解体前に要確認!隣地との境界線を把握して近隣トラブルを回避しよう

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稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

この記事でわかること
  • 解体工事で境界線の確認が必要な理由と、確認不足によるリスクがわかる
  • 実際に起こりやすい境界トラブルの事例と防止策がわかる
  • 境界線が不明な場合に利用できる公的制度や、土地家屋調査士へ相談する流れがわかる

家の解体工事を検討する際に、「ウチの敷地はどこまでなのか」「隣地との境界線は確認しておくべきなのか」と疑問に感じたことはありませんか?

解体工事は、必ず境界線を確認してから行います。境界線を確認しないまま解体工事を進めると、隣家の塀や設備を誤って壊してしまい境界トラブルに発展する恐れがあります。
特に、古い住宅では境界杭の紛失や図面とのズレが生じている可能性があるため注意が必要です。

この記事では、境界線の役割や確認方法、境界トラブルの事例、境界杭の打ち直し手順、トラブルの回避方法まで分かりやすく解説します。

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

辰巳 浩晃現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 お客様窓口 マネージャー

辰巳 浩晃(たつみ ひろあき)

解体工事のご相談・現場調査の立会い・見積書説明など、お客様窓口としてお客様の不安解消と工事サポートに注力するマネージャー。「同じ解体でも、ひとつとして同じ現場はない」を信条に、一件一件の個性を大切にしながら、お客様が晴れやかな気持ちで工事当日を迎えられるよう伴走。お持ちの見積書が適正かどうかも、数分のお電話で判断できるよう、第三者目線でのアドバイスを心がけている。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

酒巻 久未子執筆

「スッキリ解体」専属ライター

酒巻 久未子(さかまき くみこ)

「解体工事でお悩みの方に、同じ主婦の立場から実用的な情報をお届けします。」

数多くのお客様や業者様へのインタビューを通じて、お客様が抱えるリアルな悩みに精通。実際の解体工事現場での取材を重ね、特に「お金」や「近隣トラブル」といった、誰もが不安に思うテーマについて、心に寄り添う記事を執筆。子育て中の母親ならではの、きめ細やかな視点も大切にしている。

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目次
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境界線とは?役割と種類

境界線

解体工事での境界線の役割

境界線は、自身の土地と隣地(私有地・公有地)の境目を示す標識です。
民法第223条では、土地の所有者が隣地の所有者と共同の費用で境界標を設置できる権利を定めています。

出典:民法

境界標の設置
第二百二十三条
 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

引用:民法|e-Gov法令検索

解体工事での境界線は、作業範囲を示す重要な基準です。業者は境界線をもとに、現地の安全確認を行いながら工事を進めます。

境界線を基準に確認する内容

  • 重機を動かせる範囲
  • 建物の基礎を撤去する位置
  • 塀やフェンスなど隣地との距離
  • 地中埋設物の撤去範囲

境界線を確認しないまま工事を進めるリスク

  • 隣地の地盤を崩してしまう
  • 隣家の塀や設備を誤って壊してしまう
  • 地中の基礎やコンクリート片を越境して撤去してしまう
  • 近隣トラブルや損害賠償につながる

また、地中に埋まっている基礎やコンクリート片の撤去でも、境界線を基準にすると越境トラブルを防ぎやすくなります。

境界杭

近隣との良好な関係を保ち、解体後の新築工事や土地活用を円滑に進めるためにも、境界線の確認は欠かせません。着工前には、業者と一緒に現地で位置を確認しておくと安心です。

境界線の種類

境界杭の種類

境界線は、設置場所や用途に応じて材質や形状が異なります。

  • コンクリート杭・石杭
    長期間の使用を前提とした頑丈な標識です。地中に深く埋め込まれるため、移動や損傷に強いのが特徴です。
  • プラスチック杭
    分譲地などで多く使われる軽量な標識です。頭部が平らで見つけやすい一方、重機の荷重や衝撃で割れやすいため工事中は養生が必要です。
  • 金属プレート・金属ピン
    コンクリート舗装や側溝の縁など、杭を打ち込めない場所に設置されます。ボルトや接着剤で固定されるケースが一般的です。
  • 木杭
    測量時や工事期間中の仮設目印として使われます。耐久性が低いため、工事後は頑丈な境界杭への交換が一般的です。

【実例】解体工事で起こりやすい境界トラブル

境界塀

境界トラブルを招く主な要因

境界トラブルは、長年の土地利用で境界杭が紛失していたり、古い図面をもとに境界を判断したりすることで発生する場合があります。こうした状況から、「所有権の誤認」や「図面と現地の不一致」が主な原因として挙げられます。

  • 境界杭の消失
    過去の外構工事や地盤の変動、震災などで杭が失われ、目印がないまま作業を進めた
  • 思い込みによる境界認識
    「代々この垣根が境だった」といった根拠のない認識が、隣地所有者との間で食い違う
  • 越境物の見落とし
    建物の基礎や雨どい、屋根のひさしが隣地へ突き出していたため、作業中に隣家を損傷させた

また、隣人が勝手に境界杭を抜いて私有地に新しく打ち直した結果、近隣トラブルに発展した事例があります。

<お悩み> 約30年前、土地を購入して家を建てました。隣地との境界には杭(くい)があり、境界の確認書もあります。先日、隣人が「塀を新しくしたい」と言ってきました。反対せずにいると、隣人は塀を撤去して杭を抜き、私の土地に新たな杭を打ちました。隣人は「元の境界が間違っている」と譲らず、悩んでいます。 (東京・女性65歳)

引用:<法律お助け隊 坂本雅弥弁護士>隣地との境界杭 隣人が勝手に抜いた|東京新聞

ここからは『あんしん解体業者認定協会』で11万件以上の相談対応実績を持つ辰巳マネージャーのもとに寄せられた、境界トラブルの事例について解説します。

辰巳 浩晃 現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 お客様窓口 マネージャー

辰巳 浩晃 (たつみ ひろあき)

解体工事のご相談・現場調査の立会い・見積書説明など、お客様窓口としてお客様の不安解消と工事サポートに注力するマネージャー。「同じ解体でも、ひとつとして同じ現場はない」を信条に、一件一件の個性を大切にしながら、お客様が晴れやかな気持ちで工事当日を迎えられるよう伴走。お持ちの見積書が適正かどうかも、数分のお電話で判断できるよう、第三者目線でのアドバイスを心がけている。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

【実例1】共有のブロック塀を無断で取り壊した

マネージャー 辰巳浩晃

お客様から伺った話では、自宅の敷地を囲っているブロック塀だったため、「自分の所有物だろう」と考え、解体業者へ撤去を依頼したとのことでした。しかし実際には、境界線上に設置された共有物で、隣地側でも目隠しとして利用されていたようです。

マネージャー 辰巳浩晃

そのため工事はいったん中断となり、話し合いの結果、お客様側が工務店に依頼してブロック塀を再設置する対応を取ったといいます。


隣地との境にあるブロック塀を、自宅の敷地内にあると判断して撤去した結果、後から隣人とトラブルになるケースは少なくありません。

境界線上にある塀は、民法第229条により共有物と推定されます。たとえ老朽化していても、相手方の承諾なしに壊す権利はありません。撤去前に必ず隣地所有者と話し合い、合意書を作成する手順が不可欠です。

出典:民法

(境界標等の共有の推定)
第二百二十九条
 境界線上に設けた境界標、囲障、障壁、溝及び堀は、相隣者の共有に属するものと推定する。
引用:民法|e-Gov法令検索

【実例2】地中基礎の越境と地盤沈下

古い建物では、地中の基礎が隣地の敷地まで広がっている場合があります。これを知らずに撤去し、隣地の地盤を緩ませるトラブルも少なくありません。

マネージャー 辰巳浩晃

ある現場では、境界線ギリギリに建っていた建物の基礎を撤去するために掘削作業を行った際、隣地側の地盤を支えていた土が緩み、沈下が生じたケースがあったとお客様から伺いました。

マネージャー 辰巳浩晃

その影響で隣家の駐車場にひび割れが発生し、最終的には業者が修復対応を行ったようです。

隣地境界付近の掘削では、民法第209条に基づき、必要に応じて隣地の使用を求められる場合があります。ただし、損害を与えた場合は賠償責任が生じる可能性があります。

出典:民法

(隣地の使用)
第二百九条
 土地の所有者は、次に掲げる目的のため必要な範囲内で、隣地を使用することができる。ただし、住家については、その居住者の承諾がなければ、立ち入ることはできない。
一 境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕
二 境界標の調査又は境界に関する測量
三 第二百三十三条第三項の規定による枝の切取り
2 前項の場合には、使用の日時、場所及び方法は、隣地の所有者及び隣地を現に使用している者(以下この条において「隣地使用者」という。)のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
3 第一項の規定により隣地を使用する者は、あらかじめ、その目的、日時、場所及び方法を隣地の所有者及び隣地使用者に通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難なときは、使用を開始した後、遅滞なく、通知することをもって足りる。
4 第一項の場合において、隣地の所有者又は隣地使用者が損害を受けたときは、その償金を請求することができる。
引用:民法|e-Gov法令検索

※これらの法的な見解は一般的なものであり、個別ケースの判断は弁護士等の専門家にご相談ください

境界線の確認方法

境界線の確認は、法務局で取得できる公的な図面をもとに、現地の状況と照らし合わせながら進めます。主に確認する資料は以下の通りです。

  • 公図(地図)
    土地の位置関係や、おおまかな形状を把握するための図面。
  • 地積測量図
    各境界杭の距離や角度、土地の面積などが詳しく記載された図面。
  • 確定測量図
    隣地所有者全員の立ち会いのもと、合意を得て作成された信頼性の高い図面。

これらの資料をもとに、業者は現地で境界杭やブロック塀、フェンスの位置を確認し、図面とのズレがないかを確認します。

土地測量図
土地境界確認書

ステップ1:法務局で図面を取得する

まずは、法務局で公図や地積測量図を取得し、登記上の境界線を確認します。

特に、現地の塀やフェンスの位置が図面と明らかに異なる場合は注意が必要です。解体工事では、このズレがトラブルの原因になる場合があります。

ステップ2:隣地所有者へ相談する

図面や現地確認だけで判断できない場合は、隣地所有者へ相談します。たとえば、境界杭が見当たらない場合や、塀・フェンスの所有者が不明な場合です。

突然訪問するよりも、事前に「少しご相談したいことがあります」と連絡を入れておくと、丁寧な印象になります。
話す際は解体工事のためだけでなく、「トラブルを避けるために確認したい」という姿勢で伝えると、協力を得やすくなります。

ステップ3:土地家屋調査士へ依頼する

隣地所有者と話し合っても境界線が明確にならない場合は、土地家屋調査士へ境界確定測量を依頼します。

費用は土地の広さや形状、隣接地の数によって変わりますが、一般的な住宅地では35万円〜80万円程度が目安です。

境界確定測量の費用は誰が負担する?

解体工事や売却など、自分側の事情で境界確定測量が必要になる場合は、自身で費用を負担するケースが一般的です。

そのため、隣地所有者へ協力をお願いする際は、「費用はこちらで負担しますので、立ち会いにご協力いただけないでしょうか」と伝えると、話が進みやすくなります。

境界線が分からない場合の2つの公的制度

境界線がはっきりせず、隣地所有者との話し合いでも合意に至らない場合は、裁判以外の方法で次のような制度があります。

  • 筆界特定制度
  • 境界紛争解決センター(ADR)

筆界特定制度

筆界特定制度とは、法務局の登記官が、外部専門家である筆界調査委員の意見をもとに、登記上の境界(筆界)を特定する手続きです。不動産登記法第123条に基づいて運用されています。

隣地所有者の同意がなくても、土地所有者が単独で申請できる点が特徴です。申請後は、法務局が資料調査や現地測量などを行い、客観的な資料をもとに境界位置を判断します。

裁判のように争う形式ではなく、公的機関の判断によって境界を明確にできるため、できるだけ対立を避けたい場合に適した方法です。

出典:不動産登記法

第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。

引用:不動産登記法|e-Gov法令検索

境界紛争解決センター(ADR)

境界紛争解決センター(ADR)は、土地家屋調査士会や弁護士会などが運営する機関で、話し合いによる解決を支援します。

筆界特定制度が登記上の境界を明確にする手続きであるのに対し、ADRは当事者同士の意見を尊重し、権利関係も含めた合意形成を目指します。
手続きでは、弁護士や土地家屋調査士が中立的な立場で間に入り、専門知識をもとに調整を進めます。たとえば、解体後の土地活用や建て替え計画なども踏まえながら、柔軟な解決策を話し合える点が特徴です。

裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)に基づき、迅速な紛争解決を図る制度として活用されています。

境界杭の打ち直しが必要なケース

境界杭の紛失や破損を放置すると、隣地との認識違いが生じたり、将来的な売却や建て替え時にトラブルへ発展したりする可能性があります。
ここでは、境界杭の再設置が必要なケースとその手順について解説します。

再設置を検討すべきケース

  • 工事で破損・移動した
    工事中の重機による接触や、土砂の搬出時に掘り起こす作業などで、境界杭がずれたり壊れたりする場合。
  • 経年劣化や埋没で確認できない
    木杭が腐食して折れている、地中に境界杭が埋まり見つからないなどの場合。
  • より精度の高い境界標へ交換したい
    解体後の土地売却や新築に備えて、仮杭や古い標識を耐久性の高いコンクリート杭や金属プレートへ交換する場合。

境界杭を打ち直す手順

境界杭の再設置は、位置の確認と関係者の合意を得ながら進めます。

1. 土地家屋調査士に境界確認と再設置を依頼する

まずは土地家屋調査士へ依頼し、地積測量図や確定測量図などをもとに、本来の境界位置を調査します。

現地の基準点と照らし合わせながら正確な位置を確認し、新しい境界杭やプレートを設置します。

2. 隣地所有者に立ち会ってもらう

境界位置に問題がないよう、可能であれば隣地所有者にも立ち会ってもらい、双方で位置を確認してから設置すると安心です。

民法第223条では、隣地所有者と共同で境界標を設置できると定められています。

出典:民法

境界標の設置
第二百二十三条
 土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。

引用:民法|e-Gov法令検索

3. 場所に合った境界標を設置する

設置場所に応じて、適した種類の境界標を使います。

  • 土の地面 コンクリート杭を埋設して固定
  • コンクリート面・側溝付近 金属プレートや金属ピンを固定

設置後は、測量図や写真を保管しておくと将来の確認に役立ちます。

境界トラブルを防ぐ解体業者の選び方

業者によっては、境界線の位置や近隣対応への配慮が十分でない場合もあるため、ここでは解体業者の選び方を解説します。

境界線について確認や案内があるか

業者側から境界線について、次のような確認や案内があるかは、信頼できる業者か見極めるうえで重要なポイントです。

  • 「境界線の位置は現地で一緒に確認しましょう」
  • 「境界杭や図面があれば見せていただけますか」
  • 「必要であればこちらでも確認方法をご案内できます」

近隣への配慮や説明の実績が豊富か

会社のホームページや口コミで、施工事例や近隣対応の姿勢を確認しましょう。

また、次のような情報を具体的に示している業者は、近隣配慮への意識が高い傾向があります。

  • 工事前に近隣へ挨拶している
  • 騒音・振動対策について説明している
  • クレーム時の対応体制がある

土地家屋調査士など専門家との連携がスムーズか

万が一、測量や境界確認が必要になった場合に、土地家屋調査士などの専門家を紹介してもらえるかも確認ポイントです。

日頃から専門家との連携体制がある業者は、境界問題を含めた突発的なトラブルにも対応しやすく、工事をスムーズに進めやすい傾向があります。

なお、優良な解体業者の選び方は、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

【FAQ】解体工事 境界線に関するよくある質問

解体工事の際に境界杭が撤去されていましたが、どうすればいいですか?

すぐに施工業者へ連絡し、業者負担で土地家屋調査士による境界復元測量と再設置を依頼してください。
境界杭の管理責任は施工業者にあり、不注意による損壊や撤去は業者が原状回復する義務を負います。

対応の手順は以下の通りです。

  1. 現状の保存 杭がなくなった箇所を撮影し、周囲の状況も含めて記録する。
  2. 業者への通告 杭の消失を伝え、損害賠償保険の適用も含めた復旧案を提示させる。
  3. 土地家屋調査士の介入 業者が独断で杭を打ち直す行為は不可。図面をもとに正確な位置を特定し、隣地所有者立ち会いのもとで再設置する。

境界標を移動させ、境界を認識不能にする行為は、刑法第262条の2「境界損壊罪」に抵触する恐れがある重大な過失です。

出典:刑法

(境界損壊)
第二百六十二条の二
 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。

引用:刑法|e-Gov法令検索

後のトラブルを避けるため、復旧費用は業者が全額負担する旨を明記した合意書を交わしておくと安心です。

親の代で口約束した境界線は法的に有効ですか?

親の代で交わした口約束による境界の取り決めは、当事者間の合意として一定の意味はありますが、法的な「筆界(登記上の境界)」を確定させる効力はありません。
客観的な資料(地積測量図など)がない場合、隣地所有者が代替わりした際や土地売却時に有効性を証明するのは難しくなります。

土地の境界には、以下の2種類が存在します。

  • 筆界(ひっかい) 不動産登記法に基づき、登記時に定められた公的な境界。個人間の合意では変更できない。
  • 所有権境(しょゆうけんざかい) 当事者同士の合意による占有範囲の境界。口約束はこの範囲にとどまる。

不動産登記法第123条では、筆界は「登記された時点で定められた土地同士の境」と定義されています。

出典:不動産登記法

第百二十三条 この章において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 筆界 表題登記がある一筆の土地(以下単に「一筆の土地」という。)とこれに隣接する他の土地(表題登記がない土地を含む。以下同じ。)との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう。
二 筆界特定 一筆の土地及びこれに隣接する他の土地について、この章の定めるところにより、筆界の現地における位置を特定すること(その位置を特定することができないときは、その位置の範囲を特定すること)をいう。
三 対象土地 筆界特定の対象となる筆界で相互に隣接する一筆の土地及び他の土地をいう。
四 関係土地 対象土地以外の土地(表題登記がない土地を含む。)であって、筆界特定の対象となる筆界上の点を含む他の筆界で対象土地の一方又は双方と接するものをいう。
五 所有権登記名義人等 所有権の登記がある一筆の土地にあっては所有権の登記名義人、所有権の登記がない一筆の土地にあっては表題部所有者、表題登記がない土地にあっては所有者をいい、所有権の登記名義人又は表題部所有者の相続人その他の一般承継人を含む。

引用:不動産登記法|e-Gov法令検索

口約束の内容が公的な図面と食い違う場合、法的には図面が優先されます。現在の隣地所有者と立ち会いを行い、土地家屋調査士を介して筆界確認書を作成し、確定測量図に基づく境界標の設置を進めましょう。

家を解体する際、境界杭があれば公図は必要ないですか?

境界杭が存在する場合でも、公図や地積測量図の確認は必須です。
現地の杭が正しい位置にある保証はなく、過去の工事や地盤の変動で移動している可能性、あるいは第三者が誤った位置に設置した可能性を否定できないためです。

杭を頼りに作業を進め、後から図面とのズレが判明した場合、越境物の撤去や損害賠償を求められるリスクが生じます。

境界杭の打ち直し費用はいくらですか?

既存の測量データをもとに元の位置へ戻す「境界復元」であれば、1地点あたり5万〜15万円が目安です。境界確定からやり直す場合は「確定測量」が必要となり、30万〜80万円ほどかかります。

民法第224条では、境界標の設置や維持にかかる費用は隣地所有者同士で均等に負担し、測量費は土地面積に応じて分担すると定められています。

出典:民法

(境界標の設置及び保存の費用)
第二百二十四条
 境界標の設置及び保存の費用は、相隣者が等しい割合で負担する。ただし、測量の費用は、その土地の広狭に応じて分担する。

引用:民法|e-Gov法令検索

施工業者の過失で杭が損壊した場合は、賠償責任として業者が全額負担します。施主側の事情や経年劣化によって境界が不明になった場合は、隣地所有者と費用を分担する形が基本です。ただし、交渉を円滑に進めるため、施主が全額を負担するケースも少なくありません。

実際の費用は土地の形状や隣接地の数によって変動するため、土地家屋調査士へ見積もりを依頼する方法が確実です。

境界確定測量には、どれくらいの期間がかかりますか?

境界確定測量にかかる期間は隣地の条件によって異なり、私有地のみなら約3〜4ヶ月、公道を含む場合は6ヶ月以上かかります。測量作業だけでなく、関係者全員の合意が必要なため、一定の時間を見込む必要があります。

主な流れは次の通りです。

  1. 資料調査・事前測量(約2週間〜1ヶ月) 法務局や自治体で図面を確認し、現地測量を実施
  2. 立ち会い調整(約1〜2ヶ月) 隣地所有者と日程を合わせ、現地で境界点を確認
  3. 境界確認書の作成(約2週間〜1ヶ月) 合意内容を書面化し、署名・押印
  4. 登記手続き(約2週間) 必要に応じて地積更正登記などを申請

最も時間を要するのは、隣地所有者との日程調整や合意形成です。所有者が遠方に住んでいる場合や認識にズレがある場合、さらに数ヶ月かかるケースもあります。

解体後の売却や建築スケジュールに影響を出さないため、着工の半年前を目安に土地家屋調査士へ相談するのが良いでしょう。

【まとめ】境界トラブルを防ぐには事前確認が重要

境界トラブルを防ぐには、普段から境界を適切に管理し、隣地所有者と良好な関係を築く必要があります。トラブルは工事の中断や長期化だけでなく、土地の資産価値にも影響を与える可能性があります。

ここでは、境界トラブルを防ぐためのポイントをまとめます。

  • 境界標を定期的に確認する
    境界杭や境界標が正しい位置にあるかを定期的に確認し、移動や破損がないかチェックします。
  • 耐久性の高い境界標を設置する
    長期間維持しやすい境界石やコンクリート標の設置がおすすめです。
  • 測量図面や写真を保管する
    測量図や境界確認書、現地写真などを整理して保管しておくと、境界を証明する資料として役立ちます。
  • 隣地所有者と事前に話し合う
    塀の撤去や設置を行う際は、事前に隣地所有者へ説明し、合意した内容は書面で残します。
  • 早めに専門家へ相談する
    境界が曖昧な場合は、土地家屋調査士へ早めに相談し、正確な測量や調査を行います。
  • 筆界特定制度の利用を検討する
    当事者同士で解決が難しい場合は、法務局が行う「筆界特定制度」を利用し、公的な判断を受ける方法もあります。

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