【解体ニュース解説】不法投棄の疑いで建設会社社長を逮捕 京都府木津川市

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稲垣 瑞稀

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稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

この記事でわかること
  • 京都で起きた建設業者による不法投棄事件の全容
  • ダンプカー6台分の不法投棄を行った手口
  • 不法投棄撲滅のために行われている対策と罰則
  • 悪質な解体業者を見抜き、安心な業者に依頼するためのチェックポイント

2026年5月、京都府木津川市の土地にダンプカー約6台分の廃棄物を不法投棄したとして、建設会社の社長が廃棄物処理法違反の疑いで逮捕されました。

不法投棄は人目につきにくい時間帯に行われるだけでなく、近年は「資材置き場」などの名目で正規の賃貸契約を装い、周囲に怪しまれない環境を作り出すなど手口が巧妙化しています。

本記事では、今回の事件で用いられた不法投棄の手口土地所有者が負うリスク行政による監視対策、そして不法投棄を防ぐための業者選びのポイントについて、解体工事の専門的な視点から詳しく解説します。

目次
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ニュースの概要

  • 発生場所:京都府木津川市
  • 報道日:2026年5月20日
  • 事案:木くずや廃プラスチック類などの廃棄物を不法投棄した疑いで、京都府城陽市の建設会社「菊理(くくり)」の社長、加藤隆綱容疑者が逮捕されました。

京都府警は20日、廃棄物処理法違反の疑いで、建設会社「菊理(くくり)」(京都府城陽市)の社長、加藤隆綱容疑者(52)=住所不定=を逮捕したと発表した。逮捕は19日付。府警は認否を明らかにしていない。また、法人としての同社を20日、書類送検した。

逮捕容疑は、令和7年3月7日から同月16日までの間、計3回にわたり、同府木津川市内の土地に、ダンプカー約6台分の木くずや廃プラチック類、がれき類などを投棄したとしている。

府警によると、現場は周辺に住宅のある約2000平方メートルの平地。加藤容疑者は土地所有者から資材置き場として使用する名目で借りていたという。不法投棄を監視していた府山城南保健所が府警に申告し容疑が発覚。府警は共犯者がいるとみて捜査している。

引用:周辺に住宅のある土地にダンプカー約6台分の廃棄物を投棄 容疑で建設会社社長を逮捕|産経新聞

不法投棄の手口と逮捕までの過程

事件はすでに発覚し逮捕に至っていますが、「どうやってダンプカー6台分もの大量のゴミを捨てたのか」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。

一般的に、複数台のダンプカーを用いた不法投棄は、人目につきにくい深夜や早朝に行われます。事前に周辺の道路状況や監視カメラの位置を下見し、ナンバープレートを隠すなど、特定を避ける傾向にあります。
さらに今回の事件では、計画的な手口が使われていました。

「資材置き場にしたい」狙われやすい土地の特徴

報道によると、容疑者は土地の所有者に「資材置き場にしたい」と持ちかけ、正式な賃貸契約を結んでいたとされています。

これは不法投棄で用いられる手口の一つです。表向きは正規の契約を装うことで、地主や近隣住民に「業者が正当に出入りしている」と認識させ、ダンプカーが頻繁に進入しても怪しまれない環境を作り出していました。

  • 狙われやすい土地の特徴と地主のリスク
    • 管理が行き届いていない土地:遠方で定期的な見回りが難しかったり、雑草が生い茂っていたりする土地は、ターゲットにされやすくなります。
    • 地主に及ぶ撤去責任のリスク:万が一、不法投棄を行った業者が倒産等で撤去費用を負担できない場合、廃棄物処理法の原則上、法的な管理者である「土地所有者」に数百万円規模の処分費用が請求される可能性もあります。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

(清潔の保持等)
第五条 土地又は建物の占有者(占有者がない場合には、管理者とする。以下同じ。)は、その占有し、又は管理する土地又は建物の清潔を保つように努めなければならない。

第十九条の五 産業廃棄物処理基準又は産業廃棄物保管基準(特別管理産業廃棄物にあつては、特別管理産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物保管基準)に適合しない産業廃棄物の保管、収集、運搬又は処分が行われた場合において、生活環境の保全上支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められるときは、都道府県知事(第十九条の三第三号に掲げる場合及び当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者が当該産業廃棄物を輸入した者(その者の委託により収集、運搬又は処分を行つた者を含む。)である場合にあつては、環境大臣又は都道府県知事。次条及び第十九条の八において同じ。)は、必要な限度において、次に掲げる者(次条及び第十九条の八において「処分者等」という。)に対し、期限を定めて、その支障の除去等の措置を講ずべきことを命ずることができる。
一 当該保管、収集、運搬又は処分を行つた者(第十一条第二項又は第三項の規定によりその事務として当該保管、収集、運搬又は処分を行つた市町村又は都道府県を除く。)
二 第十二条第五項若しくは第六項、第十二条の二第五項若しくは第六項、第十四条第十六項又は第十四条の四第十六項の規定に違反する委託により当該収集、運搬又は処分が行われたときは、当該委託をした者

引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律|e-Gov 法令検索
運営者 稲垣

土地を貸し出す際は、「資材置き場」などの名目だけで判断せず、業者の建設業許可証や過去の実績などをしっかりと確認することが自己防衛に繋がります。

逮捕までに1年以上かかった理由

本事件は、2025年3月に不法投棄が行われましたが、逮捕は2026年5月と1年以上の期間を要しています。不法投棄の捜査に時間がかかるのには、主に次のような理由が考えられます。

  1. 排出元の特定と裏付け:投棄された廃棄物の成分分析や現場の遺留品から、どの現場から出たゴミなのかをマニフェスト(産業廃棄物管理票)等と照合し、特定する必要があります。
  2. 組織的関与の立証:「運転手の独断」といった主張を防ぎ、会社としての責任を問うためには、企業ぐるみの指示や資金の流れを帳簿などから裏付ける必要があります。
  3. 証拠固めの徹底:後述するように法人の不法投棄には重い罰則が適用されます。そのため、裁判を維持できるだけの証拠を固めるべく、長期間にわたる慎重な捜査が求められます。

不法投棄を行った業者に科される罰則

産業廃棄物の不法投棄は、生活環境や自然生態系に悪影響を及ぼす犯罪行為です。そのため、廃棄物処理法において厳しい刑事罰および行政処分が規定されています。

特に、実行した個人だけでなく、所属する法人(企業)に対しても高額な罰金が科される「両罰規定」が存在する点は重要です。

処罰の対象法令刑の最大内容備考
個人(実行行為者)廃棄物処理法(第25条)5年以下の懲役 または1,000万円以下の罰金懲役と罰金の両方が科される(併科)可能性もあります。未遂行為も処罰の対象です。
法人(企業・組織)廃棄物処理法(第32条)3億円以下の罰金実行行為者とは別に、雇用主である法人に対して科されます。組織的な犯罪を防ぐための制裁です。
出典:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)

第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の拘禁刑若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第七条第一項若しくは第六項、第十四条第一項若しくは第六項又は第十四条の四第一項若しくは第六項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行つた者
二 不正の手段により第七条第一項若しくは第六項、第十四条第一項若しくは第六項又は第十四条の四第一項若しくは第六項の許可(第七条第二項若しくは第七項、第十四条第二項若しくは第七項又は第十四条の四第二項若しくは第七項の許可の更新を含む。)を受けた者
三 第七条の二第一項、第十四条の二第一項又は第十四条の五第一項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分の事業を行つた者
四 不正の手段により第七条の二第一項、第十四条の二第一項又は第十四条の五第一項の変更の許可を受けた者
五 第七条の三、第十四条の三(第十四条の六において読み替えて準用する場合を含む。)、第十九条の四第一項、第十九条の四の二第一項、第十九条の五第一項(第十七条の二第三項において準用する場合を含む。)又は第十九条の六第一項の規定による命令に違反した者
六 第六条の二第六項、第十二条第五項又は第十二条の二第五項の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物の処理を他人に委託した者
七 第七条の五、第十四条の三の三又は第十四条の七の規定に違反して、他人に一般廃棄物又は産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を業として行わせた者
八 第八条第一項又は第十五条第一項の規定に違反して、一般廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設を設置した者
九 不正の手段により第八条第一項又は第十五条第一項の許可を受けた者
十 第九条第一項又は第十五条の二の六第一項の規定に違反して、第八条第二項第四号から第七号までに掲げる事項又は第十五条第二項第四号から第七号までに掲げる事項を変更した者
十一 不正の手段により第九条第一項又は第十五条の二の六第一項の変更の許可を受けた者
十二 第十条第一項(第十五条の四の七第一項において読み替えて準用する場合を含む。)の規定に違反して、一般廃棄物又は産業廃棄物を輸出した者
十三 第十四条第十五項又は第十四条の四第十五項の規定に違反して、産業廃棄物の処理を受託した者
十四 第十六条の規定に違反して、廃棄物を捨てた者
十五 第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者
十六 第十六条の三の規定に違反して、指定有害廃棄物の保管、収集、運搬又は処分をした者
2 前項第十二号、第十四号及び第十五号の罪の未遂は、罰する。

第三十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第二十五条第一項第一号から第四号まで、第十二号、第十四号若しくは第十五号又は第二項 三億円以下の罰金刑
二 第二十五条第一項(前号の場合を除く。)、第二十六条、第二十七条、第二十七条の二、第二十八条第二号、第二十九条又は第三十条 各本条の罰金刑
2 前項の規定により第二十五条の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は、同条の罪についての時効の期間による。

引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律|e-Gov 法令検索

さらに、刑事罰にとどまらず、以下のような行政処分や責任も伴います。

  • 許可の取り消し
    廃棄物処理法違反で罰金刑以上が確定すると、建設業許可や産業廃棄物の収集運搬業許可などが取り消され、一定期間は再取得ができなくなります。
  • 原状回復義務
    刑事事件の時効(不法投棄の場合は5年)が成立しても、投棄した廃棄物を撤去し、環境を元に戻す「原状回復義務」は消滅しません。
運営者 稲垣

このように、不法投棄には企業の存続に関わるペナルティが設けられています。「処理費用を浮かせたい」という考えは、最終的に大きな代償を払う結果を招きます。

不法投棄撲滅のために行われている対策

今回の事件は、京都府の山城南保健所が監視網を通じて違法行為を察知し、京都府警へ申告したことで発覚・逮捕に至りました。行政の監視対策が機能した事例と言えます。

国や自治体は、不法投棄を未然に防ぎ、早期に摘発するための対策を講じています。環境省の「不法投棄等対策関連」ページでも示されている通り、全国規模での情報収集や支援の仕組みが整備されています。

  • 主な不法投棄撲滅対策
    • 警察OBによる監視指導員:捜査経験を持つ元警察官がパトロールを実施し、不審な車両などを早期に発見して警察と連携します。
    • 環境省「不法投棄ホットライン」:大規模事案に関する情報提供を受け付ける専用窓口(産廃110番)を設置し、自治体の監視網から漏れた事案を捕捉します。
    • 住民からの通報窓口:各自治体にフリーダイヤル等の窓口が整備されており、地域住民からの情報提供が事態の深刻化を防ぐ役割を果たしています。

まとめ:解体工事を依頼する際のチェックポイント

今回は京都府木津川市で発生した不法投棄事件について解説しました。不法投棄を行う業者は一部の悪徳業者ですが、そういう業者に依頼すると、施主自身も工期の遅れや被害者とのトラブルなどに巻き込まれてしまう恐れがあり、他人ごとではありません。

安心して工事を任せられる業者を選ぶための、3つのチェックポイントをまとめました。

1. 許認可の有無を確認する

  • 建設業許可 または 解体工事業登録
    請負金額500万円以上の工事には「建設業許可」、500万円未満の場合は「解体工事業登録」が必要です。有効期限内の許可証・登録証が提示されるか確認してください。
  • 産業廃棄物収集運搬業許可
    解体工事で出た廃棄物を処理場まで収集運搬するための許可です。運搬を請け負う業者の信頼性を見極める指標となります。他県へ運搬する場合は、工事現場と中間処理場の両方の自治体の許可が必要です。
  • 産業廃棄物処分業許可(処分委託先)
    解体業者が廃棄物の処理を他社へ委託する場合は、委託先が「産業廃棄物処分業許可」を持っているか確認しましょう。

2. 見積書と契約書を細部までチェックする

  • 詳細な見積書
    「解体工事一式」といった曖昧な見積もりは避け、「建物本体解体費」「付帯物撤去費」「廃棄物処理費」などが項目ごとに明記されているか確認します。廃棄物の内訳(種類や数量など)が具体的であるかが重要です。
  • 契約書
    廃棄物の処理方法やマニフェスト(管理票)の交付について明記されているかを確認し、不明点は契約前に解消しておきます。

3. マニフェストの写しを受け取る

契約前に「マニフェストはいつ(E票の)写しをいただけますか?」と質問してください。通常は工事完了後1か月ほどで提示できるため、回答を濁す業者は避けるべきです。
工事完了後は、最終処分まで適正に完了したことを証明する「E票」の写しを受け取りましょう。

なお、スッキリ解体には、優良業者の選び方を徹底解説した記事もございます。よろしければあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

「一個人の責任と情熱で、本当に役立つ情報を発信したい。」

『スッキリ解体』運営責任者。解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』という現状を変えるため、全記事の企画・編集に携わり、責任を持って情報発信を行う。

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