今回は埼玉県坂戸市で行われた「見積書の細かい内容と実際の解体工事を照らしあわせた」事例をご紹介します。
運営者 稲垣今回ご紹介するのは、「詳細な見積書の内容をプロに頼りながら詳しく読み解いた」という案件。
疑問や不明点を感じたら、都度質問して解消していくことがポイントです。
監修者
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
坂戸市 48坪木造2階建て住宅の解体事例解説
解体依頼の背景
坂戸市在住のSさんは、実家の建て替えにあたり解体工事を検討。
依頼する解体業者は決めていましたが、送られてきた見積書の内容が細かく専門的で、何の費用を指しているのかまったく分かりませんでした。
大切な実家の建て替え。自分でもしっかり納得して工事を進めたいとSさんは動きました。
解体工事のポイント
解体業者が発行する見積書は書式が統一されていません。同じ内容を指していても表記が異なったり、細かく内訳を出す業者もいれば、「一式」でまとめる業者もいます。
- 項目が細かい見積書は対応が丁寧な証
細かい見積書はどこにどのくらい費用がかかっているかや、対象範囲など内訳が明瞭です。
運営者 稲垣「一式」という単位自体は、どの業者でも使用しています。「一式」があるから気をつけるのではなく、「一式」ばかりで内訳や範囲がわからない見積書には注意が必要です。
見積もりの結果
Sさんが実際に受け取った見積書を見てみましょう。
A社の見積書
今回の見積書は3枚で1セットでした。記載の各項目について解説していきます。
見積書理解のポイント
1.解体作業費と廃材の処分費(本体工事費)

解体費用で最も大きな割合を占めるのが「解体作業費」と「廃材の処分費」です。
解体業者によると、この見積書では赤枠の「建物解体工事」と「延床面積」の項目にまとめられているそうです。また、この164万のうち大体半分くらいが廃材の処分費に充てられているそうです。
運営者 稲垣最近では社会的な値上げの影響を受け、廃材の処分費も高騰しています。解体工事を行う時期(繁忙期・閑散期)や、解体業者が利用する処分場によっても廃材の処分費が異なります。
1-1.建物土台部分の構造


解体作業費と廃材の処分費について、もう一つ重要なポイントがあります。それは、建物の土台部分にあたる基礎の構造です。
- 布基礎
一般的な基礎。建物を線・点で支える。(布基礎) - ベタ基礎
床下全体をコンクリートで覆う基礎。建物を面で支える。
見積書を見ると、赤枠に布基礎の記載があります。もしベタ基礎だった場合は、追加作業費と追加処分費が発生します。基礎の構造は、実際に解体工事を進めてみないと分からないケースもあります。可能であれば、測量時に床下収納庫(キッチンや洗面所にある点検口)の場所を教え、蓋を開けて中を確認してもらいましょう。
2.建物養生費

解体工事では大量のホコリと騒音が発生するため、解体現場の近隣に建物がある場合は必ず養生シートを張って作業します。その費用は、「建物養生費」の項目に記載されています。
解体工事で最も多い苦情はホコリに関するものです。未然にトラブルを防ぐためにも、解体工事の際は養生シートをしっかり張ってもらうようにしましょう。
3.付帯工事

「付帯工事」とは、建物以外の撤去にかかる費用を指します。つまり、建物そのものを壊す以外のほとんどの作業が含まれます。
この見積書では、樹木の抜根や土間コンクリートの処分費用が含まれていました。他にも、ブロック塀やカーポートの撤去も付帯工事の対象となります。
運営者 稲垣本体工事費と付帯工事費を分けて見積もりしている業者は、きちんと建設リサイクル法を遵守し廃材を分別対応している優良業者である可能性が高いです。
4.手壊し

「手壊し」とは、手作業で建物を壊す際に発生する追加費用です。解体現場付近の道幅が狭くて重機が使えない場合などに手壊しが採用されます。重機による解体と比べると、手間がかかり人件費も増えるため、費用は高額になります。
今回は隣の家との距離が近かったため、建物など全てを重機で壊すと瓦礫(がれき)が飛んで近隣トラブルになる恐れがありました。そのためデリケートな部分は手作業で対応したようです。
運営者 稲垣付近の道幅が狭い場合、重機が現場に入れず全て手壊しになるケースもあります。測量の際には付近の道幅も確認してもらいましょう。
5.その他処分費

Sさんの庭には2台の物置があり、その撤去費用が追加でかかりました。
物置自体はそれほど大きくありませんでしたが、自分で処分するのは手間だったため、解体業者に廃材と一緒に処分してもらったそうです。家電や家財など内容によってはあらかじめ自分で処分したほうが費用を抑えられます。
6.近隣の清掃費

近隣清掃費の主な内訳は水道代です。解体工事で出る大量のホコリを散水して抑えるためや、現場周辺の清掃のために水道を使用します。
常に現場周辺をきれいに保つことで、近隣トラブルの防止になります。
7.重機回送費

解体工事で使用するクレーンなどの重機は、トラックで現場まで運搬されます。重機の運搬にかかる費用は、主に運転手の人件費やガソリン代が含まれます。また解体業者によっては重機がリース品の場合もあり、その際はレンタル料が別途かかる場合があります。今回依頼した解体業者は自社で重機を保有していたため、レンタル料は発生しませんでした。
運営者 稲垣現場から解体業者まで距離があるとその分の料金もかかります。一般的な住宅解体であれば2万~5万円程度が相場です。もし10万円近く計上されている場合は、解体業者に内訳を聞いてみましょう。
施工中の現場写真
①足場と養生シートの設置

はじめに建物の周りに足場と養生シートを張ります。
②廃材の分別

解体工事で排出された廃棄物は、建設リサイクル法という法律に基づき、分別して処分場に運ばれます。
③重機での解体作業

解体工事で使用する重機は、クレーンの先端が特殊な形をした特別仕様です。このため普通の重機と比べて、家屋をより効率的に撤去できます。
④施工後の様子

家屋の撤去後は整地され、きれいな更地になりました。
お客様の声
「解体業者さんを自分で手配すると決めたときは不安でしたが、見積書の内容も丁寧に教えてもらえたので何も心配いりませんでした。」
解体業者が見積書の各項目を丁寧に説明してくれたおかげで、Sさんは費用の内訳をしっかり理解できました。見積もり金額にも十分納得できたため、安心して完工できました。
スッキリ解体からのアドバイス
今回のSさん宅は、一般的な戸建てよりも大きいため費用も比較的高額でした。大きな出費をする際、「きちんと状況を把握して納得してから契約・工事を進めたい」というSさんの判断は正解でした。
見積書を取ったらプラスで確認すると良いポイントをお伝えします。
- 追加費用についての説明が書いてあるor業者から説明があったか
解体工事は追加費用の可能性があります。その部分について業者に確認しておくと、後に費用が増える心づもりと費用の準備ができます。 - 対応範囲を詳しく確認しておく
付帯工事をどの範囲まで対応してもらうのか、仕上げはどのレベルまで対応して完工とするのか、詳しいイメージを解体業者と共有しておきましょう。認識の齟齬の防止につながります。
まとめ
今回は一般的な住宅より規模が大きく、費用も高額な事例でした。しかし、依頼主が内容を正しく把握したことで不安が解消され、納得のいく形で工事を終えられました。
ポイントは、「見積書の項目をしっかりと把握したこと」です。
項目の内訳をしっかり理解し納得して進めたことで、安心して解体工事ができました。
運営者 稲垣安心して解体工事を行うためには、ご自身に合った解体業者選びが大切です。ぜひご希望の地域で解体業者を探してみてください。


