサポートする形が一般的です。

ただし、業者によってサポートの手厚さには差があり、事務体制が整っている会社ほど幅広く対応してくれる傾向があります。特に外部の専門機関と連携できる体制を持つ業者は、補助金申請まで含めたトータルサポートを提供しているケースもあります。

また、こうした業者は単純な価格競争ではなく、「補助金を含めた最終的な負担額の軽減」を重視した提案を行う点も特徴です。

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比較項目手厚いサポートの業者一般的なサポートの業者
サポート範囲補助金の選定から申請、進捗管理、受給後の報告まで一貫対応必要書類の準備サポートが中心
主な対応内容・補助金の選定
・提案
・申請書類の作成代行
・役所への提出代行
・進捗管理
・連絡・受給後の報告書作成サポート
・補助金情報の提供
・必要書類のリストアップ
・見積書などの作成
・提出
・記入方法のアドバイス
メリット・手間を大幅に削減できる
・書類の不備が減る
・最適な補助金を提案してもらえる
・費用を抑えやすい
・自分で手続きを進められる
注意点・業者選びが重要
・対応できる補助金に偏りがある場合もある
・手続きの負担が大きい
・不備による不受理リスクがある

補助金が支給されないケース

理事 初田秀一

補助金申請で最も多い失敗は、「タイミングを逃すこと」です。言葉は悪いですが、利用するなら申請期間が始まったらすぐに動いて、申請の『枠』を押さえておく、という意識が重要になります。

多くの補助金は申請期間や予算枠が決まっており、受付開始後すぐに上限に達してしまうことも少なくありません。そのため工事が終わってから補助金の存在に気づいたり、申請を検討している間に受付が終了してしまったりすると利用できなくなる可能性があります。補助金は「早い者勝ち」の側面が強く、早めの情報収集と申請準備が重要です。

なお、「書類を間違えたら不支給になるのでは」と心配される方もいますが、実際には不備があった場合は役所から修正や再提出を求められるケースが一般的で、書類ミスだけで受給できなくなることは多くありません。

方法3:必ず3社以上から相見積もりを取る

解体費用を抑えるうえで最も効果的なのが「相見積もり(あいみつもり)」です。複数の業者から見積もりを取り比較することで、適正相場が分かり、不当に高い・安すぎる業者を見抜けます。

手間を省きたい場合は、優良業者から一括で見積もりを取れる無料サービスの活用も有効です。実際に一括見積サービスを利用した方の中には、50万円以上のコスト削減につながったケースもあります。

解体費用を50万2,000円節約できた事例

ただし、安さだけで業者を判断するのは避けましょう。中には後から不当な追加費用を請求する業者もいるため、実績・口コミ・対応の丁寧さも確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

見積もりで確認すべき3つのポイント

解体業者を選ぶ際、「最も安い見積もり」だけを基準にすると思わぬトラブルにつながる可能性があります。

理事 初田秀一

実際に、複数社の見積もりの中で最安の業者に依頼した結果、工事後に「廃材処分費が別途かかる」として高額な追加費用を請求されたケースもあります。契約書がなく見積内容も不明確だったため、依頼主側は反論できず、トラブルに発展しました。

ずさんな見積書

このような事態を防ぐためには、見積もりの内容をしっかり確認することが欠かせません。

  1. 契約書を必ず交わす
    口約束だけの契約はトラブルの原因になります。契約書を交わし、内容を確認したうえで署名・捺印することが重要です。
  2. 「一式」表記の見積もりに注意する
    「解体工事一式」といった曖昧な記載だけの見積もりは、後から追加費用が発生するリスクがあります。数量や内訳が具体的に記載されているかを確認しましょう。
  3. 「追加費用なし」を鵜呑みにしない
    解体工事は地中の状況などによって、予期せぬ費用が発生する可能性があります。「絶対に追加費用はかからない」といった説明はそのまま受け取らず、契約書に明記されているかを確認することが重要です。

方法4:家の中の不用品は自分で処分する

残置物が撤去された解体前の現場

工事が始まる前の事前準備として家の中に残された家具や家電などの残置物を自分で処分しておくと、解体費用を大幅に節約できます。

不用品の処分費は解体業者や地域によって差がありますが、一般的には1m3あたり1万2,000円~が相場です。そのため残置物の量が多いほど処分費がかさみ、事前に片付けておくかどうかで最終的な費用に大きな差が出ます。

不用品の処分方法については以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

方法5:必要な届け出を自分で行う

建物滅失登記や建設リサイクル法に基づく届出など、解体工事にはいくつかの行政手続きが必要になります。これらは通常、解体業者が代行してくれることも多いですが、自分で行うことで数万円程度の代行費用を節約できる場合があります。

解体工事に関する届け出については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

方法6:解体業者に値引き交渉する

解体業者に値引き交渉をするのはマナー違反ではありません。ただし、交渉は依頼する業者を1社に絞ったうえで行うことが重要です。

交渉の際は他社の見積もりを参考にしつつ、誠実な姿勢で相談することがポイントです。具体的には「他社の見積もりではこの金額だった」と伝えたり、「できれば御社に依頼したい」といった意思を示すことで調整に応じてもらいやすくなります。

また、工事時期の調整や支払い条件など依頼主側が柔軟に対応できる点を提示することで、交渉が成立しやすくなる場合もあります。

【FAQ】家の解体費用に関するよくある質問

家の解体費用が払えない場合はどうすればいいですか?

まず自力での片付けや相見積もりで費用を削減し、不足分は補助金・ローン・売却などを組み合わせて補うのが現実的です。

また、解体せずに「古家付き土地」としてそのまま売却する方法も有効な選択肢です。放置すると税負担の増加や行政処分などのリスクが高まるため、早めに業者や自治体へ相談して現実的な解決策を選びましょう。

家の解体費用を抑える方法については、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

家を解体したら固定資産税はどうなりますか?

住宅用地の特例が外れるため税額は上がりますが、建物分の課税がなくなる分もあるため、全体としては平均で「3〜4倍」程度になるケースが一般的です。

「6倍になる」と言われることもありますが、実際には負担調整措置があるため、いきなり上限まで上がるケースは多くありません。ただし負担が増えることには変わりないため、解体後の活用や売却まで見据えて判断しましょう。

解体後の固定資産税については、以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

相続した実家を取り壊す場合、解体費用は誰が払うのが一般的ですか?

誰が負担するかを定めた明確な法律はなく、相続人全員による「遺産分割協議」で決めるのが一般的です。

負担方法は法定相続分に応じて分けるだけでなく、「不動産を相続する人が全額負担する」「売却益から差し引く」「預貯金から先に確保する」など、状況に応じて決められます。

後々のトラブルを防ぐためにも、費用負担の内容は事前に話し合い、書面に残しておくことが重要です。

出典:民法

第九百七条 共同相続人は、次条第一項の規定により被相続人が遺言で禁じた場合又は同条第二項の規定により分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

第二百五十三条 各共有者は、その持分に応じ、管理の費用を支払い、その他共有物に関する負担を負う。

引用:民法|e-GOV法令検索

建て替えの場合でも、解体費用の補助金は利用できますか?

はい、条件を満たせば利用できます。

取り壊す建物が古い耐震基準で建てられた木造住宅であったり、空き家の解体であったりすれば、利用できる可能性は高いと言えます。

建て替えもこれらの条件に合致すれば対象になる場合があるので、お住まいの市区町村のホームページで「解体 補助金」といったキーワードで検索してみてください。

解体費用と新築費用、住宅ローンは一本化できますか?

はい、多くの金融機関で一本化できます。

「解体費用一体型ローン」と呼ばれる商品や、住宅ローンに解体費用を上乗せする形で対応してもらえます。ただし、金融機関によって条件が異なるため、まずは取引のある銀行やハウスメーカー提携の金融機関に相談してみることをお勧めします。

解体ローンについては以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

【まとめ】まずは複数社から見積もりを取りましょう

家を解体する際の費用は、90万円〜420万円と幅があります。建物の構造や立地、残置物の有無、地中埋設物の状況などによって大きく変わるため、「何にいくらかかるのか」を把握して後悔のない選択をすることが大切です。

まずは2~3社以上の解体業者から見積もりを取り、費用だけでなく、説明の丁寧さ・対応力・信頼性を比較しましょう。場合によっては値引き交渉や工事の依頼時期を調整することで、さらに費用を抑えられることもあります。

理事 初田秀一

家の解体は費用も手間も大きなものです。だからこそ、よく分からないまま進めるのではなく、しっかり確認・比較・相談を重ねて、納得のいく解体を目指しましょう。

解体業者の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。

また、解体工事の進め方は以下の記事で詳しくご紹介しています。あわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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