今回は東京都大田区で行われた「住宅密集地での解体工事」の事例をご紹介します。
運営者 稲垣前回の解体工事でハウスメーカー任せにして後悔した経験を持つKさん。今回は「重機が入らない狭小地」かつ「アスベスト含有」という難易度の高い現場でしたが、解体業者への直接依頼により、納得のいく解体工事ができました。
監修者
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
秋田 栞(あきた しおり)
「どんな専門的な情報も、『なるほど!』に変わる瞬間を大切に、解説します。」
複雑な情報を分かりやすく紐解くことを得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た最新知識を元に、読者の「なぜ?」「どうして?」を「わかった!」に変える記事を執筆。現場の職人さんが話す言葉と、お客様が使う言葉の橋渡し役となることを目指している。
大田区 32坪木造2階建て住宅の解体事例解説
解体依頼の背景
依頼主であるKさんは、自宅の建て替えに伴う解体工事を検討していました。
Kさんにとって解体工事は今回が2回目。以前の工事ではハウスメーカーにすべて任せてしまい、「費用が予想以上に高額だった」「土地の仕上がりが雑で、建て替え時にトラブルになりかけた」という経験がありました。
そのため今回は、「自分できちんと業者を選び、費用も内容も納得して進めたい」という強い思いから、自分で解体業者を探す「分離発注」を選択しました。
しかし、今回の現場は東京都特有の住宅密集地。隣家との隙間が狭く、重機が入るスペースがありません。さらに事前の調査でアスベスト(石綿)が使用されていると判明しました。
※分離発注とは
建て替えなどで解体から新築まで一括して依頼せず、解体は解体業者・新築は建築業者と分けて工事依頼すること。
解体工事のポイント
今回は、通常の解体工事とは異なり、高度な技術と手間が求められる現場でした。ポイントは以下の3点です。
- 「手壊し解体」による丁寧な作業
建物の前の道路が狭く重機が搬入できないため、職人が手作業で建物を解体する「手壊し」が必要でした。工期は長くなりますが、騒音や振動を最小限に抑えられるメリットがあります。 - アスベスト(石綿)の適正な処理
建材の一部にアスベストが含まれていたため、周囲への飛散防止対策を徹底しなければなりません。専門知識を持つ業者が、法令に基づき慎重に撤去作業を行う必要がありました。 - 「安さ」ではなく「根拠」のある見積もり
手壊しとアスベスト処理により、一般的な相場より費用は高くなりますが、「なぜこの費用がかかるのか(人件費や処分費の内訳)」を明確にし不安を解消してくれる業者に依頼するのがベストです。
運営者 稲垣解体業者を選ぶ際、住宅密集地やアスベスト対応のノウハウを持つ業者を選定できた事が工事の成功に繋がりました。
見積もりの結果
Kさんは2社に見積もりを依頼。当初「できるだけ安く」と希望していましたが、現場状況を見た解体業者からの見積もり結果は以下の通りでした。
- A社:235万円
「手壊しによる人件費の増加」と「アスベスト処理費」を明確に見積もり。リスクを隠さず説明し、近隣対策も万全にする提案あり。 - B社:195万円
一見安いが、「一式」でまとめた項目が多く手壊しの工数を甘く見積もっている懸念あり。追加費用のリスクが大きかった。
Kさんは信頼できそうなA社に解体工事を依頼しました。
A社の見積書

見積書比較のポイント
Kさんは金額だけであればB社に魅力を感じていましたが、現地調査の際に各業者へ疑問点をヒアリングをしていました。その結果、A社は手壊し解体の経験が豊富で、近隣への配慮(養生や挨拶)の説明が具体的だったためA社に依頼を決めました。
運営者 稲垣難易度の高い現場ほど、初回の見積もりが安すぎる業者は「工事中のトラブル」「不法投棄」「追加請求」のリスクが高まります。今回は分離発注で中間マージンをカットできた分、現場の安全と品質に費用をかけると判断されました。
施工中の現場写真
① 住宅密集地での養生・手壊し開始

隣家との距離が非常に近いため、隙間なく強固な養生シート(防音シート)を設置。重機が入れないため、屋根材や内装材を職人がバール等を使って手作業で剥がしていきます。粉塵が舞わないよう、散水も徹底して行います。
② 整地・引き渡し

建物がなくなった後、地中に埋まっていた古い配管やコンクリート片を手作業で丁寧に取り除きました。前回の解体で不満だった「整地の質」ですが、今回は小さな石ひとつ残さない美しい仕上がりとなり、ハウスメーカーの担当者も驚くほどでした。
アスベストの除去対応も狭小地の作業も、解体業者が適正かつ丁寧に進めてくれたおかげで不安なく完工できました。
お客様の声
「前回ハウスメーカーにお願いした時は、高い上に雑な対応で嫌な思いをしましたが、今回は分離発注にして大正解でした。正直、最初は「手壊し」や「アスベスト」で費用が上がると聞いて不安でした。でも、業者さんが「なぜ必要なのか」を現場を見ながら丁寧に教えてくれたので、納得してお任せできました。職人さんが毎日汗だくで廃材を運んでくださり、近所の方への挨拶もしっかりしてくれたおかげで、苦情も一切なく建て替えに進めました。ありがとうございました。」
Kさんは前回の経験を活かし、満足のいく解体工事を実現できました。
スッキリ解体からのアドバイス
今回は「重機が入らない狭小地」かつ「アスベスト除去」という、難易度の高い解体工事でした。
通常、ハウスメーカー経由でこのような難工事を依頼すると、ただでさえ高い工事費にさらに中間マージンが上乗せされ、見積もり金額を見て驚愕することも少なくありません。
- 重機が入れない場合、手壊しで工期と費用がどれくらい増えるか?
- アスベストの種類と処理方法は法令を遵守しているか?
- 近隣(特に隣家)との隙間に対する養生計画は十分か?
運営者 稲垣Kさんのように「費用がかかる理由」を正しく理解し、安さだけで業者を選ばなかったのが成功のポイントです。
特に手壊し解体は、職人の腕と良識が「近隣トラブルの有無」に直結します。分離発注で直接信頼できる業者を決めたことで、その業者が信頼できそうか感じ取れたのが良かったですね。
まとめ
今回の事例ではKさんのご希望通り、アスベスト処理を含めて約20日間で無事に工事が完了しました。
ポイントは、「前回ハウスメーカー任せにして後悔した経験」を活かし、「分離発注(直接契約)」を選択したことです。
手壊しやアスベスト処理にはどうしても費用がかかりますが、分離発注によってハウスメーカーの中間マージン(解体費用の約20〜30%)をカットできたため、「無駄なコストを省き、必要な安全対策に予算を充てる」という理想的なお金の使い方ができました。
また、複数社を比較検討し、金額の妥当性を把握できたことも安心に繋がりました。
運営者 稲垣東京都内の住宅密集地など、条件が厳しい現場こそ、業者選びで失敗できません。ぜひご希望の地域の優良な解体業者を探して、直接話を聞いてみてください。