この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
- 残置物の撤去費用の相場と、費用を左右する4つの要素がわかる
- 残置物の撤去費用を抑える4つの方法がわかる
- 補助金の活用方法や、残置物の処分に関する注意点がわかる
解体工事を控えている方の多くが頭を悩ませるのが、室内に残された家具や家電などの「残置物」の扱いです。
「家庭ゴミのようなものだから、解体のついでに安く片付けてもらえるだろう」と考えていると、残置物の量や種類によっては想定以上の撤去費用がかかることがあります。
そこで、本記事では11万件以上の解体ユーザーからの相談実績を持つ「あんしん解体業者認定協会」の全面的な監修のもと、解体工事における残置物の基本知識や撤去費用相場、安く抑える方法まで詳しく解説します。
監修者
現場解説一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一(はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。近年は解体の前段にある空き家問題(管理・解体・補助金・税制)にも取材領域を広げている。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
馬場 美月(ばば みづき)
「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」
「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。
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解体工事における残置物とは?

解体における残置物とは、建物の中に残された家具・家電・衣類・日用品などの総称です。長年人が住んだ住宅には多くの家財道具が残っているケースが多く、解体作業に取り掛かる前にこれらを処分する必要があります。
「残置物は普通の家庭ゴミのようなものだから、解体工事のついでに無料で処分してもらえるのでは?」と思われるかもしれませんが、それは大きな誤解です。
原則として、解体業者が行うのは「建物本体の解体」であり、室内にある家具やゴミを片付ける作業は含まれていません。そのため解体業者に残置物の処分を依頼した場合は、解体工事の費用とは別に残置物の撤去費用(オプション費用)が発生します。
【専門家に聞いた】なぜ業者に頼むと高額な撤去費用がかかるの?
「残置物もまとめて解体業者に丸投げ」してしまうと、思わぬ追加費用で工事総額が数万円〜数十万円も跳ね上がってしまうケースが珍しくありません。
なぜ解体業者に処分を頼むとそこまで高くなってしまうのか、その理由を「あんしん解体業者認定協会」で解体現場に携わるプロフェッショナルの初田理事に解説していただきました。
現場解説
一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一 (はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
運営者 稲垣普通の家庭ゴミなのに、なぜ解体業者に頼むと撤去費用が高くなってしまうのでしょうか?
理事 初田秀一主な理由は、「自治体のゴミ収集」と「業者による処分」では費用の仕組みが根本から違うからです。
理事 初田秀一ご自身でゴミを処分する場合は自治体の行政サービスを利用するため、処分にかかる費用の一部が税金でまかなわれています。一方で業者に依頼すると作業員の人件費・処分費・運搬費などがかかるため、その分だけ費用が高くなります。
| 処分方法 | 処分の仕組み |
|---|---|
| 自分で処分 | 行政サービス(税金が使われる) |
| 業者に依頼 | 民間サービス(費用は自己負担) |
残置物の撤去費用相場
では、実際に解体業者へ依頼するとどれくらいの費用がかかるのでしょうか。
残置物の撤去費用は1m3あたり1万2,000円〜が目安で、物件の広さや荷物の量によって2万円〜30万円程度が相場です。以下に、「戸建住宅」と「マンション・アパート」それぞれの詳しい費用相場をまとめました。
戸建住宅の場合
戸建住宅の残置物の撤去費用は、建物が大きくなるほど高くなる傾向があります。例えば20〜30坪程度の場合は10万円〜20万円、30〜40坪の場合は15万円〜30万円が費用の目安です。
| 建物の規模(坪数) | 費用相場の目安 |
|---|---|
| 〜20坪程度 | 2万円〜15万円 |
| 20〜30坪程度 | 10万円〜20万円 |
| 30〜40坪程度 | 15万円〜30万円 |
| 40坪以上 | 25万円〜40万円以上 |
※解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年〜2025年7月の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※「タンス数点やベッドのみ」など少量の場合は、坪数に関わらず2万円〜5万円程度で済むケースもあります。
※物置・庭回り・屋根裏まで荷物が満杯の場合や、ゴミ屋敷状態の場合は相場を超えることがあります。
マンション・アパートの場合
マンションやアパート(内装解体・原状回復など)の場合の撤去費用は、一般的に1DK・1LDKの場合は6万円〜15万円、2DK・2LDKの場合は10万円〜25万円が目安です。
| 間取り | 費用相場目安 |
|---|---|
| 1R・1K | 3万円〜8万円 |
| 1DK・1LDK | 6万円〜15万円 |
| 2DK・2LDK | 10万円〜25万円 |
| 3DK・3LDK | 20万円〜35万円以上 |
※解体費用相場は『あんしん解体業者認定協会』が保有する、2020年〜2025年7月の解体工事データ30,000件以上を基に算出しています。
※エレベーターがなく階段での手降ろし作業が発生する場合や、家電リサイクル対象品(エアコン・冷蔵庫・洗濯機等)が含まれる場合は別途費用が加算されることがあります。
残置物撤去の見積もり事例
事例1:長野県下伊那郡の住宅(約21坪)の残置物撤去

見積書の書き起こしを表示する
| 名 称 | 数 量 | 単 位 | 単 価 | 金 額 |
|---|---|---|---|---|
| 1. 解体作業費 積込搬出共 | ||||
| 木造2階建 内部解体 | 69.3 | m2 | 3,300 | 228,690 |
| 木造2階建 上屋解体 | 69.3 | m2 | 9,800 | 679,140 |
| 木造2階建 基礎解体 | 69.3 | m2 | 4,800 | 332,640 |
| 2. 解体廃材運搬処分費 | ||||
| 運搬費 | 1.0 | 式 | 480,000 | 480,000 |
| 処分費 | 1.0 | 式 | 665,000 | 665,000 |
| 3. その他 | ||||
| 内部不用品積込運搬処分 | 6.0 | m3 | 19,500 | 117,000 |
| 重機回送 | 1.0 | 台 | 110,000 | 110,000 |
| 諸経費 資器材使用、現場管理等 | 1.0 | 式 | 250,000 | 250,000 |
| 値引き | -2,470 | |||
| 小計 | 2,860,000 | |||
| 消費税 | 10 | % | 286,000 | |
| 合計 | 3,146,000 | |||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 残置物の撤去費用総額 | 税抜11万7,000円 |
| 構造 | 木造2階建て/住宅 |
| 坪数 | 約21坪 |
| 残置物の数量 | 6m3 |
| 撤去費用の単価 | 1万9,500円/m3 |
事例2:新潟県新発田市の住宅(約34坪)の残置物撤去
見積書の書き起こしを表示する
| 名称 | 仕様・規格 | 単位 | 数量 | 単価 | 金額(円) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1, 仮設工事 | ||||||
| 飛散防止養生 | メッシュシート・組払い損料共 | m2 | 65.52 | 1,200 | 78,624 | 道路側1面掛け |
| 2, 解体工事 | ||||||
| 【木造住宅】 | ||||||
| 木造 建屋解体 | 内外装含む 分別・積込 | m2 | 113.02 | 5,100 | 576,402 | 床面積34.25坪 |
| 上記 基礎解体 | 分別・積込 | 〃 | 113.02 | 1,500 | 169,530 | |
| 廃棄物運搬処理 | 木くず・コンクリート 他 | 式 | 1 | 360,000 | ||
| 【木造倉庫】 | ||||||
| 木造 建屋解体 | 分別・積込 | m2 | 34.65 | 4,500 | 155,925 | 床面積10.5坪 |
| 上記 基礎解体 | 分別・積込 | 〃 | 34.65 | 1,300 | 45,045 | |
| 廃棄物運搬処理 | 木くず・コンクリート 他 | 式 | 1 | 90,000 | ||
| 【物置小屋】 | ||||||
| 木造 建屋解体 | 分別・積込 | m2 | 16.5 | 4,500 | 74,250 | 床面積5坪 |
| 上記 基礎解体 | 分別・積込 | 〃 | 16.5 | 1,300 | 21,450 | |
| 廃棄物運搬処理 | 木くず・コンクリート 他 | 式 | 1 | 50,000 | ||
| 3, 付帯工事 | ||||||
| 住宅・倉庫内 残存物品処理 | 運搬処分共 | m3 | 7 | 28,000 | 196,000 | |
| 4, その他 | ||||||
| 仮設水道費 | 名義変更・水栓立上げ | 式 | 1 | 35,000 | ||
| 機械工具損料費 | 発電機・電動工具 他 | 〃 | 1 | 13,000 | ||
| 重機回送費 | 回 | 2 | 25,000 | 50,000 | ||
| 諸経費 | 諸官庁届け出・必要書類含む | 式 | 1 | 184,774 | ||
| 小計 | 2,100,000 | |||||
| 消費税額 | % | 10 | 210,000 | |||
| 合計 | 2,310,000 | |||||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 残置物の撤去費用総額 | 税抜19万6,000円 |
| 構造 | 木造2階建て/住宅 |
| 坪数 | 約34坪 |
| 残置物の数量 | 7m3 |
| 撤去費用の単価 | 2万8,000円/m3 |
事例3:長野県伊那市の住宅(約51坪)の残置物撤去

見積書の書き起こしを表示する
| 品 名 | 数 量 | 単 位 | 単 価 | 金 額 |
|---|---|---|---|---|
| 木造2階住宅解体工事(砕石引き込) | 170 | m2 | 11,000 | 1,870,000 |
| 足場単管養生シート設置 | 200 | m2 | 1,400 | 280,000 |
| カーポート屋根のみ撤去 | 1 | 式 | 50,000 | 50,000 |
| 残存物処分(建物内・床下) | 30 | m3 | 14,000 | 420,000 |
| 重機回送費 | 1 | 式 | 120,000 | 120,000 |
| 外壁リシン材石綿検査 | 1 | 式 | 50,000 | 50,000 |
| 解体リサイクル書類申請 | 1 | 式 | 10,000 | 10,000 |
| 基礎コンクリート・鉄骨スラブ撤去処分 | 130 | m2 | 6,000 | 780,000 |
| カーポート土間コンクリート撤去処分 | 15 | m2 | 10,000 | 150,000 |
| 立木抜根 | 5 | m3 | 6,000 | 30,000 |
| 簡易物置処分 | 1 | 式 | 30,000 | 30,000 |
| 小計 | 3,790,000 | |||
| 消費税等 | 10 | % | 379,000 | |
| 合計 | 4,169,000 | |||
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 残置物の撤去費用総額 | 税抜42万円 |
| 構造 | 木造2階建て/住宅 |
| 坪数 | 約51坪 |
| 残置物の数量 | 30m3 |
| 撤去費用の単価 | 1万4,000円/m3 |
残置物撤去の費用を左右する4つの要素
残置物の撤去費用は単に部屋の広さだけで決まるわけではなく、主に以下の4つの要素によっても変動します。
- 物量
- 搬出環境
- 品目の種類
- 作業員の人数と作業スケジュール
要素1:物量
残置物の撤去費用は、荷物の総量(m3)によって大きく変動します。処分する物量が増えるほど、「手配するトラックの台数(運搬費)」「作業員の人数や時間(人件費)」「処分場への持ち込み費用(処分費)」などが膨らむためです。
【専門家に聞いた】「荷物が少ない=安くなる」とは限らないのはなぜ?
「家具が2〜3点だけなら、数千円程度で格安に片付けてくれるのでは?」と思われがちですが、実はそうとは限りません。その理由を「あんしん解体業者認定協会」の初田理事に伺いました。
理事 初田秀一業者を手配する以上、たとえ家具1点でも「トラック1台分の出車費用+作業員の人件費」という最低限の基本料金が発生してしまうためです。
理事 初田秀一また、残置物の処分費は重さではなく「体積(かさ)」で計算されるため、空っぽの大きな家具でもトラックの荷台スペースを大きく埋めてしまいます。そのため、家具が数点だけなら業者には頼まず、自治体の粗大ゴミとして処分したほうが費用を抑えられます。
ただし、解体業者に依頼した方が安く処分できるものもあります。
理事 初田秀一唯一の例外が「純粋な木製家具(タンスや本棚など)」です。木造住宅の解体であれば、木製家具を建物の木くずと一緒に重機で壊し、割安(場合によっては無料)で一緒に処分してくれる解体業者もいます。
理事 初田秀一もし木製家具を現場に残す場合は、「中身を完全に空にしておくこと」「ガラス扉や鏡を外しておくこと」が条件です。中に衣類や日用品が残っていると、かえって高い仕分け人件費を請求されてしまうので注意してくださいね。

要素2:搬出環境
荷物をトラックまで運び出す手間によっても費用は変わります。以下のような現場では作業員の往復回数が増えて時間や人手が必要なため、追加費用(搬出割増料金など)が発生しやすくなります。
- エレベーターのないマンション・アパート(階段手降ろし)
- 2階や屋根裏部屋からの搬出が必要な戸建て住宅
- 道幅が狭く、トラックを建物の前に横付けできない現場(長距離運搬)
要素3:品目の種類
残置物の中に「法律で処分方法が指定されている品目」や「処分困難物」が含まれていると、通常の処分費とは別に追加費用がかかる場合があります。例えば、以下のようなものです。
- 家電リサイクル対象品:エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機
- 特殊処分が必要な品目:金庫・消火器・タイヤ・ピアノ・仏壇・スプレー缶・塗料・薬品など
運営者 稲垣特に、金庫やタイヤなどは引き取りを断られることが多く、専門業者への委託費用が上乗せされる場合があります。
要素4:作業員の人数と作業スケジュール
残置物の撤去費用において、大きな割合を占めるのが「人件費(作業員の人数 × 作業日数)」です。一般的な現場であれば作業員2〜3名・1日程度で完了しますが、条件によっては動員するスタッフ数や作業日数を増やさなければならず、その分費用が跳ね上がります。
特に、以下のような場合では人件費が割増になりやすいため注意が必要です。
- 解体工事の着工や退去期限が迫っている場合
「着工までに数日しかない」など急ぎの依頼の場合、通常は2日かける作業を1日で終わらせるために作業員を倍増させたり、休日・早朝の対応が必要で人件費や休日・早朝の割増料金が加算されます。 - 分別がされていない・ゴミ屋敷状態など、仕分けに手間がかかる場合
生活ゴミが床一面に散乱している場合や可燃・不燃・危険物などが混ざった状態の部屋は、手作業での分別に膨大な時間がかかります。作業日数や必要なスタッフの人数が増えるため、費用が高額になります。
残置物の撤去費用を安く抑える4つの方法
残置物の撤去を解体業者に依頼すると、費用は高額になりがちです。しかし、少しの工夫と事前の準備で数万円〜数十万円単位で費用を抑えられます。ここでは、費用を安く抑えるための4つの方法をご紹介します。
- 自分で処分できるものは自治体のゴミ回収に出す
- 複数の業者から相見積もりを取る
- 価値のあるものは買取に出す
- 自治体の「空き家補助金(家財処分補助金)」を活用する
方法1:自分で処分できるものは自治体のゴミ回収に出す
撤去費用を抑えるには、「自分で処分できる細かな生活ゴミを工事前に片付けておくこと」が基本です。
- 可燃・不燃ゴミ→普段のゴミ収集
衣類・本・雑誌・食器・プラスチック製品・日用品などは、地域の指定ゴミ袋に入れて通常のゴミ収集日にコツコツ出しておきます。 - 粗大ゴミ→戸別収集・ゴミ処理施設への持ち込み
自力で運べる家具や布団などは、自治体の粗大ゴミ収集を利用するか、地域のゴミ処理施設へ直接持ち込むと格安(1点数百円〜)で処分できます。
運営者 稲垣細かい日用品やプラスチック製品の仕分けにかかる人件費を抑えるためにも、自分で処分できるものはあらかじめ片付けておき、業者への依頼は「搬出が難しい大型家具や重量物」などに絞りましょう。
方法2:複数の業者から相見積もりを取る
残置物の撤去費用を抑えたい場合は2〜3社から相見積もりを取り、料金を比較しましょう。残置物撤去の料金設定や提携している処分場は業者ごとに異なるため、同じ荷物量でも数万円以上の価格差が出るケースがあります。
複数社の見積もりを比較すると料金の相場感をつかみやすくなり、高額な見積もりを避けることにもつながります。
方法3:価値のあるものは買取に出す
不用品を処分する前に買い取ってもらえれば、臨時収入が得られるだけでなく「処分する残置物の総量」が減るため、撤去費用の見積もり自体を安く抑えられるメリットがあります。
不用品の買い取りには、主に「自分で事前に売る方法」と「解体業者にまとめて相談する方法」の2つがあります。
① 専門の買取業者やフリマで売る
少し手間をかけてでも、できるだけ高く売りたい場合に向いている方法です。
- 出張買取サービス(リサイクルショップ・専門買取店)
自宅まで無料で査定・運び出しに来てくれる場合があり、自力で店舗へ持ち込む手間がかかりません。 - フリマアプリ・地域掲示板(メルカリ・ジモティーなど)
業者での査定額がつかなかった品でも、自分で出品すれば欲しい人に売れたり、無料で引き取ってもらったりすることで処分費用をゼロにできます。
② 解体業者に買取・値引きを相談する
「自分でフリマに出品したり、別の買取業者を手配したりする時間や手間がない」という場合は、解体工事とあわせて不用品の買取・処分を依頼する方法もあります。
解体業者の中には古物商許可を取得していたりリサイクル業者と提携したりして、買取金額を残置物の撤去費用や工事費から差し引いてくれる業者もあります。別の業者を手配する必要がないため、解体工事とあわせて不用品の整理を進められます。
ただし、すべての解体業者が不用品の買取に対応しているわけではありません。現地調査や見積もりの際に「買い取れるものがあれば、撤去費用から差し引いてほしい」と伝えておくとよいでしょう。


【初田理事に聞いた】不用品は本当に買い取ってくれる?
運営者 稲垣多くの解体現場を見てきた初田理事の実感として、残置物の買い取りは実際どのくらい期待できるものなのでしょうか?
理事 初田秀一結論から言うと、買い取ってもらえるケースはありますが、過度な期待は禁物です。
理事 初田秀一「価値がありそう」と思われがちな古い骨董品・着物・家具・書籍などは、需要が少なく値がつかないケースがほとんどです。値がつく場合でも、全体の撤去費用から「1万〜3万円程度の値引き」に落ち着くことが大半ですね。
運営者 稲垣査定は思ったよりシビアなんですね。反対に「値がつきやすい品」にはどんなものがありますか?
理事 初田秀一経年劣化に左右されにくい「貴金属(金・プラチナ等)」や、「年式の新しい家電(製造3〜5年以内)」は値がつきやすいです。
理事 初田秀一実際に不用品買取によって残置物処分費用から値引きされた見積書の一例をご紹介します。この現場では状態の良い業務用冷蔵庫に5万円の値段がついたため、処分費用を大きく圧縮できました。

方法4:自治体の「空き家補助金(家財処分補助金)」を活用する
解体建物が空き家の場合、自治体によっては残置物の搬出・処分費用を直接補助してくれる「空き家家財処分補助金」を利用できるケースがあります。
実際の自治体の補助金制度例
| 自治体 | 制度名 | 補助率 |
|---|---|---|
| 神奈川県相模原市 | 空き家家財処分等補助金 | 対象経費の1/2(上限20万円) |
| 茨城県常陸太田市 | 空き家家財道具等処分費用助成金 | 対象経費の10/10(上限20万円) |
| 高知県室戸市 | 空き家家財道具等処分費補助金 | 対象経費の1/2(上限10万円) |
※上記は一例です。年度や自治体によって予算上限や補助条件が異なります。
補助金を利用する際の2つの注意点
- 補助金の申請は着工前が原則
多くの自治体では、「業者と契約・着工した後」の申請は一切受け付けられません。必ず見積もりを取った段階で役所に相談しましょう。 - 「空き家バンクへの登録」などが条件の場合がある
解体だけでなく「空き家バンクへの登録」や「地元業者への依頼」などが補助金交付の条件のケースもあります。自治体によって条件が異なるため、申請前に自治体のホームページで補助金の要綱を確認するか、担当窓口へ問い合わせて確認しましょう。
【FAQ】解体前の残置物撤去に関するよくある質問
賃貸物件の残置物の撤去費用は、大家と入居者のどちらが負担しますか?
原則として、原状回復義務がある「入居者」が全額負担します。
通常は敷金から差し引かれるか、退去時に交わす「所有権放棄の覚書」等に沿って借主側の費用で処分されます。
ただし借主が夜逃げや無断退去をした場合、法的に大家が勝手に処分することはできず、訴訟や動産競売などの法的手続き・保管・撤去にかかる費用を最終的に大家側が立て替え・自己負担せざるを得ないケースが多いのが実情です。
相続人が複数いる場合の残置物はどうすればいいですか?
相続人全員の同意を得ておく必要があります。
相続人が複数いる場合、残置物は相続人全員の「遺産共有」という状態にあります。たとえ価値のない物でも勝手に処分してしまうと、後から他の相続人から損害賠償を請求される可能性があります。処分に着手する前に、必ず「遺産分割協議書」に残置物の取り扱いを明記し、相続人全員の合意を得ておくことが重要です。
相続に関する最終的な判断や手続きについては、思わぬトラブルを避けるためにも、必ず弁護士や司法書士などの法律専門家にご相談ください。
まとめ
最後に、本記事で解説した重要なポイントを振り返ります。解体業者に残置物処分を依頼する際は、以下のポイントを意識して準備を進めることで無駄な出費を大幅にカットできます。
- 自分で処分できるゴミは工事前に片付けておく
衣類や日用品などの細かな生活ゴミは自治体の収集に出し、業者に残すのは「自力で運べない大型家具や重量物」に絞ります。 - 木製家具は「中身を空」にして業者に相談する
純粋な木製家具(タンス・本棚等)であれば、建物の木くずと一緒に割安で処分してもらえる場合があります。 - 価値があるものは買取やフリマで処分する
高年式の家電や貴金属などは先に売却し、処分する荷物の総量自体を減らしておきます。 - 2〜3社から見積もりを取る
業者によって撤去費用には大きな差が出るため、内訳までしっかり比較して適正価格の業者を選びます。 - 自治体の「空き家家財処分補助金」をチェックする
空き家の片付けであれば、上限10万円〜20万円程度の補助を受けられる可能性があります(着工前の申請が一般的)。
運営者 稲垣「どこまで自分で片付ければよいか分からない」「信頼できる業者に見積もりを依頼したい」という方は、まずは複数社の見積もりを比較して費用や対応を確認してみましょう。




