解体工事に使う重機 種類や必要な資格、レンタル料金・購入費を解説

稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

この記事でわかること
  • 解体工事で使われる重機の構造や、サイズの違いがわかる
  • 各種アタッチメントの役割と現場ごとの使い分けがわかる
  • 重機のレンタル料金・購入費用の相場と、操作に必要な免許・資格の基礎知識がわかる

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

馬場 美月執筆

「スッキリ解体」専属ライター

馬場 美月(ばば みづき)

「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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解体工事の成功は「現場条件に適した重機のサイズ選び」と「用途に応じたアタッチメントの正しい組み合わせ」によって大きく左右されます。たとえば、狭小地では小回りの利くミニサイズが適しており、RC造の建物では高い破砕力を持つアタッチメントが必要になります。このように、現場に応じた「適材適所」の選択こそが無駄なコストを抑え、事故や近隣トラブルを防ぐための重要なポイントです。

この記事は、解体工事を検討している方や現場の基礎知識を知りたい方に向けて、重機の構造・サイズ別の特徴・アタッチメントの種類・費用相場・必要な資格までをわかりやすく解説します。

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目次
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重機の構造

解体工事で最も多く使われるのは、油圧ショベル(バックホー、ユンボ、ショベルカー)です。重機の構造は、大きく次の2つの部位に分かれます。

重機の構造の図解
  • ベースマシン(本体)
    オペレーターが乗る運転席と、移動を担うキャタピラー部分で構成されています。機種によっては落下物から運転席を守るガード(FOPS)や、上方の視認性を高めるチルトキャブ(傾斜運転席)など、安全性や作業性を向上させる装備が備えられているものもあります。
  • 作業装置(フロント)
    ブームやアームは人の「腕」にあたる部分で、標準タイプのほか、高層階まで届くロングアームなどがあります。先端に取り付けるアタッチメント(作業具)は人の「手」に相当し、付け替えることで、壊す・切る・掴むといった多様な作業に対応できます。

重機本体の種類(サイズ別)

油圧ショベルは、作業内容や現場に合わせて様々なサイズが使い分けられます。代表的なサイズと特徴は以下の通りです。

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サイズ全幅の目安全長の目安主な用途・特徴
ミニサイズ(0.1m3未満)約1.0m約4.0m狭小地や住宅の庭先など、極狭スペース用。
0.1m3(コンマイチ)約1.7m約4.5m住宅密集地の主力。手壊し解体の手間を軽減。
0.15m3(コンマイチゴー)約1.5m約4.7m4tトラックで運搬可能。小規模解体で重宝。
0.25m3(コンマニーゴー)約2.2m約6.0m一般的な木造住宅解体で最も多用されるサイズ。
0.45m3(コンマヨンゴー)約2.5m約7.3mRC造(マンション・工場)用。広い敷地が必要。
0.7m3(コンマナナ)約2.8m約9.4m大規模ビル・鉄骨造用。全長は10m近くに及ぶ。
大型サイズ機種により異なる機種により異なるロングアーム・ツーピースアーム・マルチブーム装着可能。高層ビルの解体などに使用。
運営者 稲垣

業界では油圧ショベルの大きさを「バケット容量(m3)」で表し、これを「コンマ」と呼びます。バケット容量とは、先端のバケット(スコップ部分)で一度にすくえる土やがれきの量を示した数値で、数値が大きいほど重機も大きくパワーがあります。

ここからは、数多くの解体現場に立ち会ってきたあんしん解体業者認定協会の初田理事の解説も交えながら、詳しく見ていきましょう。

初田 秀一 現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一 (はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

ミニサイズ(0.1m3未満)

ミニサイズ(0.1m3未満)

【全幅:約1.0m / 全長:約4.0m】
ミニサイズは、解体用重機の中で最も小さい重機です。建物前の道路・敷地の入口が極端に狭い現場や住宅の庭先、屋内での解体作業などで活躍します。従来は人力(手壊し)に頼らざるを得なかった極狭スペースの作業を、機械化・効率化するために欠かせない存在です。

理事 初田秀一

狭小地の現場では、「ミニサイズが入るかどうか」が一つの分かれ目になります。入れば機械で進められますが、難しい場合は手壊しの割合が増えていきます。ここは費用に差が出やすいポイントですね。

0.1m3(コンマイチ)サイズ

0.1m3(コンマイチ)サイズ

【全幅:約1.7m / 全長:約4.5m】
0.1m3(コンマイチ)サイズは、一般的な解体現場で使用される重機の中で、ミニサイズの次に小さい重機にあたります。都市部の住宅街など、隣地との間隔が狭い現場で主力となるサイズです。このサイズを投入できるかどうかで、手作業によるコスト上昇を抑えられるかが決まります。また、条件を満たせば「小型特殊免許」で公道を自走できるモデルもあり、機動力に優れている点も特徴です。

理事 初田秀一

戸建ての現地調査では、まず「0.1サイズが入るかどうか」を確認します。入れば作業の段取りが組みやすく、工期も費用も比較的安定します。逆に難しい場合は手作業が増えるため、見積金額は一段階上がることが多いですね。

0.15m3(コンマイチゴー)サイズ

0.15m3(コンマイチゴー)サイズ

【全幅:約1.5m / 全長:約4.7m】
0.15m3(コンマイチゴー)サイズは、0.1m3クラスよりもワンランク上の破砕力を持ちながら、4tトラックでの運搬が可能なサイズとして設計されています。道路幅の制約により大型トラックが進入できない現場でも搬入できる、最大クラスの作業能力を備えており、小規模な解体現場の作業効率向上に大きく貢献します。

0.25m3(コンマニーゴー)サイズ

0.25m3(コンマニーゴー)サイズ

【全幅:約2.2m / 全長:約6.0m】
0.25m3(コンマニーゴー)サイズは、日本の木造住宅解体において標準的で汎用性の高い重機です。柱や梁の引き倒しから、がれきの積み込みまでをスピーディーにこなせる十分なパワーを備えています。ただし、運搬には7t車以上の大型積載車が必要となります。

理事 初田秀一

木造2階建てなら、このクラスが入ると作業効率が一気に上がります。ただし、前面道路や搬入経路の条件によっては使えないこともあります。とくに道路幅が4mに満たないような密集地では、ひと回り小さいサイズを選ぶケースも少なくありません。

0.45m3(コンマヨンゴー)サイズ

0.45m3(コンマヨンゴー)サイズ

【全幅:約2.5m / 全長:約7.3m】
0.45m3(コンマヨンゴー)サイズは、木造住宅よりも頑強なRC造(鉄筋コンクリート造)のマンションや、中規模な工場・倉庫の解体で使用されるクラスです。機体重量があるため安定性が高く、強力なアタッチメントを装着して行う構造物の破壊を得意とします。その反面、運用には広い作業スペースが必要となり、大型トレーラーによる搬入路の確保が必須です。

0.7m3(コンマナナ)サイズ

0.7m3(コンマナナ)サイズ

【全幅:約2.8m / 全長:約9.4m】
0.7m3(コンマナナ)サイズは、全長が10m近くに及ぶ大型機で、ビル解体や公共性の高い大規模な土木・解体工事の現場で活躍します。構造物の上部解体や強固なコンクリート基礎の撤去など、負荷の大きい作業を短期間で完了させる能力を持っています。

大型サイズ

高所や複雑な建物構造の解体に対応するため、特殊なアーム機構を備えた大型サイズも存在します。

ロングアーム

ロングアーム

ロングアームは、標準仕様よりもアーム(腕)を長く延長した、高所作業に特化したモデルです。別名「ロングブーム」「ロングリーチ」「スーパーロングリーチ」とも呼ばれ、全長は約12〜18mのものが一般的です。マンションやアパートの上層階へ地上から直接アプローチできるため、安全性を確保しながら効率的に解体作業を進められます。

ツーピースアーム

ツーピースアーム

ツーピースアームは、アームの関節(接合部)を通常より1か所多く設けることで屈折角度の自由度を高めた仕様です。単にリーチを伸ばすだけでなく折りたたむような動きが可能なため、高層ビルの解体において狙った位置を的確に捉えられます。全長は15m以上に達するものもあります。

マルチブーム

マルチブーム

マルチブームは、現場の状況や建物の高さに合わせてアームの一部を交換・延長できる多機能な重機です。アームの関節が複数あるため、地上から40m〜50mの高さまで届きます。高層マンションや都市再開発における大型ビル解体の最前線で導入されています。

最新の重機

近年は、現場条件に合わせて使い分けられる多様な重機が登場しています。

0.1m3+ツーピースアーム

0.1m3+ツーピースアーム

0.1m3+ツーピースアームは、ミニサイズならではの小回りの良さを活かしつつ、ツーピース構造によって地上から住宅の2階部分へ直接アプローチできるのが特長です。そのため通常の0.1m3クラスではアームの長さが足りず、また大型のツーピースアームでは住宅密集地などの狭い敷地への搬入が難しい場面で力を発揮します。

アタッチメントの種類

重機の先端部分は「アタッチメント」と呼ばれ、用途に合わせて自由に取り替えられます。これにより、一台の重機が「壊す」「切る」「砕く」「選別する」といった多彩な役割を担い、木造からビルまであらゆる建物解体に対応が可能になります。

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アタッチメント名特徴・構造主な用途・得意な作業
フォーク(グラップル)「はさむ」動作に適した手のような形状躯体の解体・がれきの回収・廃棄物の細かい分別作業。
カッターペンチのような刃を持つ構造鉄骨やコンクリートの切断。鉄骨造やRC造の解体で活躍。
ブレーカー巨大な筒状の金属チゼル(ノミ)振動と打撃でアスファルト・コンクリート・岩石を粉砕。特に基礎解体に使用。
大割・小割圧砕機2本の爪で掴み、圧縮・曲げの力で破壊柱・梁・壁の破壊、コンクリートの粉砕・鉄筋の取り出しなどの分別作業(小割はより細かく粉砕)。
バケットスケルトンショベル部分が網目状(メッシュ)残土とコンクリート・岩石の分別、セメントのかく拌(ムラなく混ぜる)作業。

フォーク(グラップル)

フォーク(グラップル)

フォーク(グラップル)は、指先のように対象物を「掴む(はさむ)」動作を得意とします。建物の部材を引き剥がす作業はもちろん、散乱したがれきの回収や廃棄物を種類ごとに分ける「分別解体」など、細かな操作が求められる場面でも活躍します。

理事 初田秀一

分別解体が厳しく求められるようになってから、フォークの重要性はさらに高まったように感じます。現場で素材ごとにどれだけ丁寧に扱えるかで、最終的な処分費やリサイクル率が変わってきます。

カッター

カッター

カッターは、強力な油圧を利用して金属を切断する「巨大なハサミ」のようなアタッチメントです。ペンチ状の刃先で、頑丈な鉄骨やコンクリート内部の鉄筋もスムーズに断ち切れます。主に鉄骨造やRC造の解体現場で、金属部材を切断・撤去する際に欠かせません。

カッター
理事 初田秀一

鉄骨や鉄筋を無理に引きちぎると、構造の崩れ方が読みにくくなり、思わぬ方向に倒れる危険があります。現場では、カッターで確実に切断しながら順序立てて解体していくのが基本です。そのほうが結果的に安全ですし、作業も早く終わるケースが多いですね。

ブレーカー

ブレーカー

ブレーカーは、先端に金属製のノミ(チゼル)を装着し、強力な打撃と振動によって対象物を破壊するアタッチメントです。アスファルト・コンクリート・岩石などの硬い素材を効率よく砕けます。建物本体の解体後に行う、地中の基礎や土間コンクリートの破砕作業で特に力を発揮します。

大割・小割圧砕機

大割・小割圧砕機は、2本の強力な爪でコンクリートの柱・梁・壁などを挟み込み、圧力で押し潰して破壊するアタッチメントです。構造体を直接崩す「大割(画像左)」と、解体後のコンクリートを細かく砕き、内部の鉄筋を分離・回収しやすくする「小割(画像右)」を工程に応じて使い分けます。

大割・小割圧砕機
理事 初田秀一

RC造の解体では工程の組み立てが重要です。大割で安全に躯体を崩し、小割で鉄筋とコンクリートをきちんと分ける。この流れができている現場は作業もスムーズですし、処分費も安定しやすいですね。圧砕機の扱いが丁寧な解体業者ほど、工事後の現場もきれいに整っています。

バケットスケルトン

バケットスケルトン

バケットスケルトンは、バケットの底面や側面が網目(グリッド)状になった、ふるい分け作業に特化したバケットです。掘り起こした土砂の中から土だけを落とし、コンクリート片や石などの異物を残すため、残土と廃棄物を現場で素早く分別できます。この他、セメントのかく拌作業(ムラなく混ぜる作業)などにも使われます。

バケットスケルトン

重機のレンタル料金・購入費用相場

レンタル料金相場

日東レンタル株式会社が公表している「レンタル料金等早見表」を基にした、油圧ショベルの1日あたりの基本的なレンタル料金の相場は、約1万円〜3万円が目安となっています。

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サイズ1日あたりのレンタル料金相場(税別)
0.2m31万1,900円
0.25m31万4,100円
0.4m31万7,700円
0.7m32万8,900円

※上記料金は、補償料・基本管理料込みの目安です。
※実際のレンタル料金は、地域・稼働日数・付帯条件などによって変動します。

レンタルを検討される場合は、各レンタル会社へ直接お問い合わせください。

新品価格の相場

住友建機株式会社が2020年以降に発表した新型油圧ショベルの「新車購入価格」を基にした相場一覧によると、油圧ショベルの新品価格の相場は、約1,100万円〜4,300万円となっています。

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機種名サイズ新品価格(税別)
SH75X-70.28m31,130万円
SH125X-80.45m32,180万円
SH120-80.5m32,100万円
SH200-80.8m32,770万円
SH250-81.1m33,360万円
SH330-81.4m34,330万円

※実際の販売価格は、販売店・仕様オプション・為替・納入条件などによって変動します。

購入を検討される場合は、販売店またはメーカー窓口へ直接お問い合わせください。

中古価格の相場

主要な中古建機販売サイトの在庫データを基にした油圧ショベルの中古価格の相場は、約170万円〜が目安となっています。

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サイズ中古価格の相場(税別)
0.25m3未満約170万円〜450万円
0.25m3約230万円〜700万円
0.45m3約300万円〜1,200万円
0.7m3約350万円〜1,500万円
1m3以上約600万円以上

※上記相場は2026年1月時点の目安です。
※実際の価格は、メーカー・年式・稼働時間・仕様などによって変動します。

購入を検討される場合は、各販売店へ直接お問い合わせください。

重機の操作に必要な免許・資格

解体工事の現場で重機を扱うには、法律で定められた厳格なルールがあります。特に知っておきたいのは、「現場で作業するための資格」と「公道を走るための免許」はまったく別物だという点、そして2013年を境に法律が大きく変わっているという事実です。

「昔からやっているから大丈夫」という感覚が、思わぬ法令違反につながるケースも少なくありません。

現場で作業するための資格

解体現場で重機を操作するには、重機の機体質量によって必要な資格が分かれます。

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機体質量必要な資格対象となる重機の例
3t未満小型車両系建設機械の特別教育ミニショベルなどの小型重機
3t以上車両系建設機械(解体用)運転技能講習一般的な解体用油圧ショベル、解体アタッチメント装着機

機体質量が3t未満の小型重機の場合は「小型車両系建設機械の特別教育」で操作できますが、3t以上の重機を使用する解体作業では「車両系建設機械(解体用)運転技能講習」が必須です。

公道を走るための免許

解体用重機を現場まで自走させて公道を走る場合は作業資格とは別に、道路交通法に基づく運転免許が必要です。

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免許の種類対象となる車両の条件機体例
小型特殊免許
※代わりに普通・中型・大型免許でも公道走行が可能
・全長4.7m以下
・全幅1.7m以下
・全高2.8m以下
・最高速度15km/h以下
※すべて満たす必要あり
ミニショベル、ごく小型のホイールローダーなど
大型特殊免許上記「小型特殊」の条件を一つでも超える車両0.25m3クラス以上の油圧ショベル、ホイールローダー、大型クレーンなど

小型特殊免許(または普通・中型・大型免許)で運転できるのは、全長4.7m以下・全幅1.7m以下・全高2.8m以下・最高速度15km/h以下という条件をすべて満たす車両に限られます。この区分に該当するのはミニショベルや、ごく小型のホイールローダーなど解体現場でも一部に限られる小型重機です。

一方、上記の「小型特殊」の条件を一つでも超える車両を公道で走行させる場合は、大型特殊免許が必要になります。実際の解体現場で主に使用される0.25m3クラス以上の油圧ショベルやホイールローダー、大型クレーンなどの多くは、この大型特殊免許の対象となります。

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なお、公道を走行するためには、ナンバープレートの取得や自賠責保険への加入に加え、灯火類などの保安基準を満たしている必要があります。また、鉄製クローラー(キャタピラー)仕様の車両は、原則として公道を自走できません。

2013年の労働安全衛生規則改正

解体用資格について混乱が生じやすい背景には、2013年の労働安全衛生規則改正があります。

2013年6月までは、「解体用」の資格が明確に必要だったのはブレーカーのみでした。その他の重機については「整地・掘削用」の資格で操作されるケースも多く、法的な位置づけがあいまいでした。

しかし2013年7月以降はルールが厳格化され、鉄骨切断機(鉄骨カッター)・コンクリート圧砕機・解体用つかみ機(フォーク、グラップル)を使用した作業を行うには、「解体用」の資格が必須となりました。そのため、「整地・掘削用」の資格のみでこれらの機械を操作した場合は法令違反となります。

【FAQ】解体工事に使用される重機に関するよくある質問

「ハサミ」の正式名称はなんですか?

「ハサミ」の正式名称は用途によって異なり、木造解体用は「解体用つかみ機(フォーク、グラップル)」、鉄骨造・コンクリート造の解体用は「鉄骨切断機」や「コンクリート圧砕機」と呼ばれます。

木造住宅の解体では廃材を効率よく掴んで仕分けるため、グラップルが主に使用されます。一方でビルなどの強固な構造物を解体する際には、強力な油圧でコンクリートを噛み砕く圧砕機や、太い鉄骨をペンチのように切断する鉄骨カッターが使われます。

現場では「ハサミ」といった俗称で呼ばれることもありますが、見積書や契約書には正式名称が記載されるのが一般的です。

重機が入らない現場ではどうやって解体しますか?

重機が入らない現場では、職人が手持ち工具を使って人力で解体する「手壊し(てこわし)工法」で作業を行います。

バール・チェーンソー・ハンマーなどを使用するため、重機に比べて騒音や振動を抑えやすいのがメリットです。一方で作業人数が増え、工期も長くなりやすいため、費用は重機解体より高くなるのが一般的です。敷地条件によってはクレーンを使って小型重機を庭先へ吊り下ろし、手壊しと併用して作業を進めるケースもあります。

なお、「重機が入らない現場の解体工事」については以下の記事でより詳しく解説しています。あわせてご参考になさってください。

解体工事の騒音がうるさすぎる場合、警察に通報していいですか?

警察への通報も可能ですが、騒音・振動の根本的な解決を求めるなら市区町村の「環境課」や「公害担当窓口」へ相談するのが適切です。

環境省は解体工事における敷地境界線での規制基準値として、騒音は「85dB(デシベル)」、振動は「75dB(デシベル)」と定めています。警察が主に対応できるのは、違法駐車などの道路交通法違反や事件性があるケースに限られますが、市区町村の担当窓口であれば、これらの法的基準を超えているかを確認したうえで業者に対して改善勧告や命令を出す権限を持っています。

また、作業時間についても原則として午前7時から午後7時まで(1日最大10時間以内)とされており、日曜・祝日の作業は禁止されるなど同法に基づくルールが設けられています。近隣トラブルを避けるためにも、問題が続く場合は早めに自治体の窓口へ相談することが重要です。

解体工事の重機回送費はいくらくらいですか?

一般的な住宅解体で使用される重機の場合、回送費(運搬費)は往復で3万円〜5万円程度が相場です。

解体重機は公道を自走できないため、専用の積載トラックで現場まで搬入・搬出する必要があります。その費用は、業者と現場との距離や重機のサイズによって変動し、現場が遠い場合や大型の重機を使用する場合には、さらに高額になることがあります。

以下は、あんしん解体業者認定協会の過去事例に基づく見積書の画像です(※あくまで一例)。

重機回送費の見積もり

まとめ:現場に合った重機選びが解体工事を成功させる

解体工事で使用される重機は、建物の構造や敷地条件によって適したサイズや仕様が異なります。狭小地では小型機、一般的な住宅では中型機、RC造やビルの解体では大型機が用いられ、現場によってはロングアームや各種アタッチメントを組み合わせて作業が行われます。

また、重機のレンタル料金や購入費用は、メーカー・機種・装備内容などによって大きく変動します。レンタル・購入を検討する際は用途や使用期間を踏まえたうえで、各レンタル会社やメーカーに事前に相談・確認することが大切です。

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「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」

「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。

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