今回は埼玉県鴻巣市で行われた区画整理に伴い、「大量の不用品処分を含む木造2階建て住宅の解体工事」の事例をご紹介します。
運営者 稲垣今回ご紹介するのは、自宅敷地の一部が県の区画整理の対象となり、「土地の返却期限までに不用品が残ったままの旧宅を取り壊したい」という案件。
現地調査時に解体範囲や不用品の処分方法を確認し、工期と費用を明確にしておくことが重要です。
監修者
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
鴻巣市 27坪木造2階建て住宅の解体事例解説
解体依頼の背景
依頼主であるIさんは、ご実家敷地内にある「旧宅(現在は物置として使用)」の解体を検討されていました。
同じ敷地内には母屋がありIさんもお住まいですが、今回壊すことになった旧宅には長年の荷物が2階までびっしりと詰まっていました。その量は4t車9台分にも及び、自力で片付けることはほぼ不可能でした。
土地が県の区画整理の対象となったことで返却期限が迫っており、「期限に遅れず、かつ大量の荷物処分を含めた費用を安く抑えたい」と希望されていました。
解体工事のポイント
期限が決まっている解体工事で大量の不用品処分をスムーズに終えるには、解体業者の「処分体制の整備」「工事範囲や段取りの明確化」が重要です。
- 不用品の処分ルートを持っているか?
今回のように不用品が多い場合、業者がスムーズな処分ルート(自社施設や提携先)を持っていないと、搬出作業だけで工期を圧迫してしまいます。 - 「残してほしいもの」の確認は徹底されているか?
敷地の一部を解体する場合は解体範囲が曖昧になりやすいです。庭木やブロック塀など、壊してほしくないものまで壊されるトラブルを避けるため、事前に確認が行われているかを確かめましょう。 - 具体的な工事計画の提示があるか?
工事の進め方や段取りが明確に示されているか、また工事中に地中埋設物や想定外の不用品が出てきた場合の対応方法まで計画に含まれているかを確認しましょう。
運営者 稲垣これらは見積書だけでは判断できません。過去の対応実績や現地でのヒアリングを通じて確かめましょう。
見積もりの結果
解体業者へ現地調査を依頼した結果、A社に提示された見積費用総額は244万7,567円でした。
A社の見積書
見積書の内容と選定のポイント
Iさんは、4tトラック9台分という大量の不用品の処分費用が負担になると感じていましたが、A社は見積もりの段階で「桐タンスなどの木製家具を資源としてリサイクルに回す」という具体的なコスト削減案を提示しました。また、土地の返却期限に間に合わせるための段取りも明確に示されていたことが安心材料となりました。
さらにA社は現地調査で車庫・電柱・樹木など「残すもの」を一つひとつ丁寧に確認し、図面に反映させていました。解体範囲を明確に示す誠実さも業者選定の決め手となりました。現地調査の際、残してほしい植木や門柱には事前に養生テープやマスキングテープを貼って『残す』と書いておくと業者への伝達ミスを物理的に防げます。
運営者 稲垣不用品が多い現場では搬出に手間がかかり、工期や費用が膨らみやすくなります。こうした条件だからこそ、再資源化できるものを分別するなど、処分費を抑える工夫ができる業者を選ぶことが重要です。
施工中の現場写真
① 不用品撤去

2階まで詰まった4t車9台分の荷物を搬出します。桐タンスなどを資源として仕分けることで、処分費用を抑えつつ効率的に運び出します。
② 養生・重機による躯体解体


解体前に、周辺住宅への粉じんや騒音の影響を抑えるための養生を行います。防音シートや飛散防止対策を施したうえで重機による解体を開始し、敷地内の母屋や車庫、電柱も傷つけないよう慎重に作業を進めます。
③ 廃棄物の分別

解体で出た廃材を種類ごとに分別し、適切に処理施設へ運びます。
④ 庭木の抜根


庭木は抜根することで区画整理後の土地利用に支障が出ず、残す母屋へのシロアリ被害も防げます。
⑤ 門柱の撤去

区画整理の条件に合わせて、指定された範囲の門柱も丁寧に撤去します。
⑥ 整地・引き渡し

解体後は土の中に細かい木くずやコンクリート片が残っていないかを入念に確認し、地面を平らにならして綺麗な更地に仕上げます。
不用品の処分も含めて工事は9日間で終わり、無事に土地を引き渡せました。
お客様の声
「区画整理の期限が迫る中、山のような不用品を前に途方に暮れていましたが、問い合わせから現地測量まで順調に進んだので安心して工事を見守れました。担当者様の感じも良く、予算内で最後まで丁寧に対応いただけました。」
Iさんは、行政との期限を守りながらも、不用品処分の不安を解消して納得のいく工事ができたことに大変満足されていました。
スッキリ解体からのアドバイス
今回Iさんは「返却期限を守る」ことでトラブルを避けようと努めました。
他にも区画整理に伴う解体・移転では、公的なルールに基づいた以下の点に注意が必要です。
- 補償金の支払い時期と割合は明確か?
自治体により異なりますが、一般的には契約後に約8割、解体完了(立ち退き完了)の現地確認後に残りの約2割が支払われます。自己資金の立て替えを最小限にするための資金計画を立てましょう。 - 抵当権者の同意は得られているか?
建物に抵当権が設定されている場合、原則として債権者(金融機関等)の同意がないと解体できません。事前に権利関係を整理しておく必要があります。 - 業者選定の方法は整理できているか?
自分で移転しない場合、行政が代行する「直接施行」という選択肢もありますが、その場合は補償金が支払われません。信頼できる業者を自分で探し、補償金の範囲内で賢く解体するのが一般的です。
運営者 稲垣Iさんの事例では、行政と補償条件や施工範囲を事前に確認したうえで、着工前に行政担当者・施主・解体業者の三者で現地確認を行っていました。
制度面の整理に加え、現地で「何を壊し、何を残すか」を共有しておくことが区画整理地でのトラブル防止につながります。
まとめ
今回の解体事例ではIさんの希望どおり、不用品処分を含めて区画整理の返却期限内に完工できました。
ポイントは、「土地の返却期限を意識しつつ、大量の不用品処分に特化した業者を選んだこと」です。事前に処分費や工期などの不安要素を解消できたことで、スムーズな解体を実現できました。
運営者 稲垣単に「期限内に解体する」という視点だけでなく、現場の条件に応じて作業効率を最適化することが、安心かつスムーズな工事につながります。

