解体工事の騒音はどこまで我慢すべき?基準・対策・苦情対応を徹底解説

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稲垣 瑞稀

この記事の案内人・編集長

稲垣 瑞稀

解体業界で6年間働く中で感じた『正しい情報が届かない』というもどかしさから、全記事の企画・編集に責任を持っています。専門家への直接取材を通じ、業界経験者として分かりやすい情報提供をお約束します。

「解体工事の騒音って、いつが一番うるさいの?」
「この騒音は、あとどのくらい続くの?」

突然始まった解体工事の騒音に、不安やストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、解体工事の騒音は「建物本体を解体する時期」にピークを迎え、木造住宅であれば3日〜5日ほど続きます。

ただし、解体工事では重機やはつり作業などにより、ある程度の騒音や振動が発生するのは避けられません。その一方で、騒音には法律による基準があり、状況によっては行政や専門家に相談するのも可能です。

この記事では、解体工事の騒音について法律上の基準や裁判での判断の考え方、騒音トラブルの実例、さらにトラブルを防ぐための対策や苦情への適切な対応方法までわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 解体工事の騒音が大きくなる時期(ピーク)や原因がわかる
  • 解体工事の騒音はどこまで我慢すべきか、法律上の基準と判断の目安がわかる
  • 騒音トラブルが起きた場合の相談先と、裁判での判断の考え方を理解できる
  • 解体工事の騒音トラブルを防ぐための対策と、苦情への適切な対応方法がわかる

この記事の制作チーム

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中野 達也監修者

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事

中野 達也(なかの たつや)

解体工事業の技術管理者であり、解体工事施工技士を保有。2011年に解体業者紹介センターを鈴木佑一と共に創設。2013年に一般社団法人あんしん解体業者認定協会を設立し、理事に就任。めざまし8(フジテレビ系列)/ひるおび(TBS系列)/ 情報ライブ ミヤネ屋(日本テレビ系列)/バイキングMORE(フジテレビ系列)など各種メディアに出演。

初田 秀一現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一(はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

稲垣 瑞稀運営責任者

「スッキリ解体」編集長

稲垣 瑞稀(いながき みずき)

解体業界専門のWebメディアでWebディレクターとして6年以上、企画・執筆・編集から500社以上の解体業者取材まで、メディア運営のあらゆる工程を経験。正しい情報が届かず困っている方を助けたいという想いから、一個人の責任と情熱で「スッキリ解体」を立ち上げ、全記事の編集に責任を持つ。

酒巻 久未子執筆

「スッキリ解体」専属ライター

酒巻 久未子(さかまき くみこ)

「解体工事でお悩みの方に、同じ主婦の立場から実用的な情報をお届けします。」

数多くのお客様や業者様へのインタビューを通じて、お客様が抱えるリアルな悩みに精通。実際の解体工事現場での取材を重ね、特に「お金」や「近隣トラブル」といった、誰もが不安に思うテーマについて、心に寄り添う記事を執筆。子育て中の母親ならではの、きめ細やかな視点も大切にしている。

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目次
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解体工事の騒音のピークはいつ?

解体工事で最も大きな音が出るのは、建物本体を解体する時期です。

一般的な木造住宅の場合、強い騒音が発生する期間は3日〜5日程度続きます。鉄筋コンクリート造(RC造)などの大規模な建物では、この期間がさらに長くなる傾向があります。

とくに音が大きくなるのは、重機が本格的に稼働する「建物本体」と「基礎」を取り壊す時期です。この期間を過ぎると、騒音は徐々に落ち着いていきます。

騒音のピークは「建物本体」の取り壊し時

解体工事は主に以下の工程で進みますが、騒音レベルは工程ごとに大きく変わります。

  • 足場・養生設置(着工〜1、2日目)
    金属製パイプを組み立てる際に、高い打撃音が発生します。
  • 内装解体(2、3日目〜)
    建物内部をほぼ手作業で解体する工程のため、比較的静かです。
  • 建物本体の解体(ピーク時期)
    重機(油圧ショベルなど)で屋根・壁・柱を取り壊します。木材が折れる音や外壁を砕く音が連続して発生し、騒音のピークとなります。
  • 基礎解体(終盤)
    地中のコンクリート基礎を掘り起こす工程で、大きな音に加えて地面に伝わる振動も強くなります。

また、現場でとくに大きな音が出る作業の一つに、コンクリートを削るはつり工事があります。高音で断続的な打撃音が発生するため、体感的な騒音が強くなりやすいのも特徴です。

はつり工事については、次の記事にて詳しく解説していますのであわせてご覧ください。

大きな音が出る期間はどのくらい続くのか

建物の構造や規模によって異なりますが、騒音のピーク期間の目安は以下の通りです。

  • 一般的な木造住宅(30坪程度)
    建物本体の解体は2〜3日間程度、基礎解体を合わせると大体4〜5日間が目安です。
  • 鉄筋コンクリート造のマンション等
    構造が強固なため大型重機を長期間使用し、規模によっては数週間〜数ヶ月にわたり大きな騒音が続く場合があります。はつり工事の割合も多く、騒音が長期化しやすい点に注意が必要です。

騒音が発生する原因と法律による基準

騒音の原因

解体工事の騒音は、重機だけでなくさまざまな工程や作業が重なり合うことで発生します。

主な原因は以下の通りです。

  • 重機の先端で建物を砕く・壊すときの打撃音
  • コンクリートを削るはつり作業の高音
  • 足場の設置・解体時の金属音
  • 資材の搬出入時の衝撃音

これらの音が重なり合うことで、解体工事の騒音は大きくなります。

解体工事の工程ごとの騒音レベルを比較します。

騒音レベルの比較画像

【比較表】騒音レベル

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騒音源騒音レベルの目安(dB)身近な音に例えた場合音の特徴・注意点
大型ブレーカー(打撃工法)約85〜100dB・ガード下で聞く電車の通過音
・近距離での車のクラクション
・ヘリコプターの近く
低周波成分が強く、振動を伴いやすい。建物や窓ガラスが揺れる感覚を受けやすい。
ハンドブレーカー約90〜100dB・至近距離でのチェーンソーの音
・すぐそばで聞く大声の叫び声
高音域が中心で耳に残りやすい。遮音シートを通過しやすく、不快になりやすい。
圧砕機(破砕工法)約70〜85dB・地下鉄の車内
・救急車のサイレン(やや離れた位置)
・強運転の掃除機
打撃を伴わないため振動は比較的少ない。住宅密集地で主流の工法。
重機の走行・アイドリング音(ユンボ・ダンプ)約60〜75dB・交通量の多い交差点
・電話の呼び出し音
音量自体は中程度だが、長時間続くと不快になりやすい。
日常生活の音約40〜60dB・静かな図書館(約40dB)
・普通の会話(約60dB)

工法による騒音の違い

解体工事の騒音は、使用する重機のアタッチメントや工法によって大きく変わります。
例えば、コンクリートを打撃して壊す工法は騒音が大きく、挟んで砕く工法は比較的静かです。

以下では、各工法の騒音の特徴をまとめています。

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解体方法特徴騒音レベル費用対効果
圧砕工法巨大なハサミのような重機でコンクリートを噛み砕く。打撃音がなく静か。低い費用は高めだが、住宅密集地では効果的。
転倒工法壁や柱をワイヤーで引っ張って倒し、地上で細かく砕く工法。高所での解体作業が少なく、騒音を抑えやすい。圧砕工法よりは安価。敷地に余裕が必要。
ハンドブレーカー人が手で持つ機械で砕く。重機が入らない場所で使う。騒音は大きい。高い人力作業のため時間がかかり、費用も高くなりやすい。

「騒音規制法」とは

解体工事による騒音から周辺の生活環境を守るために、騒音規制法が定められています。

騒音規制法は、工場及び事業場における事業活動並びに建設工事に伴って発生する相当範囲にわたる騒音について必要な規制を行うとともに、自動車騒音に係る許容限度を定めること等により、生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とする。

引用:騒音規制法の概要|環境省

とくに騒音や振動が大きい作業は「特定建設作業」として指定され、作業時間や騒音レベルに規制が設けられています。

特定建設作業と規制基準

特定建設作業とは、建設工事の中でもとくに大きな騒音や振動が発生する作業として、騒音規制法や振動規制法で指定されているものです。
解体工事では、主に大型機械を使用する作業が該当します。代表的なものは次のとおりです。

  • さく岩機(ブレーカー)による作業
    油圧ショベルの先端にブレーカーを取り付け、コンクリートなどを打撃して破壊する作業。
  • 空気圧縮機(コンプレッサー)を用いた作業
    電動機以外の原動機(ディーゼルエンジン等)を用いるもので、定格出力が15キロワット以上のもの。

なお、次のような作業は原則として特定建設作業の対象外とされています。

  • 環境大臣が指定する低騒音型の機械を使用する場合
  • さく岩機の動力として空気圧縮機を使用する場合
  • 圧砕機による作業
  • 手持ち式の小型の機械による作業

特定建設作業を行う場合、騒音の大きさや作業時間などに次のような基準が設けられています。

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特定建設作業における建設作業騒音の規制
規制の区域第1号区域第2号区域
騒音の大きさ敷地境界において85デシベルを超えないこと
作業時間帯19:00~7:00に行われないこと22:00~6:00に行われないこと
作業期間1日あたり10時間以内1日あたり14時間以内
連続6日以内
作業日日曜日、その他の休日でないこと

第1号区域 良好な住居の環境を保全するため、とくに静穏の保持を必要とする区域(学校、病院等の周囲おおむね80mの区域等)。
第2号区域 生活環境を保全すべき地域のうち、1号区域以外の区域。

特定建設作業を行う場合、施工者は作業開始の7日前までに市町村へ届出を行う必要があります。

また規制基準に違反し、周辺の生活環境が著しく損なわれていると認められた場合、市町村長は次のような行政対応が行えます。

  • 騒音防止方法の改善や作業時間変更に関する勧告
  • 勧告に従わない場合の命令

なお、1日で終わる作業や災害時の緊急工事などは例外として扱われる場合があります。

騒音の相談窓口

騒音の相談は、当事者同士での話し合い→行政への相談→法的手段の順で、段階的に対応するのが基本です。

1.施主・解体業者

最初の相談先は、工事を発注している施主か実際に作業を行う解体業者です。

連絡先の確認方法
工事現場には、建設業法に基づき「建設業許可及び解体工事業登録」の看板を掲示するよう義務付けられています。
看板に記載されている、現場監督や施工会社の連絡先へ問い合わせましょう。

伝え方のポイント
「朝8時以前の作業は控えてほしい」「13時〜15時は子どもの昼寝時間のため、大きな音が出る作業を避けてほしい」など、具体的な要望を伝えることで、業者側も工程の調整がしやすくなります。

2.市区町村の役所

当事者に申し入れても改善が見られない場合は、工事現場がある市区町村の役所(環境課・公害課など)へ相談します。

役所の役割
都道府県や市区町村には、法律や条例に基づき、工事現場への立ち入り検査や騒音・振動の測定を行う権限があります。
測定の結果、基準値を超えている場合、行政は業者に対して改善勧告や改善命令といった行政指導を行えます。

相談時の注意点
行政は基準超過の有無を判断し指導できますが、慰謝料の支払いなど民事的な仲裁を行う権限はありません。
相談の際は、「いつ」「どのような被害が出ているか(会話ができない、揺れで体調が悪いなど)」を記録したメモを用意しておくと、担当者が状況を把握しやすくなります。

3.弁護士・専門機関

行政の指導が入っても改善されない場合や、騒音・振動によって建物の損傷や体調不良などの実害が生じている場合は、法律の専門家への相談を検討しましょう。

弁護士への依頼
弁護士は、業者との交渉代理をはじめ、損害賠償請求や工事の差止請求など、法的手続きに沿って行います。
この段階では、「受忍限度(じゅにんげんど)」を超えているかが主な争点となります。

法テラスへの連絡先 0570-078374

公害等調整委員会・公害審査会
裁判よりも簡易かつ迅速な解決方法として、総務省の公害等調整委員会や、各都道府県の公害審査会による調停制度を利用する方法もあります。

準備する証拠
法的措置を検討する際は、以下のような証拠が重要です。

  • 騒音計による測定記録(日時・数値)
  • 被害の記録(メモ、医師の診断書、建物の亀裂が入った写真など)
  • 業者とのやり取りの記録(録音、メール、書面)

※受忍限度
社会生活を営むうえで「一定程度はやむを得ない」とされる範囲のことを指す。この限度を超えた場合に、民法第709条の不法行為が成立し、損害賠償請求が認められる可能性がある。

出典:民法(明治二十九年法律第八十九号)

(不法行為による損害賠償)
第七百九条
 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

引用:民法(明治二十九年法律第八十九号)|e-Gov法令検索

騒音を抑えるための対策方法

ここでは、騒音を抑える対策として工事前と工事中の2段階に分けて解説します。

工事着手前の対策

  • 防音シート(養生シート)の設置
    建設現場で一般的に使用されるシートです。粉じん対策だけでなく、厚手タイプを使用することで一定の遮音効果があります。
    設置の際は建物の高さよりも高く張り、隙間を作らないことが重要です。
  • 防音パネルの使用
    防音シートよりも遮音性能が高く、打撃音や低周波音に有効です。
    隣家との距離が近い現場や、コンクリート解体が中心となる工事で使用される場合が多いです。
  • 低騒音・低振動工法(圧砕機工法)の採用
    ブレーカーで叩き壊すのではなく、油圧で挟んで砕く圧砕機を使用します。
    連続的な打撃音が発生しません。
  • 低騒音型建設機械の使用
    国の基準を満たした低騒音型建設機械は、エンジン音や排気音が抑制されています。
    住宅地での解体工事では、指定機の使用が基本となります。

防音設備の違いと効果

防音シートと防音パネルの画像
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種類概要期待できる効果注意点
防音シート厚手のシートで現場を囲う高音域の軽減(約10〜15dB)重低音・振動は抑えきれない
防音パネル金属・吸音材を用いた硬質パネル打撃音・低周波音の抑制(約20〜30dB)追加費用が発生しやすい

一般的な木造住宅の解体工事の見積もりには、防音シートが含まれている場合がほとんどです。
防音パネルを使用する場合は、材料費や設置手間が増えるため、追加費用が発生するケースがあります。

ただし、住宅密集地での騒音トラブルを防ぐ手段としては非常に有効です。
見積もりの段階で、業者への相談をおすすめします。

工事中の対策

  • アイドリングストップの徹底
    待機中や作業の合間にエンジンを停止し、エンジン音を抑えます。
    環境省の指針でも推奨されている基本的な対策です。
  • 丁寧な重機操作による衝撃音の軽減
    廃材を高い位置から落とさず低い位置から静かに積み込むことで、突発的な衝撃音を防ぎます。
  • 敷鉄板・ゴムマットの設置
    重機の走行ルートに敷設することで、振動が地面を伝って周囲に響くのを抑えます。
    地盤が弱い場所や、隣家との距離が近い現場では有効です。
  • 作業時間帯の調整
    騒音が大きくなりやすい基礎解体は早朝や夕方を避け、日中(例10時〜16時)に集中させることで近隣への負担を軽減できます。

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施主ができる近隣トラブルの対策方法

ここでは、施主自身が主導して行うべき対策を次の3点に整理して解説します。

1.騒音対策に配慮した解体業者を選ぶ

業者には「近隣への配慮を重視した工事を希望する」としっかり伝えることが重要です。そのうえで、騒音対策がどの程度考慮されているか、以下のポイントを具体的に確認しましょう。

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確認項目内容注意点
養生費・安全対策費防音シート・足場設置費費用が安い場合、防音シートが薄い・高さ不足の可能性がある
使用する重機低騒音型建設機械の有無古い重機は騒音・振動が大きくなりやすい

2.近隣挨拶は「テンプレート」と「工程表」で誠意を伝える

挨拶の際は、口頭だけで済ませず、「挨拶状」と「簡易工程表」を用意しておくと、より誠意が伝わります。

挨拶状テンプレート

以下の文面は、そのままコピーしてご使用いただけますのでぜひご活用ください。
印刷したものに、最後に一言手書きで添えると、より丁寧な印象になります。

挨拶状テンプレート

近隣住民の皆様へ

解体工事のご挨拶

拝啓

〇〇の候、皆様におかれましては、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。

さて、この度、下記住所の家屋を解体することになりました〇〇(施主名)と申します。

工事期間中は、騒音や振動、粉じんの発生などにより、皆様には大変ご迷惑をおかけすることと存じますが、安全には細心の注意を払い、ご迷惑を最小限に抑えるよう努めてまいります。
何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

【工事概要】
工事場所 〇〇市〇〇町〇-〇-〇
工事期間 令和〇年〇月〇日~令和〇年〇月〇日(予定)
作業時間 午前8時~午後5時(日曜・祝日は休業)
施工業者 株式会社〇〇建設(電話番号:xxx-xxxx-xxxx)
施  主 (氏名)(電話番号:xxx-xxxx-xxxx)

何かお気づきの点がございましたら、ご遠慮なく上記の連絡先までお知らせください。

甚だ略儀ではございますが、書中をもちましてご挨拶といたします。

敬具

(手書きスペース)
例 長期間にわたりご迷惑をおかけし誠に申し訳ございませんが、何卒よろしくお願いいたします。

工程表

工程表があることで、騒音が出やすい期間が把握でき、近隣住民の安心感につながります。

工程表

4月1日〜3日 足場設置・内装解体(比較的静かです)

4月4日〜10日 建物本体の解体(重機を使用するため、大きな音が出ます)

4月11日〜13日 基礎解体(コンクリートを砕くため、振動・騒音が出ます)

4月14日〜15日 整地・片付け(音は小さくなります)

このような資料作成は、経験豊富な解体業者であれば対応が可能なケースがほとんどです。
見積もりの段階で、「近隣配布用の工程表を作成できますか?」と相談するのがおすすめです。

3.苦情対応の流れを事前に決めておく

近隣から騒音に関する苦情が入った場合に備え、対応の流れを事前に決めておくことが重要です。
基本的には、施主が誠意を示して対応し、技術的な対策は解体業者に任せる役割分担になります。

近隣住民から施主へ直接クレームの連絡があった場合は、次の3ステップで対応しましょう。

  1. まずは真摯に謝罪する
    理由や事情を説明する前に、「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」と謝意を伝えます。
  2. 相手の話を遮らずに聞く
    「いつ頃の音が気になるのか」「どのような点で困っているのか」を具体的に確認します。
  3. その場で結論を出さず、持ち帰る
    「すぐに業者に確認し、防音対策や作業時間の調整などを検討したうえで、必ずご連絡します」と伝えます。

解体工事の騒音で補償は受けられる?

ここでは、法律(民法・騒音規制法)に基づき騒音による補償が受けられるかを解説します。

裁判で損害賠償を請求できる?

解体工事の騒音を理由に裁判で訴えることは可能ですが、認められるためには騒音が「受忍限度」を超えているかが判断基準となります。

裁判では、単に音が大きいだけでなく、騒音規制法などの法令を守って工事が行われているかも含め、次のような事情を総合的に判断します。

  • 騒音の程度が、法令や社会通念から見て過度といえるか
  • 作業が早朝・夜間に及んでいないか、期間が不必要に長くなっていないか
  • 防音パネルの設置など、業者が騒音低減のための配慮を行っているか
  • 騒音によって不眠や体調不良など、具体的な健康被害が生じているか

これらを踏まえても、「うるさくて不快だった」との主観的な感覚だけでは、受忍限度を超えたとは判断されにくいのが実情です。損害賠償が認められるケースは限られており、認定されたとしても金額は比較的少額にとどまる傾向があります。

解体業者の「工事賠償責任保険」で補償される?

多くの解体業者は、事故に備えて工事賠償責任保険に加入しています。ただし、騒音そのものに対する慰謝料が保険で支払われるケースはほとんどありません。

この保険が主に対象とするのは、次のような事例です。

  • 解体中に足場が倒れ、隣家の屋根を破損した場合(財物損壊)
  • 資材の落下により通行人がけがをした場合(対人賠償)

その他の保険でも騒音・振動による被害は免責事項とされ、特約がない限り補償の対象外となります。
これらは「突発的な事故」を想定して、工事に伴ってある程度発生する騒音は事故とは扱われないためです。

ただし、騒音や振動が原因で建物にひびが入るなど、具体的な物理的損害が生じた場合には、保険が適用される可能性があります。

なお、工事賠償責任保険の詳細については以下の記事にて紹介していますので、あわせてご覧ください。

【実例】解体工事の騒音をきっかけに近隣トラブルへ発展した

初田 秀一 現場解説

一般社団法人あんしん解体業者認定協会 理事・解体アドバイザー

初田 秀一 (はつだ しゅういち)

解体アドバイザー歴15年、相談実績は11万件以上。お客様の不安を笑顔に変える現場のプロフェッショナル。「どんな些細なことでも構いません」をモットーに、一期一会の精神でお客様一人ひとりと向き合い、契約から工事完了まで心から安心できる業者選定をサポート。この記事では現場のリアルな視点から解説を担当。

解体工事の現場では、騒音をきっかけに近隣トラブルへ発展してしまうケースは少なくありません。
これまで11万件以上の解体相談に対応してきた「あんしん解体業者認定協会」の初田理事のもとでも、事前の配慮不足が原因で近隣関係が大きく悪化してしまったケースが実際に発生しています。

理事 初田秀一

ある現場で、近隣の方が在宅で仕事をされている中、工事について十分な事前説明がないまま重機による解体作業が始まりました。
想定以上の騒音と振動により生活や仕事に支障が出てしまい、不満が一気に高まった状況でした。

理事 初田秀一

さらに、施主側からの説明やフォローが十分でなかったことで、「配慮が足りないのではないか」という不信感につながり、最終的には自治体への相談にまで発展しました。その後、防音対策の強化による対応が行われましたが、一度こじれた関係を修復するのは簡単ではありません。

騒音そのものよりも「事前の一言」や「配慮の有無」がトラブルの分かれ目になります。適切な説明と対策を行っていれば、防げた可能性の高いケースでした。

【FAQ】解体工事 騒音に関するよくある質問

解体工事中の騒音がストレスになった場合、我慢するしかありませんか?

我慢する必要はありません。基準を超えている場合は、行政への相談で改善する可能性があります。

解体工事の騒音は、騒音規制法により基準が定められており、騒音の大きさは敷地境界で85デシベル以下、作業時間は原則として午前7時から午後7時までなどの制限があります。これらに違反している疑いがある場合は、自治体の環境担当部署に相談することで、騒音測定や業者への指導などの対応が行われる可能性があります。

解体工事で「迷惑料」や「慰謝料」は発生しますか?

原則として発生しませんが、「受忍限度」を超える場合は認められる可能性があります。

工事による騒音や振動は、社会生活上やむを得ないものとして、一定の範囲内であれば違法とはされません。ただし、法令基準を大きく超える騒音や深夜作業、配慮の欠如、健康被害などがあり、「受忍限度」を超えると判断された場合には、不法行為として慰謝料などの損害賠償が認められる可能性があります。

解体工事の騒音を警察に通報できますか?

通報は可能ですが、改善を求めるには自治体への相談がより有効です。

騒音が著しく生活に支障がある場合は、警察へ通報することも可能であり、状況によっては現地で注意が行われます。
ただし、警察には工事を直接規制する権限はなく、対応は口頭での指導にとどまるのが一般的です。
作業時間の是正や防音対策などの具体的な改善を求める場合は、騒音規制法を所管する自治体の環境担当部署へ相談しましょう。

まとめ

ここまでは、解体工事で発生する騒音の原因や法律上の考え方、騒音トラブルが起きた場合の相談先、そして実際のトラブル事例と対策について解説してきました。

解体工事の騒音トラブルは、工事そのものよりも「事前説明の不足」や「苦情への対応」がきっかけで深刻化するケースが多いのが実情です。

最後に、施主として意識すべきポイントを整理しましょう。

解体工事の騒音トラブルを防ぐためのチェックリスト

  • 騒音対策に配慮した解体業者を選んでいるか
  • 近隣挨拶の際に、挨拶状や工程表を渡して説明しているか
  • 騒音が出やすい工事期間を近隣に伝えているか
  • 万が一、苦情があった場合の対応を決めているか
  • 苦情が入った場合、業者と連携して対応できる体制になっているか

対応のすべてを業者任せにするのではなく、施主としても近隣への配慮を意識しながら解体工事を進めていきましょう。

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