この記事の案内人・編集長
稲垣 瑞稀
- 雨の日でも解体工事が原則実施される理由がわかる
- 労働安全衛生規則に基づく、工事を中止すべき明確な法的基準がわかる
- 現場トラブルや想定外の費用発生を防ぐため、依頼主が業者に確認すべきポイントがわかる
「解体工事の予定日が雨予報だけど、本当に作業できるの?」
「無理に工事を強行して、事故や近隣トラブルが起きないか心配」
そんな疑問や不安を抱えて、この記事にたどり着いたのではないでしょうか。高い費用を払って依頼する大切な工事だからこそ、雨の中での作業に不安を感じるのは当然のことです。
でも、安心してください。この記事では、11万件以上の相談実績を持つ専門家の監修のもと、その疑問にしっかりお答えします。
結論から言うと、解体工事は安全が確保できる範囲であれば雨の日でも実施されます。実は雨の日には、近隣トラブルの原因の一つである「ホコリの飛散」を抑えやすいというメリットもあります。なお、工事を続けるか中止するかの判断は雨の強さではなく、法律で定められた「安全基準」に沿って判断されます。
監修者
現場解説一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一(はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
運営責任者「スッキリ解体」編集長
稲垣 瑞稀(いながき みずき)
解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。
執筆「スッキリ解体」専属ライター
馬場 美月(ばば みづき)
「解体工事の準備から完了まで、初めての方でも迷わないよう、一つずつ丁寧に解説します。」
「初心者にもわかりやすく」をモットーに、解体工事の全工程をステップバイステップで解説する記事を得意とするライター。毎週の専門勉強会で得た知識や業者様へのインタビューを元に、手続きの流れや専門用語を図解なども交えながら、読者が迷わずに理解できる記事作りを心がけている。
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解体工事は「雨の日」でも原則として行われる
解体工事は、小雨など作業に支障のない雨であればスケジュール通りに進められるのが一般的です。これには主に2つの理由があります。
- 工期への影響を最小限にするため:
建て替えや土地売却など解体後の予定と工程が連動している場合は、小雨のたびに作業を中断すると全体のスケジュールが遅れる可能性があります。そのため、安全が確保できる範囲で作業を続けるケースが多いです。 - 作業内容が天候に左右されにくいため:
解体工事では建物が濡れても品質への影響が少なく、天候による作業制限を受けにくいのが特徴です。
ここからは『あんしん解体業者認定協会』で11万件以上の相談対応実績を持つ初田理事の経験談を交えながら、雨の日に行われる解体工事のポイントを解説します。
現場解説
一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー
初田 秀一 (はつだ しゅういち)
解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。
群馬県沼田市で雨の日に行われた解体事例

理事 初田秀一こちらの現場では新築工事の日程が数ヶ月前から確定しており、わずか1日の遅れも許されないタイトなスケジュールが組まれていました。
当日は雨で地盤が緩んでおり、重機の足元が不安定になる恐れがありました。そこで、敷鉄板(しきてっぱん)を通常より多めに敷いて重機の転倒を防ぎ、作業員の足元も確保したうえで、安全第一で作業を進めました。
作業中止の法的基準と判断の目安
解体工事では、作業員や周囲の安全を確保できない場合に作業を中止する義務があります。これは「労働安全衛生規則」で定められています。
出典:労働安全衛生規則
第五百二十二条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所で作業を行う場合において、強風、大雨、大雪等の悪天候のため、当該作業の実施について危険が予想されるときは、当該作業を行わせてはならない。
また、行政の指針では、1回の降雨量50mm以上が作業中止の目安とされています。強い雨によって視界が悪化するほか、地盤が緩んで重機が転倒するリスクが高まる場合があるためです。
理事 初田秀一実際の現場では、降水量が目安の数値に達していなくても気象警報や注意報が発表されるなど悪天候が予想される場合は、養生シートを畳んだり作業を早めに切り上げたりすることがあります。これは、近隣への被害や事故を防ぐための安全配慮によるものです。
雨の日に解体工事を行うメリット・デメリット
雨の日に解体工事を行う場合の主なメリット・デメリットを、以下に整理しました。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・粉塵の飛散を抑えられる ・工期の遅れを防げる | ・足場が滑りやすくなる ・廃棄物の重量が増える可能性がある |
メリット
- 粉塵の飛散を抑えられる:
解体時に発生する木くずやコンクリートの粉は、近隣の洗濯物や車を汚す原因です。雨の日は大気中の湿度が高く、粉塵が重くなって地面に落ちやすいため、周囲への飛散を抑えやすいです。 - 工期の遅れを防げる:
解体後の新築工事や土地の引き渡しなど、全体のスケジュールの遅れを防ぎやすくなります。
デメリット
- 足場が滑りやすくなる:
高所作業では足場が滑りやすくなり、作業員の転倒・落下の危険性が高まります。 - 廃棄物の重量が増える可能性がある:
木材などが雨を吸うと重量が増えます。廃棄物の処分費は重さに応じて決まる場合もあるため、雨を含んだ状態だと費用が高くなる可能性があります(※契約内容によります)。
まとめ:雨の日に解体工事をする場合に確認すべき3つのポイント
工事が雨天決行となった場合は以下の3つのポイントを確認し、想定外のトラブルや費用の発生を防ぎましょう。
- 作業中の安全管理:
雨天時は足場の滑りやすさや重機の転倒など、安全面でのリスクが高まります。業者が具体的な安全対策を実施しているかを確認しましょう。 - 作業中断の判断基準と連絡体制:
雨が強くなった場合にどのタイミングで作業を中断するのかを確認します。また、中断や再開の判断があった際に、誰からどのように連絡が届くかもあらかじめ決めておきましょう。 - 追加費用の発生条件:
「雨で工期が延びた」という理由だけで追加料金が発生するケースは一般的に少ないですが、念のため業者には「雨の日に作業した場合、追加費用は発生しますか?」と事前に確認しておくと安心です。
理事 初田秀一悪天候は避けられませんが、雨の日の対応を事前に業者と共有しておくことが大切です。たとえば「◯mm以上の雨なら作業を中止」「中止の場合は朝8時半までに電話で連絡」といったルールを決めておくと、工事を安心して見守れます。
