今回は神奈川県川崎市で行われた「混合造(鉄骨・木造・軽量鉄骨)の住宅3棟の解体工事」の事例をご紹介します。
運営者 稲垣今回のケースは、異なる構造が混在する「混合造」かつ「3棟同時」という非常に難しい事例でした。構造が複雑な場合、見積もりの精度が工期の長さや追加費用の有無を左右します。
監修者
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
秋田 栞(あきた しおり)
「どんな専門的な情報も、『なるほど!』に変わる瞬間を大切に、解説します。」
複雑な情報を分かりやすく紐解くことを得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た最新知識を元に、読者の「なぜ?」「どうして?」を「わかった!」に変える記事を執筆。現場の職人さんが話す言葉と、お客様が使う言葉の橋渡し役となることを目指している。
川崎市 60坪混合造3棟の解体事例解説
解体依頼の背景
依頼主のMさんの実家は、お母様が亡くなってから数年間、手つかずの空き家状態でした。家財道具も当時のまま残されており、次第に近隣から「野良猫が住み着いて困っている」という苦情が入るようになってしまいました。
Mさん自身は別に持ち家があり、今後この実家を使う予定はありません。空き家を放置し続けると、放火の恐れや建物の倒壊、さらには固定資産税が最大6倍になる「特定空家」に指定されるリスクもあります。Mさんは将来の不安を解消するため、思い切って更地にする決意をしました。
解体工事のポイント
今回解体するのは、同じ敷地内に建つ「鉄骨造」「木造」「軽量鉄骨造」の計3棟です。このように複数の構造が入り混じっている場合、以下の点が重要になります。
- 構造の複雑さによる測量の難航
構造が異なる建物が隣接しているため、境界線や構造の繋ぎ目が分かりにくく、正確な測量(現地調査)に時間がかかります。 - 廃材の分別シミュレーション
廃材は法律で分別が義務付けられています。鉄骨、木材、プラスチックなど、構造ごとに発生する廃棄物が異なるため、これらをどう効率よく分別・運搬するかでコストが変わってきます。 - 見積もりを断られるリスク
実際に今回も3社に相見積もりを依頼したところ、1社からは「構造が複雑すぎて正確な見積もりができない」とお断りされてしまいました。それほど、手間・時間・費用がかかる難しい工事という心づもりをしましょう。
相見積もりの結果
3社に見積もり依頼をしたところ、そのうち1社からは構造の複雑さからお断りされてしまいました。他2社は時間がかかりましたが無事見積もりがもらえました。比較した結果、総額は「A社490万円」「B社513万円」でした。金額だけ見ればA社が安かったのですが、MさんはB社を選びました。
A社の見積書
総額は安いですが、「一式」という表記が多く、具体的にどの建物にどれだけの費用がかかるのか、廃棄物の量があいまいでした。業者からも「やってみないと廃材の量は正確にはわからない」という説明があり、後からの追加費用が懸念されました。

B社の見積書
B社はA社より30万円高かったのですが、内訳がとても明瞭でした。鉄骨造、木造、軽量鉄骨造それぞれの解体単価と、想定される廃棄物量が詳細に記載されていました。「複雑な部分は手作業で行い、確実に分別をしてリサイクル効率を上げ、最終的な追加リスクを抑える」という具体的な提案が決め手となりました。
見積書比較のポイント
Mさんは金額の差以上に「安心感」を重視しました。混合造の場合、機械で一気に壊すと廃材が混ざり、処分費用が高騰するリスクがあります。B社はあえて「手壊し」を工程に組み込み確実に分別を行えるようにし、近隣への振動や騒音も最小限に抑える計画を立ててくれたため、「大切な実家を預けるなら……」とB社に依頼を決めました。
運営者 稲垣単に安い業者を選ぶのではなく、「なぜこの金額になるのか」という根拠が明確な業者を選ぶことが、トラブルを防ぐポイントです。また、見積もりから丁寧な業者は、その後の解体工事も安心して依頼できるでしょう。
施工中の現場写真
① 許可票の掲示

解体工事が始まる前には許可証を見やすい場所に掲示します。
②養生の設置

3棟それぞれを囲うように頑丈な養生シートを設置。近隣との距離が近いため、埃が舞わないよう細心の注意を払います。
③ 重機による解体
重機を使う前は、廃材の分別を兼ねながら手作業で解体をすすめます。その後いよいよ重機を投入します。木造、鉄骨造とそれぞれ解体の仕方が異なるため、熟練のオペレーターが周囲の安全を確認しながら慎重に進めます。
④ 整地・引き渡し

基礎コンクリートを撤去し、地中に廃材が残っていないか入念に確認します。最後は地面を平らにし完工です。
お客様の声
「母が亡くなってからずっと気になっていた空き家だったので、更地になったのを見て本当にホッとしました。3棟もあって構造もバラバラだったので、最初は断られたりもして不安でしたが、B社さんは工程を細かく説明してくれたので安心してお任せできました。猫の苦情もなくなり、近所の方からも「綺麗になったね」と声をかけてもらえて、解体して本当に良かったです。」
Mさんは長年気がかりだった実家を無事解体でき、心の安心も得られたと大変満足されていました。
スッキリ解体からのアドバイス
今回の工事が無事に終わったのは、Mさんが「安さ」だけでなく「工程や内訳の透明性」を重視して業者を選んだからです。
- 現地調査に時間をかけているか
複雑な構造を把握するためには、入念な調査が必須です。 - 廃棄物の分別計画があるか
混合造は分別が重要です。どう仕分けるかの説明を求めましょう。 - 追加費用の条件が明確か
「一式」見積もりではなく、万が一の際の見積もり根拠を確認しましょう。
運営者 稲垣混合造の解体は、業者によって得意・不得意がはっきり分かれます。複数の構造を一度に解体する場合、今回のように「手作業」と「重機」を適切に使い分けられる経験豊富な業者選びがポイントです。
まとめ
今回の川崎市の事例では、3棟の混合造という難しい現場でしたが、約25日間で無事に更地へと生まれ変わりました。
空き家放置は、近隣トラブルや防災上のリスク、税負担の増大など、所有者にとってデメリットしかありません。構造が複雑で他社に断られたようなケースでも、誠実な業者を見極めると納得のいく解体工事ができます。
運営者 稲垣「うちの実家は複雑だから…」と諦める前に、まずは現地を見てもらい、納得のいく説明をしてくれる解体業者を探しましょう。不安があれば、いつでも「スッキリ解体」にご相談ください。



