この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
- 札幌市中心部の解体現場で窃盗事件が起きた原因
- 解体現場で銅線やガソリンが盗まれる理由
- 窃盗犯に科される刑罰と外国籍の作業員の処分
- 解体現場で窃盗事件が起きた場合の依頼主への影響
札幌市中央区の解体工事現場で、銅線約38kgとガソリン約20L入りの携行缶を盗んだとして男ら2人が逮捕されました。警察は転売目的の犯行とみて、余罪や侵入方法などを調べています。
本記事では、事件が起きた背景や銅線・ガソリンが狙われる理由、窃盗犯に科される刑罰、依頼主への影響について、解体工事の専門的な視点からわかりやすく解説します。
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ニュースの概要
- 発生場所:札幌市中央区大通西3丁目
- 報道日:2026年7月7日
- 対象:解体工事現場
- 事案:札幌市中央区の解体工事現場で、銅線約38kgとガソリン約20L入りの携行缶を盗んだとして、ブラジル国籍の解体工の男と自称彫り師の男を逮捕。警察は転売目的とみて、余罪や犯行の経緯を調べている。
札幌市中央区の解体工事現場から、銅線やガソリンを盗んだ疑いで男2人が逮捕されました。 建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕されたのは、札幌市手稲区のブラジル国籍の解体工の男(27)と、札幌市東区の自称彫り師の男(47)です。
【転売目的か】札幌市中央区の解体現場から銅線・ガソリンなど盗んだ疑い―ブラジル国籍の男と自称彫り師の男…2人を逮捕<北海道札幌市>|北海道ニュースUHB
札幌市の解体現場で窃盗事件が起きた原因
札幌市中心部の解体現場で、銅線やガソリンが盗まれる窃盗事件が発生しました。人通りの多いエリアで、なぜこのような事件が起きたのでしょうか。解体現場ならではの環境や、狙われやすい理由を解説します。
都心部でも深夜は人目が少なくなる

大通西3丁目はオフィスや商業施設が集まる札幌市中心部です。日中は多くの人が行き交いますが、事件が発生した午前2時ごろは通行人が少なくなります。
また、解体現場は安全対策や騒音対策のため、仮囲いや防音シートで敷地全体を囲うのが一般的です。内部の様子が外から見えにくく、夜間は作業員もいないため、侵入されても気づかれにくい状況が生まれます。
現場を知る人物は資材の場所を把握しやすい
今回逮捕された容疑者の一人は、解体工として働いていた男でした。
警察は認否や侵入方法を明らかにしていませんが、解体工事の経験があれば、銅線や重機用のガソリンなどが保管されやすい場所を把握している可能性があります。こうした資材は換金目的で狙われるケースも多く、現場の事情を知る人物が関与した場合は、短時間で持ち出されるおそれがあります。
銅線やガソリンが盗まれる理由
今回の事件では、銅線約38kgとガソリン約20L入りの携行缶が盗まれました。なぜ解体現場では、このような資材が狙われるのでしょうか。ここでは、銅線やガソリンが窃盗の標的になりやすい理由を解説します。
銅線は換金しやすい
近年は銅価格の上昇もあり、解体現場から盗まれる被害が各地で発生しています。
参考までに、金属スクラップの買取業者「大畑商事」が公表している2026年7月時点の買取価格をもとにすると、今回盗まれた約38kgの銅線は約3万4,000〜8万1,000円程度で買い取られる計算です。

回収した銅線は金属スクラップとして売却できるため、短時間で換金されるケースもあります。なお、買取価格は業者や地域、市況によって変動します。
今回盗まれた約38kgの銅線も、警察は転売目的の犯行とみて捜査を進めています。
ガソリンは燃料として使える
ガソリンは転売しにくいものの、車両や機械の燃料として利用できるため、窃盗の対象になる場合があります。
解体現場では、重機や発電機で使用するため、ガソリンを携行缶に入れて保管しているケースが一般的です。こうした現場で使用する資材は、銅線とあわせて盗まれることがあります。
また、今回盗まれた携行缶は現在も見つかっておらず、警察は銅線とあわせて行方を調べています。
運営者 稲垣解体工事の現場では、一度に大量の資材を盗むのではなく、発覚しにくい量だけを持ち出す窃盗が少なくありません。銅線や燃料は換金しやすく、短時間で運び出せるため標的になりやすい資材です。
運営者 稲垣特に現場の管理状況や資材の保管場所を把握している人物が関与すると、被害に気づくまで時間がかかるケースもあります。
窃盗犯に科される刑罰とは
建造物侵入罪と窃盗罪に問われる可能性がある
解体現場へ無断で侵入して資材を持ち出した場合、建造物侵入罪と窃盗罪が成立する可能性があります。
仮囲いの中へ正当な理由なく立ち入る行為は建造物侵入罪、銅線やガソリンなどを盗む行為は窃盗罪に該当します。今回の事件でも、逮捕された2人は建造物侵入と窃盗の疑いで捜査されています。
- 建造物侵入罪:3年以下の懲役または10万円以下の罰金
- 窃盗罪:10年以下の懲役または50万円以下の罰金
出典:刑法
(住居侵入等)
第百三十条 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。(窃盗)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。引用:刑法|e-Gov法令検索
外国籍の場合は退去強制の対象になる場合がある
外国籍の人が一定以上の実刑判決を受けた場合は、刑期を終えた後に退去強制となる可能性があります。
今回の事件ではブラジル国籍の男が逮捕されています。日本の入管法では、1年を超える懲役または禁錮の実刑判決を受けた外国籍の人は、原則として退去強制の対象です。ただし、執行猶予が付いた場合は対象外となります。
出典:出入国管理及び難民認定法
(退去強制)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により本邦からの退去を強制し、又は第五十五条の二第一項の規定による命令により本邦から退去させることができる。
解体現場で窃盗事件が起きた場合の依頼主への影響
追加費用は基本的に請求されない
解体工事では、工事が完了するまで資材や現場の管理は業者が行います。そのため、工事中に資材が盗まれた場合でも、依頼主が盗難による追加費用を負担するケースは基本的にありません。業者には契約内容に沿って工事を完成させる義務があるためです。
出典:民法
(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。引用:民法|e-Gov法令検索
工期が遅れる可能性がある
窃盗事件が発生すると、警察による現場検証や盗まれた資材の再手配などが必要になり、工事が一時的に中断する場合があります。
解体後に土地の売却や新築工事を予定している場合は、後続のスケジュールにも影響する可能性があります。工期が延びる場合も想定し、余裕を持った日程を組んでおくと安心です。
まとめ
今回の事件では、札幌市中心部の解体現場から銅線約38kgとガソリン入りの携行缶が盗まれ、警察は転売目的の犯行とみて捜査を進めています。
都心部であっても深夜は人通りが少なく、仮囲いや防音シートで内部が見えにくい解体現場は窃盗の標的になり得ます。また銅線は換金しやすく、ガソリンは現場で使用するため保管されていることから、いずれも狙われやすい資材です。
依頼主が盗難による追加費用を負担するケースは基本的にありませんが、事件が発生すると工期が遅れる可能性があります。こうしたトラブルを防ぐためには、防犯対策や資材管理を徹底している解体業者を選び、契約前に現場の管理体制を確認しておくのが大切です。
