解体工事を分離発注するメリットは?費用が安くなる仕組みと注意点を解説

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稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

解体費用を安くする方法の一つとして、「分離発注」があります。
建て替え工事ではハウスメーカーに任せると手間は少ないものの、提示金額に疑問を感じ「自分で解体業者を探せば安くなるのでは」と考える方も多いでしょう。

結論から言うと、分離発注を活用すれば中間マージンを削減でき、解体費用を10〜30%程度抑えられる可能性があります。ただし、業者選びや工程管理、トラブル対応などを施主自身で行う必要があります。

この記事では、分離発注の仕組みや一括発注との違いをはじめ、メリット・デメリット、ハウスメーカーとの連携をスムーズにするポイント、住宅ローンでの注意点までわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 分離発注とは何か、一括発注との違いや費用構造の違いがわかる
  • 分離発注のメリット・デメリットがわかる
  • トラブルを防ぐための確認ポイントや、ハウスメーカーとの交渉方法がわかる
  • 分離発注でも住宅ローンを利用する条件や、使えない場合の対処法がわかる

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

酒巻 久未子執筆

「スッキリ解体」専属ライター

酒巻 久未子(さかまき くみこ)

「解体工事でお悩みの方に、同じ主婦の立場から実用的な情報をお届けします。」

数多くのお客様や業者様へのインタビューを通じて、お客様が抱えるリアルな悩みに精通。実際の解体工事現場での取材を重ね、特に「お金」や「近隣トラブル」といった、誰もが不安に思うテーマについて、心に寄り添う記事を執筆。子育て中の母親ならではの、きめ細やかな視点も大切にしている。

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目次
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分離発注とは

分離発注とは、建物の解体工事をハウスメーカーや工務店などの建築会社に一任せず、施主(注文者)が専門の解体業者へ直接依頼する方法です。

分離発注で中間マージン分を節約する

通常、家を建てる際は建築会社が解体から建築までを一括して請け負いますが、分離発注では「解体工事」と「新築工事」を切り分け、それぞれ別の業者と契約を結びます。
施主自身が解体業者を選定し、直接契約を締結することで、建築会社に支払う紹介料や管理費などを削減できるのが大きい特徴です。

解体工事の請負契約を締結する際は、建設業法第19条に基づき、工期や請負代金の額を記載した書面を相互に交付します。

出典:建設業法

(建設工事の請負契約の内容)
第十九条
 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

引用元:建設業法|e-Gov法令検索

一括発注との違い

一括発注と分離発注の主な違いは、契約の構造と費用の内訳にあります。

一括発注は、ハウスメーカーがすべての窓口となり、実務を行う下請けの解体業者を管理する形式です。
施主は契約手続きを一箇所にまとめられるため手間が省けますが、ハウスメーカーの利益となる管理費(工事費の10〜30%程度)が加算されるため、総額が高くなる傾向にあります。

対して分離発注は、施主が直接解体業者と契約するため、中間マージンが発生しません。その分、工事費用を安く抑えられますが、業者の選定や工事スケジュールの調整、近隣トラブルが発生した際の対応など、施主が負う負担が増えます。

一括発注と分離発注の違い

スクロールできます
項目一括発注分離発注
契約先ハウスメーカーのみハウスメーカーと各業者
費用中間マージンにより割高直接契約のため割安
施主の負担少ない多い
責任の所在ハウスメーカーが負う原則として契約した各業者が負う

ここからは『あんしん解体業者認定協会』で11万件以上の相談対応実績を持つ初田理事の見解をもとに、一括発注で注意すべき「費用の見方」について解説します。

初田 秀一 現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一 (はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

理事 初田秀一

一括発注では、工事の見積書が「一式」としてまとめて提示され、費用の内訳がわかりにくい場合が多いです。
そのため、どこまでが解体工事の実費にあたるのかを把握しづらく、結果として相場との比較が難しくなる傾向があります。

理事 初田秀一

ハウスメーカーが上乗せする費用は、工事全体の管理や品質保証のための「必要経費」の側面もあります。
ただ、その内訳が不透明であったり相場を大きく超えていたりする場合は、施主様が交渉する価値は十分にあるでしょう。

分離発注のメリット

解体費用が抑えられる

分離発注の場合、工事費用は一般的に10〜30%程度安くなる可能性があります。

ハウスメーカーへ一括発注した場合、実際に作業を行うのは下請けの解体業者であり、ハウスメーカーは「紹介料」や「現場管理費」などを見積もりに上乗せします。
施主が直接解体業者と契約を結べば、この中間マージンが発生しないため、同じ工事内容でも費用を安く抑えられます。

費用の内訳がわかりやすい

一括発注の見積書では「解体工事一式」と簡略化され、費用の内訳が不明瞭な場合があります。
一方、分離発注では「本体工事費」「付帯工事費」「廃棄物運搬処理費」などが項目ごとに記載されるため、工事内容が把握しやすくなります。

内訳が明確になることで、不透明な追加費用の発生を防ぎ、他社との比較もわかりやすくなります。

なお、正しい見積書の見方については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

業者に直接要望を伝えられる

現場を管理する業者と直接やり取りできるため、細かな要望も正確に伝えやすくなります。

一括発注の場合、施主の要望はハウスメーカーの担当者を介して伝達されるため、伝達ミスや認識のズレが生じる可能性があります。分離発注であれば、残したい樹木や境界ブロックの扱い、作業時間への配慮などを現場の責任者へ直接伝えられます。

その結果、現場に応じた柔軟な対応がしやすくなり、施工後のトラブル防止にもつながります。

分離発注のデメリット

業者選びの手間がかかる

法令を遵守し適切に施工を行う解体業者を、施主がゼロから探さなければなりません。

一括発注であれば建築会社が提携する業者に任せられますが、分離発注では優良な業者であるかを自ら確認し、複数の業者から見積もりを取り寄せて内容を精査する手間が発生します。

不適切な業者を選定してしまった場合、排出事業者としての責任を問われるリスクも施主が負う可能性があります。

優良な解体業者の選び方については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

スケジュール調整が難しくなる

分離発注では、解体工事と新築工事が別契約になるため、全体のスケジュール管理を施主自身が行う必要があります。
たとえば解体が終わったタイミングが遅れると、その後の地盤調査や基礎工事に影響が出てしまい、着工全体が後ろ倒しになるリスクがあります。

また、天候による遅延や追加工事の発生時には、解体業者とハウスメーカーの双方と調整を行う必要があります。
連携がうまく取れない場合、工程の調整が進まず、工事全体が遅れる可能性があります。

トラブル時の責任がわかりにくい

トラブル発生時に責任の所在が不明確になりやすく、施主が間に入って調整する必要があります。

分離発注で起こりやすい主なトラブルは以下の通りです。

  • 地中埋設物による追加費用の発生
    工事中に想定外の基礎や浄化槽が見つかり、追加費用を巡って調整が必要になる。
  • 近隣構造物の損傷と責任問題
    隣家の塀にひび割れなどが発生した際、どちらに非があるのかを巡って対応が難航する。
  • インフラ損傷と責任の押し付け合い
    水道管などの損傷時に、責任範囲を巡って意見が分かれる。
理事 初田秀一

過去には、新築工事が始まってすぐ地中埋設物が見つかり、追加費用が発生したケースがあります。解体業者に確認しても「工事中には確認できなかった」とされ、施主様が費用を負担する結果となりました。

理事 初田秀一

こうしたトラブルの多くは、関係者間の情報共有や事前確認の不足が原因です。あらかじめ建物図面や工事範囲を共有しておくことで、リスクを減らせます。

分離発注で解体費用を抑えられた事例

ここでは、分離発注によって解体費用が抑えられた事例をご紹介します。

埼玉県さいたま市見沼区の解体費用事例

■解体業者の見積書

見積書
見積書
見積書
工程表
見積書の書き起こしを表示する
品名数量単位単価金額
延床面積(木造2階建て33坪)3337,3861,233,740
建物養生費176650114,400
コンクリートブロック4m2170679
コンクリート土間27m22837,634
近隣清掃費18,000
重機回送費150,000
消費税113,157
合計1,527,610

■ハウスメーカーの見積書

ハウスメーカーの見積書
見積書の書き起こしを表示する
品名数量単位単価金額
養生シート200m2900180,000
木造 2階建て33.6235,0001,176,700
手壊し50.32m210,000503,200
基礎撤去60.6m21,50090,900
外構ブロック撤去120,000
土間コンクリート撤去130,000
ベランダ撤去130,000
階段撤去150,000
物置撤去120,000
ポート撤去120,000
アスベスト検査費140,000
重機回送235,00070,000
諸経費150,000
調整値引き-53,527
消費税222,727
合計2,450,000

実際に比較すると、解体業者の見積額は1,527,610円、ハウスメーカーの見積額は2,450,000円で、差額は約92万円でした。
同じ工事内容でも、依頼先によって費用に大きな差が出ることがわかります。

他にも、解体費用を抑えられた事例は多数ありますので、いくつかご紹介します。

神奈川県大和市の解体費用事例

解体費用が約50万円浮きました。

東京都大田区の解体費用事例

熊谷さんが解体工事を依頼するのは、実は今回が2回目でした。
1回目の解体工事では、見積もり依頼などを全てハウスメーカーに任せきりにしてしまい、解体費用が高額になってしまったのを後悔していました。

前回の反省を活かして解体費用を抑えたいと思っていた熊谷さんは、中野さんの話を聞いて、直接解体業者を探すことに決めました。

以前の解体工事より費用を抑えられた

埼玉県さいたま市の解体費用事例

ハウスメーカーにお願いするよりも70万円以上安く見積もりがでました。

理事 初田秀一

現場に携わる立場として、近年は分離発注を選択される施主様が増えていると実感しています。背景には、「少しでも費用を抑えたい」施主様の強いニーズがあります。

理事 初田秀一

これまでの事例でも、ハウスメーカーに一括で依頼するより数十万円単位で費用が下がるケースが見られます。他にも、過去に一括発注で高額になった経験から見直し、分離発注によってコストを抑えられたとの声もありました。

こうした事例からもわかる通り、分離発注は費用面で大きなメリットが期待できる選択肢として関心が高まりつつあります。

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ハウスメーカーとのトラブルを防ぐためのポイント

分離発注をスムーズに進めるには、ハウスメーカー側の不安を解消する提案が重要です。

ハウスメーカーが分離発注を懸念する理由

ハウスメーカーが分離発注を避ける理由は、次の通りです。

  • 工程管理の不確実性 面識のない業者が入ることで、解体工事の遅延が新築工事の着工に影響する。
  • 責任の所在が不明確 万が一、隣家への損害や地中障害物が発生した際、どちらの業者が対応すべきか判断が難しくなる。
  • 利益の減少 自社で請け負う際の管理費が得られなくなる。
理事 初田秀一

ただし、分離発注はコスト調整の手段として有効なため、多くの方が選んでいる方法です。
値段交渉をするよりも、分離発注を検討したほうが結果的に費用を抑えられる可能性があります。
建物本体の仕様や品質を優先する場合には、次の事例のようにハウスメーカーから提案されるケースもあります。

当初、小川さんはハウスメーカーに全てを任せるつもりでしたが、提示された見積金額が予算を超えてしまいました。
新築に関しては設計に強いこだわりがあり、予算を削るわけにはいきません。
そこで、ハウスメーカーの担当者から「分離発注」という方法を提案されました。

分離発注を認めてもらうためのポイント

ハウスメーカーに分離発注を提案する際は、「工期管理」と「責任範囲」を明確に示すことが重要です。具体的な対策を提示することで、交渉がスムーズになります。

  • 工程管理と安全対策を提示する
    解体業者に工程表(着工日・完了予定日・遅延時の対応)を提出してもらいます。あわせて、近隣挨拶や清掃などの安全対策も示し、現場管理への不安を解消します。
  • 法令遵守の体制を示す
    建設リサイクル法に基づく適切な対応(事前説明・完了報告)を行うことを約束し、書面で共有できる体制を整えます。
  • 責任範囲を明確にする
    解体範囲や地中障害物、近隣への損害時の責任について事前に整理し、「解体工事に関する責任は施主と解体業者が負う」ことを明確に伝えます。

【契約前に確認すべき】担当範囲のチェックリスト

業者同士のトラブルを防ぐには、担当する仕事の範囲を書面で明確にすることが重要です。
解体業者・ハウスメーカー・施主の三者で確認しておきましょう。

担当範囲のチェックリスト

  • 工事範囲の明確化 解体対象(建物・ブロック塀・庭石・樹木など)が図面で示されているか
  • 地中埋設物の対応 発見時の報告、費用負担、ハウスメーカーへの連絡手順が明記されているか
  • インフラの処理 水道・ガス・電気の停止手続きの担当と、メーター撤去範囲が明確か
  • 残置物の処分 家具・家電の処分が契約に含まれるか、別途費用の有無と単価は明確か
  • 近隣対応 挨拶の主体と、案内チラシを準備する担当者は誰か
  • 損害賠償保険 加入の有無と補償内容、保険証券を確認できるか

分離発注は住宅ローンが使える?

分離発注でも、住宅ローンを組める場合があります。多くの金融機関では、その解体が「新築工事を前提としたもの」であれば、建物本体の建築費と合算して融資対象とされます。

分離発注で住宅ローンを使うためのポイント

  1. 分離発注が可能な銀行を選ぶ
    すべての銀行が対応しているわけではなく、とくにネット銀行は一括発注が前提となるケースが多いです。地方銀行や信用金庫など、分離発注に対応している金融機関を選びましょう。
  2. 全体の管理責任者を明確にする
    発注先が分かれると責任の所在が曖昧になります。設計事務所や工事全体を管理する会社など、工事全体を統括する担当者を明確にしておくことが重要です。
  3. すべての請負契約書を提出する
    分離発注では業者ごとの契約書が必要になります。ローンに組み込む工事については、見積書や契約書を審査時に揃えて提出します。
  4. 本審査前に発注形態を確定させる
    本審査後に分離発注へ変更すると、契約金額の変更により再審査になる可能性があります。発注範囲は事前に確定させましょう。
  5. 分離発注分が住宅ローン対象か確認する
    工事内容によっては住宅ローンの対象外となる場合があります。外構や設備工事なども含め、融資対象に含まれるか事前に確認が必要です。

手続き上の注意点

  • 本審査後の変更は原則できない
    審査後に発注先や金額を変更すると再審査となり、融資が遅れる可能性があります。分離発注の範囲は本審査前に確定し、銀行に伝える必要があります。
  • 業者ごとの書類を揃える
    分離発注では業者ごとに契約書や見積書など、すべての書類を揃えて提出します。不備や遅れがあると審査が進まないため、各業者との調整が重要です。

また、請負契約書は建設業法の第19条に基づき、工事内容や金額、工期などの必要事項が記載された適正な書面で締結する必要があります。金融機関は、この契約内容をもとに融資可否を判断します。

出典:建設業法

(建設工事の請負契約の内容)
第十九条
 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。

引用元:建設業法|e-Gov法令検索

住宅ローンが使えない場合

住宅ローンが利用できない場合でも、解体費用を工面する方法があります。主な選択肢は次の通りです。

  • 銀行を変える
    ネット銀行や大手銀行では分離発注に対応していないケースがあります。地方銀行や信用金庫であれば、個別事情に応じて柔軟に判断してもらえる可能性があります。
  • つなぎ融資を利用する
    住宅ローンとは別に、解体費用をつなぎ融資で対応できないか銀行に相談する方法があります。
  • 分離発注分を別のローンで借りる
    住宅ローンの対象外となる部分は、解体ローンやフリーローンを利用する方法があります。住宅ローンとは別契約で借りるため、分離発注でも利用しやすいのが特徴です。

※つなぎ融資
住宅ローン実行前に必要となる土地購入費や解体費用などを一時的に借り入れ、後に住宅ローンで返済するための短期的な資金調達する方法を指す。

なお、解体ローンについては次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

【FAQ】解体工事の分離発注に関するよくある質問

分離発注をお願いした場合、ハウスメーカーの保証はどうなりますか?

ハウスメーカーの保証は自社で請け負った工事に限られ、分離発注した部分は保証対象外となります。

ハウスメーカーは自社が直接契約・管理していない業者の作業品質を担保できないため、分離発注を行うとその部分は保証から切り離されます。

解体工事を分離発注した場合、地中埋設物があったり整地が不十分だったりすることで新築工事に支障が出ても、ハウスメーカーはその責任を負いません。
これにより、後に建物本体の「不同沈下」などの不具合が生じても、原因が解体業者にあると判断されればハウスメーカーの保証が適用されない可能性があります。

ハウスメーカーに分離発注を相談するタイミングはいつがいいですか?

見積もりの段階で、工事請負契約を締結する前に相談してください。

契約締結後に解体工事などを分離発注へ切り替えると、ハウスメーカー側は予定していた利益が減少するほか、工程管理の再調整が必要になるため、拒否される可能性が高まります。
また、住宅ローンの本審査は契約書の金額に基づいて行われるため、契約後の金額変更は審査に影響が出る可能性があります。

ハウスメーカーに分離発注を断られた場合、どうしたらいいですか?

住宅ローンの安定性や工事全体の管理を優先し、一括発注を選ぶことも検討しましょう。

ハウスメーカーが分離発注を断る主な理由は、他業者が現場に入ることで発生する事故や工程遅延の責任所在が不明確になるリスクを回避するためです。交渉が決裂した場合、無理に分離発注を強行すると、現場でのトラブルや建物本体の保証対象外となるリスクが生じます。

分離発注での解体費用を、自治体の補助金制度で安くできますか?

対象物件が自治体の定める条件に合致し、かつ着工前に申請を行う場合に限り可能です。

多くの自治体では、耐震性の不足する古い建物の除却を促進するため補助金制度を設けています。
ただし、分離発注であっても「解体業者との契約前」に申請して交付決定を受ける必要があります。すでに工事が始まっている場合や、ハウスメーカーが一括で請け負う契約を結んでいる場合は対象外となります。

なお、補助金制度については次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

まとめ

分離発注は、ハウスメーカーを通さず専門業者と直接契約する方法です。中間マージン(10〜30%程度)を削減でき、解体費用を抑えやすい点が大きなメリットです。

一方で、施主自身が関与する場面も増えるため、事前の準備と調整が重要になります。次のポイントをしっかりとおさえましょう。

▼分離発注のポイント

  • 契約前に相談 ハウスメーカーとの建築請負契約前に、分離発注の意向を伝える。
  • 業者選定 自ら信頼できる解体業者を選び、明確な見積もりを取得する。
  • ローン調整 住宅ローンを利用する場合は、本審査前に分離発注分の契約書を銀行へ提出する。

また、工事範囲や責任の所在を書面で明確にし、業者間のトラブルを防ぐことも重要です。
分離発注は費用を抑えやすい方法なので、ぜひ検討してみましょう。

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